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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

白夜行

2013-12-31 | ふつう
東野圭吾の小説を読もうかなと思い、図書館などに行くたびに、
文庫のあのぶ厚さを目の当たりにしてはためらうということを
繰り返していました。

どんな話なんだろうかとは気になっていたのです。


それならばと手っ取り早くこの「白夜行」の物語を楽しむために、
本作を鑑賞です。


上映時、とにかく堀北真希のかわいさと美しさを前面にアピール
するような宣伝が展開されていたのを思い出す。
しかもこの映画の頃より今の方が美人になってるあたりが、
彼女の手がつけられないところだよな。


序盤から船越英一郎の登場で、場が2時間ドラマの雰囲気に包まれる。


堀北真希が登場してから、映画っぽい雰囲気が出てくる。


最近、実は喫煙者であることが報道された彼女。
別にいいじゃねーかよな。ほっといてやれよっつの。
毎日あんだけかわいいかわいい言われ続けてりゃ、
タバコくらい吸いたくなる時もあんだろ。
関係無いが、昔久米宏が松たかこのことを喫煙者だって
暴露したときも、今回と同じような気分になったな。



話がそれた。



この映画、役者さん的には堀北真希の学生時代の友達役の緑友利恵、
高良健吾をヒモにする女役の粟田麗、といった脇の女優陣がいい。

特に粟田麗さんは邦画界のバイプレーヤーとして既に十分な
キャリアがあるようで、
今後映画観ていくにあたって気にしていきたい存在です。


中盤から、聖女のようだった堀北真希が実はそれほどそうでも
ねーんじゃねーのか、むしろとんでもない食わせ物なのでは、
という疑惑が立ち昇り、終盤にかけて「親を殺された息子」と
「殺人容疑者の娘」が結んだ呪いにも似た誓いとは、、
という事実が明確になるクライマックス。

この辺はさすが東野作品、退屈させない。


とか何とか言っても堀北真希演ずる主役の行動や思考に
全く共感しようがなかったのでどうにもならなかった。

高良健吾演ずる彼女との誓いを果たす男の行動力にも
全く共感しようがなかった。
大体不意にあんな任務つきつけられてどうするんだろう、
男ってそこまで便利じゃないと思うんだよな。
絶対事前にバイアグラとか飲んでるよね。


などと思ったのでカテゴリ「ふつう」。

それと、輸入されたバイアグラを日本人成人男性が
1粒そのまま飲むと、運が悪いと死んだりするらしいので、
1粒を半分に割って半分だけ、
用法用量を守って正しくご服用ください。
そして皆さま、良いお年を。


作品紹介はこちら

ダイヤルMを廻せ!

2013-12-09 | 超おもろい
昔ヒチコック劇場なんかを観たことがあったので、このブログ的にも
ヒチコック映画は既に観ていたかと思ってたけど、振り返ってみると
なんと1本も観てなかった。
「鳥」とかよくテレビでかいつまんで映像が流れたりするから、
もう既に観てしまったような感覚すらある。


なので観てみます。「世にも奇妙な物語」が第一シーズン放映当時に、
「和製ヒチコック劇場」などと言われてた頃からヒチコック映画には
強い興味があったのです。でも見る機会が無かったんだな。


さてこの映画、原題は”DIAL M FOR MURDER”。
その邦題が「ダイヤルMを廻せ!」。良い。

「回せ」じゃなく「廻せ」。
ダイヤルが廻されることで様々な人々の運命までも廻っていくのが
示唆されてるかのような言葉の力を感じぬでもない。


この時代の映画の邦題は本当にセンスがいい。
ブログ的には「大人は判ってくれない」や「博士の異常な愛情」あたりが
挙げられる。

昨今の映画では邦題でこの類の感動を覚えることはほとんどない。
残念だ。

忠臣蔵が「47RONIN」になって逆輸入される時代だもんな。





それはそうと映画。

やはりこの時代の映画は作り物でない「当時の」建物、衣装、調度、
画面に映る全てのものがむしろ新しく、実にカッコイイ。

グレース・ケリーはF1モナコGPとかやるとテレビだか雑誌だか
どこかで大抵1度は話題に挙がるので、存在はよく知ってた。
人気絶頂の中モナコ大公と結婚した後、事故でこの世を去った
伝説的な女優だと。


完全犯罪を目論む主人公、でも「ダイヤルMを廻す」までの運命の
いたずらで、物凄い勢いで計画が狂い、慌てながらも冷静に
軌道修正を図る、、、、

なんてあたりが「コロンボ」なんかの原点になってるっぽさを感じる。
そのコロンボの出がらしみたいのが「古畑」か。


結局主人公の目的は成就せず、トリックをしっかり見ぬかれた上で、
絵に描いたような「秘密の暴露」を示し、詰む。

詰んでから終劇までの雰囲気が最高だった。引きが良すぎる。
久しぶりに1人で映画観て1人で拍手した。バカみたいだろ。



ヒチコックすごい。おもしろかったです。


作品紹介はこちら

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

2013-12-06 | おもろい
メリル・ストリープがオスカー征したのでも有名なこの映画、
今回なかなか楽しみにして観てみました。

メリル・ストリープの映画は「プラダを着た悪魔」以来か。

偶然ですが前回の「エグザム」とこれといい、イギリス映画が続いてる。
イギリス映画って、全然イメージがない。
フランスやイタリアは何となく「多分こんな感じ」的なイメージが
沸きやすいけど、イギリスだと何もイメージが浮かばない。
「イギリスの飯はマズいらしい」ということしか浮かばない。

とりあえず観てみる。



知ってのとおり、サッチャーさんの伝記的な映画。
晩年の認知症を患ってからのサッチャーさんの脳裏に蘇る若き日々、
ってかたちでイギリスの歴史が描かれる。

政治という完全なる男社会において、圧倒的アウェーの中
女単身で戦いを挑み、頂点に上りつめるサッチャーさん。
どんだけ気が強かったんだろうな。何せ「鉄の女」だもんな。



サッチャーさんと言うと、

 ・サッチャリズム
 ・米ソ冷戦の終結
 ・フォークランド紛争

だと思うんだが、まぁどれも満足に描かれていた。
あの時代のイギリスって、結構激動の時代だよな。



激動な時代な上に、サッチャーさんが初の女性首相だったことも手伝って、
実に映画にしやすい題材だったのかなーという感想。
家族と政治の間で揺れる感じなんかも、女性政治家ならではか。



サッチャーさんは首相在職10年以上だというのに、
日本じゃ「歌手一年、総理二年の使い捨て」。



何なんだろうな。

なんつーか竹下さんは「言語明瞭・意味不明」だった割に、
本当にこの格言だけはすげーうまいこと言ったよな。


作品紹介はこちら

エグザム

2013-12-04 | つまらん
・就職採用試験が舞台
・密室もの
・ラストがびっくり系

上記3点だけ認識して観てみました。
密室ものの映画は駄作か傑作か、結構二分化しやすいよな。


どうやら大変な苦労をして何かの企業の最終選考にまで残った人たちが、
何も聞かされずに白紙を渡されて「問題を解け」と言われて部屋に
閉じ込められるという話。


シチュエーション的には全然違うけど、登場人物達が徐々に状況を理解しつつ、
それに飲まれていく雰囲気は「es」を彷彿とさせる感じ。






で、試験が始まる。
白紙にきっと問題が書かれているはずだ、と照明に紙を透かしてみたり、
ものは試しだと照明を全部割ってみたり、
スプリンクラーの水をわざと出して紙に水ぶっかけてみたり、
何かの難病になってるやつが発作起こして薬を飲む飲まぬで大騒ぎしたり、
女子が椅子に縛りつけられてサービスシーン的なものが提供されたり、
最後は拳銃をバンバン撃ってみたり、こんな採用試験があるわけない。



観ている最中はそれなりに緊張感を感じられたのですが、
観終わってしばらく経ってから振り返ってみると、
まぁ「ありゃ一体何だったのか」感が収まらない。


ラストがびっくり系といっても、それほど言うほどびっくりでは
なかった。
特に白紙に隠された「質問」のタネ明かしはかなりバカにしてた。
でもキャストも含めて雰囲気はかなり良い感じだったので、
シナリオ次第でかなり面白くできたんじゃねーかと思えた1本です。




さて、本作で展開される採用試験は確かにかなり常識外れなものですが、
かのSODの採用試験ものと比べるとまだまだ常識的ですよね。
上には上がありますよね。
えぇ、我ながらひどいもんと比べましたね。


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