満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『ハンコック』

2008-08-19 01:16:18 | 映画

皆様ごきげんよう。なんだか目がちくちくする黒猫でございます。何だろうかこれ。とりあえずさっさとコンタクト外しておきました。

さて、今日は先週観た試写の感想を。

_『ハンコック』

超人的な力を持つハンコック(ウィル・スミス)はいわゆる「ヒーロー」だが、毎日酒を飲んではくだを巻く自堕落な日々。たまに人命救助のために行動しても、大雑把なので道路やビルを壊してしまい損害のほうが大きくなるばかりで、「やりすぎだ」と街の人々に嫌われていた。
そんなある日、ハンコックは渋滞のせいで踏切内で立ち往生してしまった車が電車に轢かれそうになるところを助けるが、その助け方が乱暴だったため、またしても周囲から非難を浴びる。しかし命を救われた当人のレイ(ジェイソン・ベイトマン)は、ハンコックのせいで車がほぼ壊れてしまったにも関わらず、群衆の前でハンコックに感謝を述べる。彼は宣伝マンで、人類の幸福のためにみんなができる限りお互いに協力をするという「オールハートマーク」を広めようとしていた。

彼はハンコックを夕食に招き、幼い息子・アーロンと妻・メアリー(シャーリーズ・ セロン)に紹介する。妻の嫌な顔にも関わらず、レイはハンコックに「君のイメージ向上の手伝いをしたい」と申し出る。

迷った末、ハンコックがそれに同意すると、レイは「まず刑務所に入れ」という。今まで壊した公共物などの損害で、多数の召喚状が出ていたのだ。気乗りしないハンコックに、「2週間もすれば犯罪処理に手を焼いた警察が困り果てて助けてくれと言ってくるに決まってる」と請け合う。
しぶしぶ刑務所に入ったハンコックが気乗りしないままセラピーなどを受けて日々を過ごしていると、ある日警察署長から「手を貸してほしい」と連絡が入る。
今こそ新生ハンコックの再デビューだと、レイの指示通り(のつもり)で真新しいスーツを纏って出動するが・・・?

というようなお話。



いわゆるヒーローものなんですが、主人公は子どもが憧れるかどうかは微妙な感じのだらけたヒーローです。
ハンコックにも悪気はないんですが、やり方が乱暴すぎて被害が出るため、助けてやっても感謝されず、やさぐれ気味で酒を飲み、それがまた「それでもヒーローか」と蔑まれ・・・という悪循環。みんながあまり関わりたがらない中、いかにもお人好しという感じの宣伝マン・レイが絡んできて、さあ、お待ちかね、新生ハンコックのおでましだぜ!というのが主題なのかと思いきや、

違いました。

思わぬところでレイの妻・メアリーが絡んできます。メアリーは最初から夫がハンコックに関わるのをよく思っていないようだったんですが、子どもに悪影響とかそういうのではなかったんです実は。このへんはネタバレになってしまうので伏せておきますが、メアリーが関わってきてからの展開は「えぇ~・・・?」という感じでした。

ハンコックは実は過去の記憶がなく、自分がどうして超人的な力を持っているのか知りません。自分が何者なのかわからず、人々には煙たがられ、孤独な立場だったハンコックに手を差し伸べてくれたレイ。しかしその妻は実は・・・という話の展開は、なんとも微妙でした。現実的というかなんというか。きっちりオチがついたとも思えないし、話としてカタルシスがない。なきゃないでしょうがないですが、ヒーローものの典型、明るいアクションものだと思って観に行ったので、なんというか、微妙な結末が肩すかしでした。あれはあれでいいのか?みんなあれで満足なのかなあ。映像としては派手で面白かったですが。

しかしこの映画、一体誰向けなのか。子どもが観てもストーリー後半はあんまり面白くないと思うし。どんな層向けに作ったのやら、いまいちわかりません。なんというか、「世の中そううまくはいかない」って身をもってわかってる人向け?・・・いやそんな、映画でくらい夢を見たい・・・のはわたしだけ、なのかなぁ。

観ようと思っている方は、ヒーローものだとは思わないで観に行くべきだと思います。