野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

大菩薩峠から石丸峠を歩く

2016-07-12 18:10:39 | トレッキング

 久しぶりに大菩薩峠へ出かけてきた。スタート地点は上日川峠の駐車場。

頑張って早起きしてきたのだが、駐車場にはすでに車が5,6台とまっている。

 駐車場わきに立つロッジ長兵衛。帰りにここで売っていたスモモを買った。

10個300円で安くしかもとても美味しかった。

 

 ここから30分ほどで福ちゃん荘。

 

 さらに福ちゃん荘から40分、森林帯を抜けると急に見晴らしが広がる。

 

そこから10分も登れば雷岩だ。

 

雷岩から頂に白い雲をちょこんと乗っけた富士山が見える。

手前の湖は以前は上日川ダム湖と呼ばれていたが、いつの間にか大菩薩湖と呼ばれるようになった。

 

眼下の町並みは甲府市街。条件がよければ南アルプスまで望めるのだが……。

 

チチブドウダンがまだ咲き残っていた。

 

 ここからゆっくり歩いて1時間ほどの楽しい稜線歩きが始まる。

 

稜線は2000m位の標高にあり、森林限界に近いので視界を遮るものがないので

今日のような晴れた日は爽快感この上ない。

 

 

 

 

 

以前はもう少し花の種類も数も多く見られたのだが、最近はシカの食害が進んで

この時期でも花は数えるほど見られない。

 

 タワに立つ小屋は賽の河原の避難小屋。昔はここが青梅の小菅村から甲府方面に抜ける峠だったそうだ。

 

 

少しは雲がとれて全容が見られるかと期待したのだが、富士には終始雲が纏わりついていた。

 

稜線歩きの終点にある介山荘。言わずと知れた小説「大菩薩峠」の作者中里介山の名からとった山小屋。

 

ここから少し登りなおして石丸峠へ。

ひんやりとした風が吹きすぎる森林にはタニギキョウが咲いていた。

 

石丸峠を見下ろす。

 

笹原の広がる石丸峠

 

朽ち果てた古い道標

 

 ここから直進するとまだ歩いたことのない小金沢連嶺

右折して上日川峠方面へ

 

左手に大菩薩湖を望みながら下っていく

 

日当たりのよいこの斜面には蝶がたくさん飛んでいた。

高山で見られるテングチョウ

 

 ジャノメチョウの仲間

 

タテハチョウの仲間

 

変な顔をしてじっと動かない蛾

 

 一株だけ奇跡のように出会えたヤマオダマキ

 

もう実をつけていたクリンソウ

 

小屋平を降りた園地で遅めの昼食。

せせらぎと鳥の囀りを聞きながら小一時間昼寝をした。

 

ブナの森を抜けて30分ほどで上日川峠の駐車場に戻った。

この辺で。

 


府中市郷土の森公園 修景池

2016-07-09 10:09:12 | 散歩

 

 蓮を見に町田の薬師池公園まで行った(7月5日)のだが、今年はまだ早かったようだ。

一分咲きどころか一厘(全体の1%)咲きほどで、大きな蓮の葉の陰にやっと

咲き出した蓮の花が2,3株見え隠れしていた。

気を取り直して府中市郷土の森公園にある修景池へ。ちょうど見ごろだったようで

カメラマンが数人忙しそうにしていた。

 

 

 

 府中市郷土の森公園の修景池は多摩川縁にあり、府中市郷土の森博物館が隣接している。

 

 

 

大賀(おおが)蓮で知られる大賀一郎博士が昭和20年から晩年の昭和40年まで

この府中の地に在住していたということで、園内には博士の胸像が建っている。

 

 

 池は一周するのに数分しかかからない小さなものだが、37種類の蓮が植えられている。

 

 

 

池の中には環状の鉢が点在し、その中に世界各種の蓮が活けられた花のように咲いている。

 

 「修景」とは自然の美しさを損なわないように景観を整えることの意。

 

 開花したての桜蓮

 

 

白い蓮に紅紫色の縁取りのあるのは天竺蓮というらしい

 

 

多弁咲きの西湖蓮

 

 池の中央には噴水がある。

 

 

 蓮の花の美しさに呆然と見入っていたら、蓮の葉の陰にちょこまかと動くものがある。

何とカルガモだ。

 

 

 すぐ傍には親ガモもいる。

 

 ヘビや猛禽類は都会の公園にはほとんどいないので、カモのとりあえずの天敵はネコとカラスなのだが、

無事生き抜けていけるだろうか。最も無事に大きくなれたとしてもこの手狭な池では

すぐに過密状態になってしまうだろう。その時は隣の多摩川にでも移っていくのだろうか。

 

この辺で。


檜原都民の森

2016-07-05 07:58:20 | 散歩

 6月の終わり、久しぶりに都民の森を訪ねた。

8時の開場間もない駐車場は人影も少なく閑散としている。

朝霧が覆っている中を登り始める。。

 

 ヤマボウシの花が見事だ。

 

 大木に絡み付いて咲いているのはイワガラミの蔓。

 

 イワガラミはアジサイ科イワガラミ属の落葉つる性の木本。それにしても

こんなに大きな株は今まで見たことがない。

 

 

 標高が1000mを超えているせいか、ウリノキやコゴメウツギの花もまだ咲いている。

 

 

 むき出しの大きな根株が出迎えてくれた。ガスがいっそう濃くなり雨も降りだしてきた。

 

アサギマダラの好きなヨツバヒヨドリの蕾、もうすぐ咲きそうだ。

 

 この可憐な花はユリ科の花ツクバネソウ。名の由来は

秋になると雌蕊の根元に羽根つきの羽子に似た黒い実を付けることから。

 

ギンリョウソウもあちこちで見かける。

 

 この大きな花はユキノシタの仲間ヤグルマソウの花。

 

 崖から出迎えるように咲いているのはヤマブキショウマの花。

 

一時間半ほどの登りで三頭山頂上。

 頂上には先客が一人だけいた。

 

 雨が強くなってきたのでそのまま下山する。

下山時、林縁にはコアジサイが沢山咲いていた。

 

 

 コアジサイはユキノシタ科アジサイ属の落葉低木。ここ都民の森では

針葉樹林帯の林床に点在して彩りを添えている。

 

他のアジサイの仲間のように装飾花はなく、全てが両性花で種を付けることができる。

 

大きな鋸歯を持つ葉は独特で、花を落とした後でも容易に見分けがつく。だが何と言っても

コアジサイの魅力は涼しげな花色だろう。

 

 水色の繊細な花を支えるのは濃い赤紫色の花茎

 

 

コアジサイの魅力には爽やかな香りも捨てがたい。

梅雨時の鬱陶しさを吹き払ってくれる程だ。

 

もう一つうれしかったのはヤワタソウ(八幡草)の群落。イワガラミやコアジサイと同じユキノシタ科の花。

大きなうちわ状の根生葉の上に高く花茎を伸ばし、淡黄色の花を5,6個つける。

 

 6月から7月にかけて沢沿いの湿った場所に花をつける。

 

 乙女草やタキナショウマ(滝菜升麻)の異名もある。

 

 今回初めてであった花なのだが、どこかで見た花に似ていると思った。

 暫く考えていて同じユキノシタ科のキレンゲショウマだとやっと思い当った。

 

 

 鬱陶しい雨中の山行だったが、嬉しいことに旬のコアジサイとヤワタソウの群落に

出会うことができ少しは苦労が報われた。

 

この辺で。