野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

染谷花しょうぶ園2

2018-06-13 22:05:33 | 散歩

  最近よく耳にする「なので」ということば。本来、文の途中に「~なので、……」という

ように使われるのが普通だ。それなのに最近は接続詞として文頭で使われることがしばしば

目に付くようになってきた。現状を説明する言葉の後に、突然「なので」と振りかぶられると

いきなりの押しつけがましさを感じてひいてしまう。さすがに新聞や雑誌などの書き言葉で

見ることは今のところないのだが……。でもこの言葉が「だから」や「そのため」などに代わって

最近登場してきたのには社会的な背景があるようだ。詳しくはここで。

 それにしても高飛車に自己流の結論を押し付けるような感じは、私には耳障りでならないの……。

 

 

 今日は前回からの続き。まずは花菖蒲の原点とされるのハナショウブから

 

 凛とした美しさが感じられ清々しい

 

 良く似ているがこちらは遠山烏という品種

 

 他の品種より背が高いのが特徴

 

 

 これもよく似ている、トントン花という品種

 

 

 何れも私には判別が難しいのだが、こちらはやや色濃く思える神路の誉

 

 他にも似たような花菖蒲の品種があった。水天一色

 

 花車

 

 次は白色系のハナショウブ

 雪嵐という品種。立ち上がった花弁に赤紫色の縁取りが見られる

 

 ピンク色が綺麗なハナショウブだが名前は、日の丸2号という。しネーミングにはもう少し

配慮してほしかった。

 

 長井古種の「日月」

 

 肥後系のハナショウブ の児化粧(ちごげしょう)。白地にピンクのぼかしが入る。

 

 

 

 アメリカハナショウブでは一番よくお目にかかるスティップルドリップルス

 

花弁の縁を彩る鮮明な覆輪が美しい

 

 キショウブとの交配から生まれた愛知の輝き。最初の種間交配種で

従来見られなかった黄色いハナショウブはこれが初めて。

 この後、キショウブとの交配によりたくさんの品種がつくられた。

 

 熱海の夜というハナショウブ

 

 名前と花の姿、花色がなるほどと納得できる品種だ。

 

 扇の的。右上に雨滴が写っているのがちょっと嬉しい。

 

 紅紫色のぼかしが綺麗な春の小川

 

 

 安積の関は江戸系のハナショウブだが、一見すると肥後系のハナショウブのように思える。

 

  紅色の飛びぬけて鮮やかな紅扇

 

 神代の誉とあったが、ネットで探してみると「神代の昔」しか探せなかった。

 

   江戸系の東鑑

 

 いつまでも見入っていたい、万華鏡のような色とりどりのハナショウブ

 

 今日はこの辺で力尽きてしまった。染谷花菖蒲園は明日もう一回登場させよう。

 


染谷花しょうぶ園

2018-06-11 17:43:56 | 植物園

  久しぶりに近所のスーパー銭湯に行ってきた。いつものように座湯から入り、

次はサウナに入ってリバウンドしつつある体重を絞った。

最近は腰痛が気になるので3番目には電気風呂。これがなかなか気持ち良い。

体が火照ったところでやおら露天の寝湯にいく。この日は台風接近とかで雨が

降っていたが、南方から遥々運ばれてきた雨に打たれていると思うと何だか

アースエコロジーな気分に浸れた。5番目は無感風呂(湯温が体温と同じ)に

浸かって哲学的な瞑想に耽るのがいつもの習わし。これを2回繰り返すのが

私のお決まりのコースで所要時間は約90分。

今日は随分とご無沙汰だったので、電気風呂を一回増やして仕上げとした。

これで610円とは決して高くはない。勿論毎日は来れないが……。

 

 さて、染谷花しょうぶ園はさいたま市のの東部見沼区染谷にあり、

近くには見沼用水の東縁が通っている。昭和58年より毎年花菖蒲の

咲く時期(大抵は6月)に限って開園している民営の施設だ。HPはここ

入口付近の木陰から

 

 通年6月開園なのだが、暖かい今年は5月下旬から開園したという。入園料は大人500円だ。

 

 広さは8000㎡とさほど広くはないが、200種2万株の

ハナショウブが競い合うように咲いていて見頃の時季は素晴らしい。

 

 私が訪ねたのは6月6日、嬉しいことに今年はこの頃が最盛期だったようだ。

 

 このしょうぶ園の良い所は、なんといっても花の密生度だ。

 

 園内は狭いながらも、花見台、八ツ橋、東屋、茶室などが配置されていて、

景観の変化も楽しむことが出来る。

 

  花菖蒲の見え方にも工夫が凝らされているようで、高い所から、梢の間からと視点が変えられる

 

 

 基本的には品種ごとに植えられているのだが、見様によっては混植されているようにも見えて

 色合いの変化も楽しむこともできる。

 

 

 

 この日は絶好の雨日和。アジサイや花菖蒲は何と言ってもしとしとと降る雨に限る。

 

 

 

 以前はハナショウブが殆どだったが、最近はアジサイも多く植えられれている

 

 アナベルとハナショウブを一度にみられるのは何という贅沢だろう。

 

 

 通路と花とがとても近いのも写真を撮るには有難い。

 

 

  私が初めて来たのは2006年だから、12年前のことになる。そのころから比べると

随分来園者も増えた。中には心無いものもいて、この日も花壇に足を踏み入れる者や

邪魔になるので傘を花壇に突き刺しているもの、三脚で狭い通路を通せんぼしている輩

 構図の邪魔になると葉や枯れた花を契っている者もさえいた。

 

 

 勿論人の迷惑にならないように気を使って譲り合い、謙虚に花を愛でる人の方が多いのだが……。

 

  

 次回は同じ染谷花しょうぶ園で品種ごとに

ハナショウブの写真を載せることにしたい。

この辺で。


としまえんーあじさい祭り

2018-06-07 20:43:54 | 植物園

 節季も巡り巡って芒種となり、関東では昨日梅雨入りが宣言された。

芒種とはわかりにくい名だが、芒はのぎと読みイネ科の穂先にある

棘状の突起のこと、稲の種を植える時期が来たという知らせらしい。

かつてはこの節季名のように陽暦6月6日頃に苗代をしこんだのが由来。

 この梅雨の季節を代表するのは何と言ってもハナショウブとアジサイ

いずれも花色が青系の花で、梅雨時にふさわしく思える。さてやって来たとしまえん

今年のあじさい祭りは5月26日~6月の25日まで開催されている。

 入口近くにはアジサイの寄せ植えが新鮮で目を奪われる。

 

 

 青色が爽やかなブルーダイヤモンド

 

 ウズアジサイは色づき始めたばかりだ

 

 これは最近民家の庭先でよく目につくカシワバアジサイ

 

 坂本園芸の育成品種

 ジャパーニュミカコ

 

 ミセスクミコ

 

 

  品種名の札にポージィブーケスージーとあった

 

 みちのくあじさい園の品種 フラウ マリコ

 

 谷田部園芸で作出された二品種

 未来

 

 ハッピーフレンド

 

 北アメリカ東部原産のアナベル

 

 

 

 真紅のアジサイ、品種名はわからず

 

  のりうつぎの系統、雪化粧とあった

 

 ヤマアジサイの系統で萼咲きの楊貴妃

 

 以下の五つは品種名分からず

 

 

 

 色の変化が楽しめた二つ

 

 

 高知県産のヤマアジサイ 横浪(よこなみ)の月

 

 伊豆半島産のさざなみ

 

 花吹雪

 

 加茂花菖蒲園で作出された三つの品種 花かのこ

 

  紫式部

 

 お手玉

 

 以下もやはり品種名が記されてなかった。

 

 

 

 色彩、花の形の多様さとゴージャスさに圧倒された。アジサイの別名に七変化という

名がある。花ことばは「変わりやすい心」。

 

 三好達治の「乳母車」という詩にもアジサイが詠われている。

 母よ  淡くかなしきものの降るなり

 紫陽花(あじさい)いろのものの降るなり

 果てしなき 並樹のかげを
 
 そうそうと  風の吹くなり
 
 <中略>
 
 淡くかなしき ものの降る
 
 紫陽花いろの ものの降る道
 
 母よ  私は知っている
 
 この道は 遠く遠くはてしない道
 
 
  今日はこの辺で。

 


北山公園ーハナショウブ咲き出す

2018-06-03 21:38:15 | 散歩

 5月末、自転車に乗って東村山にある北山公園に出かけてきた。

北山公園では毎年6月に菖蒲祭りが開かれていて、今年で30回目となる。

日程は6月2日から17日まで。近くなので様子見を兼ねて出かけて来たのだが、

全体ではもう2,3分咲き程度になっていて、今年は随分と咲き出しが早い。

 

 節季で夏至の第二候(6月26日~7月1日)が「菖蒲華」(しょうぶはなさく)と

なっていて、本来ハナショウブは6月の中下旬頃に咲く花だ。なのに二つも前の

節季ー小満の時季にみられるとは温暖化も極まったというべきだろうか。

  とりあえずは咲き出した花菖蒲のさわりだけでも……・

 

 

 色とりどりの花を見ることができる花菖蒲だが、系統は大別すると江戸系、伊勢系、肥後系

長井古種の4つに分けられる。

 

 色は白、桃、紫、青、またキショウブの掛け合わせから作られた黄色の品種と

多岐にわたっている。

 

  そのほかに絞りや覆輪などを組み合わせると現在では何と5000品種にまでなるという。

 

 日本では江戸の時代に旗本の松平定朝(昌翁)が「花菖培養録」を著し、

 すでに300に近い品種を作出している。 

 

  花菖蒲はノハナショウブの園芸種。近年の考察では東北地方のどこかで

ノハナショウブの色変りが生み出され、それが発展したのではないかと考えられている。

 

 愚見ではハナショウブの花の美しさは、鋭い剣状の葉にあるように思う。

幾筋かの尖った葉先の上に咲いているからこそ、花菖蒲は潔く凛として美しい。

 

 北山公園は近所なのでもう数えきれないほど訪ねている。 

 

 6年前の6月17日にはこんな記事がある。

 

 

 同年の6月29日にはこんな記事

 

 この北山公園では品種名がわからないのが多いのだが、

これにはかぐや姫とあった。

 

 立田川

 

 2013年6月18日にはこんな記事

 

 

 

 2017年6月19日にはこれ

 

 

 前のを見返してみるとあまり進歩が感じられないのがちょっと悲しい。

 

 そのほか16年6月には染谷花菖蒲園。古くは2008年の6月の横須賀市立菖蒲園

2014年6月の皇居東御苑 などなど。我ながら飽きもせずよく行ったものだ。

 

 もともと全く興味のなかったカメラに凝り始めたのも、ハナショウブの

美しさに触れたのがきっかけだった。それ以来十数年毎年梅雨の頃になると

 花菖蒲を見たくて各地の菖蒲園を訪ねるようになった次第。

 

 今まで訪ねた菖蒲園は、北山公園、町田の薬師池公園、秩父の両神菖蒲園、千葉の水郷佐原水生植物園、

潮来の菖蒲園、東京では明治神宮、小石川後楽園、小岩菖蒲園、堀切菖蒲園、水元公園等々数えきれない。

 

 まだ行ったことのない山形県の長井市にある長井あやめ公園には長年

行ってみたいと思いながらも、いまだ行くことが出来てない。

そのほか品種数のぬきんでて多い、静岡の加茂花菖蒲園も何時かは訪ねてみたい。

 

  そんなわけでとりあえずのシメは山形県長井市に残されていたという

長井古種のハナショウブ鷹の爪で。

 

  この辺で。