満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

「これはあかがね色というのよ」

2006-03-08 02:07:04 | 映画

皆様ごきげんよう。ひきつづき黒猫がお伝えしています(何を)。

もう寝ようと思うのですがその前にどうしても触れておこうと思います。

『ハウルの動く城』がアカデミー賞受賞を逃したのは、ソフィーの髪をあかがね色に戻さなかったからだと思うよ。

原作信者のわたしとしましては、ラスト、ソフィーが若さを取り戻し、目を覚ましたハウルに「あんたの髪って赤毛なんだね」と言われ、タイトルの通りに答えたこのシーンが一番の見せ場シーン、ぐっと来るシーンだったと思うわけですよ。なのにここ丸々カットですから。そりゃ世界に偏在するジョーンズファン(原作者、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんのこと)から「何白髪のまま終わってんじゃ!ソフィーの髪はあかがね色だろうが!!」とのツッコミが入らないわけがないわけで。・・・というのはまあ、主な理由ではないでしょうが(笑)、この映画、結局ちょっとストーリー的にわかりにくい所が多かったんじゃないでしょうか。原作既読のわたしは脳内で勝手に色々補われましたが、たとえばラスト、カブが王子様に変身したのなんか、映画だけ観たら非常に唐突だったと思うのですが。

原作者、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんは非常に特徴的な作風の持ち主で、イギリスでもワンアンドオンリーの作家として知られています。基本的に読者の間では「ジョーンズ作品はまず二度読め」と言われていますし(それほど筋が複雑)。ただでさえ複雑な原作を、宮崎さんが結構派手に脚色してしまったので、結果としてわかりにくくなってしまったのかもしれませんね。

それにウォレスとグルミットは文句なしに面白かったしね!

・・・こんな批評めいたことを言うわたしですが、ジブリの次回作『ゲド戦記』、今から非常に不安には思っていますが観に行ってしまうと思います。(※黒猫はまたしても原作信者です)ゲドの声が菅原文太さんと聞いちゃ行かないわけにはいきません。多分ツンデレ気味な感じで行くと思います。
「・・・ち、違うのよ、ちょっとそこまで通りかかったから・・・べっ、別に気になってたわけじゃないのよ?え?ちっ、違うわよ、前売り券なんかじゃ・・・ひ、人から貰ったのよ!無駄にしちゃ勿体無いでしょう!?」
みたいな感じで(笑)。
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