若い時、人というものは年を取るにつれ寛容になっていくとそんな風に思っていた。
処がいざ自分が年を取ってみると、決してそんなことはないと気づかされた。
寛容なのは自分にだけで、他人や世間に対しては怒ってばかりいる情けない
自分がいる。全く困ったものだ。今はまだ仕事をしてそれなりに社会に
関わっているから抑えられているが、仕事を辞め完全リタイヤしたらあっという間に
「性悪鼻つまみ怒りんぼ老人」になってしまいそうで怖い。
新聞やテレビで得た知識を怒りのエネルギーに変えて「全くなっちゃいない!」と
毒を周囲にまき散らす、私の周囲でもよく見かける、そんな老人にだけはなりたくない。
三平峠付近のイワナシ
さて今年初めての尾瀬。何度も訪ねている尾瀬だが、最近は人の比較的
少ない大清水峠から入ることが多い。この道は江戸時代の初めごろには
会津沼田街道と呼ばれ 上州と会津との交易に使われた歴史ある古道だ。
ここからは低公害バスにも乗れるのだが運行は明日(6月16日)からのようだ。
尤も私は途中の花を見るのが目的の一つなのでいつも歩く。
この時期目につくのは大木に絡みつくツルアジサイ(ゴトウヅル)だ。
木に咲く花は多い。左上→右上→左下→右下の順に タニウツギ、ジャケツイバラ
ヒロハツリバナ、マタタビ
足もとにも花が多い。オククルマムグラ、オオバミゾホオズキ、タニギキョウ、ヘビイチゴ
一時間足らずで一ノ瀬の休憩所が見えてきた。
ここから片品川の支流に架かる橋を渡ると、登山道入り口となる。
休まずにそのまま登山道に入っていく。ショウジョウバカマの花後
ギンリョウソウが至る所で発生している。
ズダヤクシュ
小沢に沿ってゆっくりと登っていく。
何度か通っているこの登山道だが、今日は登る人も降りてくる人も随分と多い。
沢に近づくと多くなるラショウモンカズラ
笹につかまって休んでいる翅の模様が渋いチョウはヤマキマダラヒカゲだ。
一挙に明るくなって三平見晴にでた。この辺では時折小雨がぱらついていた。
ツツジ科のアカモノ
未だ花が緑色のゴゼンタチバナ。山地でしか見られないこの花、花言葉は「古風」
だそうで、花の生育地と雰囲気によくあっているように思う。
まだ咲き残っていたチゴユリ
ここではナナカマドの花も眼下にみることが出来る。
一際派手やかな花が目についてきた。ムラサキヤシオの花だ。
この時期楽しみにしていた花が二つある。その一つがイワナシ。三平峠付近では
林床に群生を見ることが出来る。今回はやや早かったようだが幾つか咲き始めていた。
一ノ瀬休憩所から約一時間、三平峠に着いた。登りり下りする人が数人休んでいる。
私も小休憩して、水分を補給。思ったより天気が崩れないので、この日のうちに
尾瀬沼を一周することに決めた。
咲き始めたマイヅルソウ
コミヤカタバミは花弁の内側に見える赤い筋が愛らしい。
この付近で前回キヌガサソウを見つけたのだが、残念ながら
今回は葉っぱだけ。エンレイソウ。
少し下ると樹間に沼が見えてきた。
右は尾瀬沼休憩所、左一部は尾瀬沼山荘。
長くなったので今回はここまで。