本の感想を一冊。
『ムギと王様 本の小べや1』(エリナー・ファージョン著、石井桃子訳、岩波少年文庫)
ファージョンはイギリス児童文学界では大変有名な作家さんなのですが、恥ずかしながら今まで未読でした。よくお邪魔させて頂く児童文学のサイト様で「ファージョンはいいよね!」「いいね!」みたいな話になった時、全然ついてゆけず(笑)、しかし皆さんの様子から察するにとても面白そうだったので、読んでみました、『ムギと王様』。
この岩波少年文庫版には短編が14編収録されていましたが、どれも良かったです。特に良かったのは『レモン色の子犬』と『西ノ森』。両方とも王女さまや王さまの恋物語なのですが、童話に非常によく見られる「三回繰り返す」という手法が使われており(例:今日は北に行きました。翌日は南に行きました。その次の日は東へ行きました)、4回目にしてオチがつく、という感じなのですが、それがやたら期待を高めてくれてよかったです(笑)。
『レモン色の子犬』は、木こりのジョーと王女様のじれじれ恋愛?(笑)間を取り持つ子犬がいい味を出しています。
『西ノ森』のほうは、王さまの小間使いの分際で王さまにタメ口を利くシライナが非常に良かったです(笑)。
王さま「身分をわきまえろ、シライナ!」
シライナ「ああ、そう。ご用はもうこれだけ?」
・・・すごい態度だな(笑)。この王さま、この態度に頭に来てクビにしてやろうと思いつつ、そうしたらシライナが路頭に迷ってしまうからと思ってできなかったり、妙に子供っぽい態度がツボでした。
結論。ファージョンは面白い。
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