ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

小堀遠州美の出会い展/談春独演会

2008年01月11日 | Weblog
昼に友人と待ち合わせ、銀座松屋の特別展「小堀遠州 美の出会い」展へ。12時過ぎに到着すると、会場は入場制限するほどの大盛況で既に長蛇の列。先にお昼ごはんを松屋8階「イ・プリミ」へ。ルッコラのサラダとトマトとモッツアレラチーズのパスタ、魚介のピザを注文。パスタとサラダはおいしかったが、ピザは生地もソースもイマイチ。魚介は火が通りすぎていて固い。他がおいしかっただけに残念。
食事を終えて遠州展へ。とぐろを捲いていた列はなくなってやや落ち着いたかのように見えた会場前だったが、中はぎゅうぎゅう、高齢者満載のすし詰め電車のような雰囲気で、遠州の世界観からはほど遠い。綺麗さびの言葉の如く洗練された茶道具、遠州と交流のあった大名や文化人の書画、鑑定書など、貴重な展示品の中で一番興味深かったのは小堀宗実氏のお濃茶お点前を収録した映像。お茶人ならば当然であろう所作も、お茶人ではない私にはちんぷんかんぷんで意味不明でかなり面白い。あとで友人に根掘り葉堀り質問してなるほど納得。どれほど不可思議に見える所作にもきっちり意味があり、それが形になり、それぞれの流派の美意識を表わしている。プラチナの茶室は煌々としたライトの中で見るものではないように感じる。月明かりの下でしかその美は現れないように思う。
大混雑の会場を離れ、疲労回復のためにマリアージュ・フレールへ。マルコ・ポーロとリンゴのタルトでのんびり。相変わらずここの紅茶はおいしい。アールグレー・フレンチブルー、ダージリン・ヒマラヤ、そして中国茶のオピウム・ヒルもおいしい。
気分一新、談春独演会@銀座ブロッサムへ。
開口一番はなし、いきなり談春が高座に。「子ほめ」上・中。そして仲入後「子は鎹」。前半は談春カラーで一気に進行。しかし下は家族・愛の劇場といった感じ。青い鉛筆のストーリーが以前より作り込まれ、話の重要な要素となっている。夜なべして書いた青空の絵、うなぎ屋に出かけた亀ちゃんはそれを忘れてしまう。それに気づいた母親は、迷った末にそれをうなぎ屋に届けに行く。階下から亀の名を呼ぶ母親、しかし亀はうなぎを口にいっぱい頬張って一言も声を発しない。この時の亀ちゃんの食べっぷりはすばらしい。そして2階に上がってきた母親と入れ替わって階下に降りる亀。父と母三年ぶりのぎこちない対面。そんな中、青空の絵を父親に見せる母。何だか理解できない父に、母は「空はあなたのことだと思います」と思い出話。母子二人に経済的な不自由はさせないという父に対して、堪りかねた亀「男だろ?」との言葉に棟梁は意を決してもう一度やり直そう、と切り出し、親子三人涙に暮れてサゲに。
終演後は並木通りのマルディグラへ。サインが分かりにくく穴場的雰囲気が漂う。ビルとビルの隙間に地下に降りる階段がある。料理は田舎風パテとちょっとカブるがどうじても食べたかったリエット、イカを墨で煮込んだものを前菜に、メインは仔羊のグリルとカスレをオーダー。パテとリエット、ビストロ風の気取りのない味、大満足。しかしイカは火が入りすぎて固い。メインは適量、どちらもおいしいがカスレはどうしても塩味強め。銀座のわりに値段もそこそこ、しかも夜遅くまで開いているので便利。