山梨県大月市から山道を10数km分け入って、たどり着いたのは大峠。
ここで林道は閉ざされている。ここ数年来この調子なので、開通する日が来るとは思えない。
シオジとは、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。関東以南の本州太平洋側、四国、九州に
分布し、優良な家具材として使われる。 樹高は30mを超えるものもある。
右端の登山口から登っていく。
しそ科の花、ナギナタコウジュが咲いていた。漢字では薙刀香薷とかくそうだ。
シソとハッカを合わせたような強い香気があり、漢方としても用いられる。
カワミドリに似るが、花はシモバシラのように片側に付くので見分ける。
山道に分け入ってすぐに水場がある。
マムシグサ(の仲間)の真っ赤な実
紅葉はまだほとんど見られないのだが、一本だけ真っ赤に
染められたモミジの木があった。
水場の傍にはヤマトリカブトが咲いていた。
大岩の下に見えるのは花を落としたカメバヒキオコシ
台風24号の影響だろうか、たくさんの倒木が見られる。
登山道も小さな小枝が散乱していた。
ハナイカダ
大峠から雁ヶ腹摺山までは僅か一時間余の登り、登りがあまりにも短いので、登山者には
物足りなく覚えるのか登る人は少ない。
頂上が近くなってきたら霧が立ち込めてきた。
霧に濡れたウスユキソウ
枯れかけたヤマホタルブクロがまだ色を残していた。
雨に濡れそぼれたアキノキリンソウの花
登り詰めて頂上が近くなってきた。少しだけ息の上がった私を
哲学者のような横顔をした大岩が迎えてくれた。
食べられるかどうかは知らないが美味しそうに見えるキノコ。ナメコ?
この林を抜けると頂上直下の草原だ。
マルバタケブキの花後が至る所で見られた。
ガスは一段と濃くなってきて、さらに雨も強くなってきた。
夏にはたくさんのチョウたちが花に群らがっていた草原も、10月になると花は散り
草は枯れ始めていた。雨の中、探し回って何とか見つけた花は
タチコゴメグサと
ノコギリソウと
まだ蕾のリンドウ
期待していた富士山は分厚いガスの向こうだった。
雨風が強まり、休むことなく下山を決めた。
この辺で。