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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

ジョニーは戦場に行った

2014-06-29 | ふつう
ここ何年かで、最も観たいと思っていた映画です。

どんな映画かは重々知っていました。観る前からどんなシーンがあるかはあらかた知っていました。インターネットって便利です。
4年前に書いた「キャタピラー」の記事においてもこの映画の名前を出してますね。要するに当時からこの映画が気になって仕方なかったってことです。

しかし、なかなかテレビでやらない。レンタルにもない。ということで、なかなか観る機会がなかったのですが、今回CSでやってたので飛びつくように観てみました。




観てみると、知ってたとおりで「現状の風景はモノクロ」「ジョーの脳内映像はカラー」という明確な切り分けで、「現在よりも脳内こそが色鮮やか」という悲しい状況が際立つ。こうなると思い出こそが色鮮やかになるはずだ。

「キャタピラー」や「芋虫」では視覚だけは残されていたが、この映画ではそれすら無い。しかも研究対象として扱われてしまうが故に自由な行動すら許されない。これが実話ベースであるというのがまた何とも複雑な気分になる。


よくこの映画の感想などを読むと挙げられている"Merry Christmas"のくだりは確かに感動的。ここからがモールス信号という伝達手段を獲得するまでの流れが感動的なだけに、そこからラストに向けての絶望エンドが実に救いが無い。「世界で最も鬱な映画」と呼ばれるだけのことはある。



反戦映画ということで、戦争の愚かさや悲しさは十分に表現されていると思う。また戦争の状況は人権を驚くほど簡単に蹂躙する、ということも感じ取れる。

でもそれ以上に反戦映画という以上に、「いのち」の映画でした。陽の光を浴びただけで感じる喜び、今日が何日かが分かっただけで感じる歓喜。「いのち」というのは、どのような状況でも、常に喜びを望んでいるのだな、と。自由というのは眩しいものだな、と。そう思うのです。


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MONSTERZ

2014-06-06 | ふつう
久しぶりに更新します。
まさかの上映中映画です。上映中映画を取り扱うのはキャタピラー以来かも知れない。

色々あって予習ゼロで映画館で映画を観る企画になったんですよね。予習ゼロで映画館で映画観るなんて素敵やん。それがすげー良い映画だったら素敵やん。


「リング」の中田監督。藤原竜也と山田孝之のW主演。良さそうやん。と、この映画を選択したわけです。正直めぼしい映画が全くなかったから仕方なくコレにしたのはナイショ。


観てみると、なるほどこれって「アンブレイカブル」だ。「アンブレイカブル」のパクりオマージュだ。などと思って観ていたのですが、後になって知ってみるとこれってチョン画のリメイクだったのな。ならすなわちそのチョン画が「アンブレイカブル」のパクりなワケだ。汚いなさすがチョン画きたない。




さてキャストについて(10点満点)。

藤井美菜(4.5) ・・・ 演技はともかく相変わらずかわいい。
落合モトキ(5.5) ・・・ お前これからもっと人気出ていい。
松重豊(5.5) ・・・ 警官以外の役をやらせてあげたい。
木村多江(6.0) ・・・ 幸薄女優の面目躍如。
田口トモロヲ(7.0) ・・・ 場の空気を変える圧倒的な存在感。
石原さとみ(5.0) ・・・ あの役別に彼女じゃなくても良いような。
山田孝之(6.5) ・・・ カメレオン俳優の風格。
藤原竜也(6.0) ・・・ ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛!




不必要に音で緊張感煽るあたりは中田監督っぽかった。でも映画館がそれほど音響が良くなかったのが残念だった。

それにしてもあのホールのシーンで大衆がゾンビっぽい動きになるのは、完全に操る側(藤原くん)の趣味だと思うんだよね。「これだけの人数集まったらゾンビだろお゛お゛お゛お゛お゛お゛」と思うんだよね。だからあのシーンをアホだクソだとバカにするのは何か違うと思うんだ。


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ひまわり

2014-03-15 | ふつう
2000年の映画です。
麻生久美子が若い。

小学生時代の同級生が海難事故で亡くなり、
その葬式で久々に集まった同級生や、
亡くなった同級生の元彼とかの縁者が集まって、
故人の話を色々していくうちに何となく
事故の悲しみや各々が持っている悩みなど、
様々な思いを突き破ってそれぞれの一歩を
踏み出していくという話。

白夜行」の時に注目宣言しました粟田麗さんが出てます。
今回は4~5番目の結構いい役。
2000年の映画だけにまだ若い。結構かわいい。

麻生久美子は確かに雰囲気ある。
こういう役やると彼女の魅力引き立つね。

そして今や邦画界のエース、ミスター視聴率の
マサ様が、この映画では完全なる端役で出ています。
大河の「新撰組!」以前の作品なので、
要するに無名時代。今になると貴重です。

などと中肉中背な感想を抱いた後に、
とあるネタバレを見て驚愕しました。
この映画、驚愕だ。





以下超ネタバレなので、
この映画を今後観たいと思っている方は、
映画を観た後にお読みください。




















<隠された事実>

・終盤に埋もれた船を掘り返した輝明以外の11人

・序盤の海難事故を知らせるニュースにて死亡が報道された朋美以外の11人

上記2点における11人は、全て同じ人々。


つまり


船を掘り返した輝明以外の11人は、




既  に  全  員  死  亡  し  て  い  る  。




いやー、驚きましたね。慌てて観直しました。
でもこれどうなんですかね。
どう考えても話として成り立ってない。
手っ取り早く言うとミステリーにおけるペテン。


これがペテンでないと説明するならば、
やはり主流の考えである夢落ちしかない。
事故の報道までが現実で、ニュース画面が
ノイズになるところからが夢、みたいな感じか。
この映画で葬式がらみのイベントから
唯一切り離された存在である主役の彼女の電話で
物語が終わるあたり、そこでその世界(=夢)から
切り離される、というエンディングなのかなと。




なんか、考える余地がたくさん与えられてる
映画でした。

お願いだから、このネタが実は制作側の悪戯で、
下らない深読みしてないでこの生涯青春的な
青春ストーリーを素直に楽しめよ!みたいな
過剰な深読み志向に対するアンチテーゼだった、
みたいのはやめてほしい。
映画くらいしか楽しみがない残念な大人を
からかうのはやめてほしい。


作品紹介はこちら

ゆきゆきて、神軍

2014-03-02 | ふつう
前々から観てみたかった本作を遂に鑑賞。

「日本ドキュメンタリー映画史上最高の傑作。」
「あのマイケル・ムーアにして「世界最高のドキュメンタリー」と言わしめた映画。」
だの何だの、煽り文句はよく分かった。

で、座椅子はそんな映画を観て何を思うのか、
楽しみにして観てみました。



この映画は
戦地のパプアニューギニア帰りのアナーキスト、
奥崎謙三氏の「戦後」を追いかけた映画です。

現在、皇族の新年一般参賀、
皇族と国民の間には防弾ガラスが
張られるようになりましたが、
あれはこの奥崎氏の
 「昭和天皇パチンコ狙撃事件」が
きっかけになったものです。


日の丸をはためかせて車であちこち赴く割には、
「天皇の戦争責任」をこれでもかと吹聴する姿に、
きっと自身に大きな矛盾を抱えながら
自らの主張を大きな声で訴えているのだろう、
大きな声を揚げ続けてないと自己が圧潰して
しまうのだろうと何となく感じてみる。



自身が所属していた部隊で行われていた
部下殺しの真実に迫っていく奥崎氏。
とにかく口が重く真実を語ろうとしない
元兵隊さん達の心境たるやいかなるものか。
「これ以上は語らぬ方が良い」と重ねて
語る元兵士たちの言葉には
きっと嘘は無いのだろうなと推測。
知らぬが仏、言わぬが花。ということか。



当時4km四方内に包囲された日本兵達には、
食料が無かったはず。
彼らは何を食べていたのか。
その中で彼らが食べた、と証言する
「黒ブタ」「白ブタ」とは何か。



このあたりが徐々に明らかになっていく
あたりは、ものすごい緊張感。
分かっているけど分かっていた通りの
答えが明示されてしまう残酷さ。



結局部下殺しの真実に辿りつくと
そのまま殺人未遂を犯す奥崎氏。


劇中最後の奥崎氏の言葉の要旨。
「暴力はいけないものだが、もしそれが
 自分と国家を正しい道へ導くために
 必要なものだとしたら、それは必要だ。
 その目的のためなら、私はそれを使う。」



劇中にあるシーン、意見を違う人と
話してる途中で激昂して相手押し倒して
マウントパンチするのが正しいことなのか。
病気で身体弱ってる人を引きずり倒して
蹴飛ばすことが正しいことなのか。
そんなことで本当に日本は変わるのか。



今のようにネットもなく、
自分の意見を伝えるためには
自らの行動で示すしかなかった時代に
自分の体より遥かに大きな声を
上げなくてはいけないと
使命に駆られた男の悲しき記録の映画です。
そんな感じなので、
おもろいおもろくない
の尺度で計る感じではなかったです。


思想や行動には全然共感できませんが、
当時が発展と豊かさを実感するその裏側で、
言うに言えない禁忌や悲しみを抱えた時代で
あったであろうことは想像できました。


あと、奥崎氏の奥様の「なりきり演技」は
日本アカデミー女優賞レベルだと思います。


作品紹介はこちら

隣の家の少女

2014-02-26 | ふつう
久しぶりにホラーというかスリラーというか、
怖い映画を観てみます。

アメリカで実際に起きた
監禁暴行事件をモチーフにしたらしい。




監禁暴行というと日本にも、
女子高生コンクリ事件のような
風化させるにもさせようがない
許しがたい事件がありましたが、
それのアメリカ版のような事件でしょうか。
でもコレ両者比べたら
どう考えても日本の方がダメだよな。
本当にコンクリ事件って何なんだろう。
何故人間があのようなことをできるのか。



映画始まってみると、
主人公の少年の隣の家に両親を亡くしたらしい
姉妹が引っ越してきた。
隣のおばさんは姉妹の叔母だったらしい。
姉妹、特に姉の方がかわいい、萌える、辛抱たまらん、
ということで、主役の少年の思春期的下垂体を直撃。

途中まで、
というか半分くらいまでは純愛もののように進行。
でも上映時間的に半分超えるかどうかのあたりから、
主役と姉が仲良くなってきたことに
叔母に難癖をつけられて拘束&折檻が始まる。



この映画、というか事件というか、
これの特徴は加害者に被害者のいとこ達が
含まれてることですな。
被害者たる姉の視点から見ると、
主犯が叔母、共犯がいとこ達ということになるわけで、
かなりの狂気っぷり。



結局散々暴行されたり、
焼きごてみたいので身体に侮蔑的な文章を刻まれたり、
下半身にバーナーあてられたり、
この類の映画にありがちな胸糞悪さを感じつつ、
悲しさや切なさしか残らないエンディングへ。
事実ベースだからか「マーターズ」や「グロテスク
のようなフィクションものにありがちな
ゴアシーンの激しい過激さは無かったけど、
とにかく胸糞悪かったです。





関係ないが上記のコンクリ事件、
あれも何度か映画化されてる。

わざわざ映画化する必要があるのだろうか。
あのような出来事をモンド的に扱うのは正しいのだろうか。
どれも観る気はしない。
しかもその映画のうちの1つに、
今や国民的とも言える「爽やか」「清純」を
代名詞にする歌手が犯人役で出演していたという事実。
当時はまだ無名だっただけに引き受けた仕事だったろうが、
まさかこんなに売れるとはな。
本人にとったら黒歴史以外のなにものでもないだろうな。


作品紹介はこちら

見知らぬ乗客

2014-02-18 | ふつう
ダイヤルMを廻せ!」に続いて、ヒチコック映画です。

これは全然どんな映画か知らなかった。
載せた昭和初期色溢れるパッケージを見ると、
「スリラーの全手法の全てが描かれた傑作!!」
と褒めてんだかバカにしてんだか分からない
コメントが書かれている。



観てみると、交換殺人ものらしい。




有名なテニスの選手が、
記者を名乗る見知らぬ男に電車の中で絡まれて、
テニスの選手が離婚したがってることが
新聞報道されていることをダシに、
「アンタのトラブルと俺のトラブル、
 両方効率よく解決しようじゃないか。」
と交換殺人の話を持ちかける。

「んなもんできるわけねーしwwww」
と提案を冷静に却下するテニスの王子様。
でもそんなことかまわずに記者は
あふれる行動力でテニプリの嫁を殺っちまう。
離婚ネタが新聞報道されてるだけに
動機たっぷりのテニプリ。
警察もテニプリ超疑ってる。
でも犯人は記者なんだよ。
さぁどうする。




↑こんな感じの話です。


で、当時は1951年か。
このころ既に交換殺人を
マジでやっちゃう奴らっていたのかな。
でも今は交換ストーカーとかあるもんな。
LINEきっかけで未成年の殺人事件とか
起きてるもんな。
さすがにヒチコックもLINE殺人事件までは
想像できなかっただろうな。



映画のクライマックスが近づくにしたがって、
物語がどんどん雑になっていくのが気になる。
メリーゴーランドのシーンに入ってからの
gdgdっぷりはなかなかのもの。
たとえヒチコックみたいな巨匠でも
最初から最後まで緊張感保った傑作を創るのは、
難しいことなんだろうなと再確認。


で、本当にこの映画でヒチコックは
スリラーの全手法の全てを
描けていたのかが気になる。


作品紹介はこちら

エベレスト 死の彷徨

2014-02-03 | ふつう
八甲田山」なんかでもそうですが、
史実ベースの遭難系の話が好きです。

好きっていうのは違うな。
事実は小説よりも奇なり、とでも言うか、
「想像及ばぬとてつもない事実」に
何とも言えぬ恐ろしさを覚えるのです。
そしてホラー映画が好きなのです。
結論として絶対にアウトドアなどやるものか、
家が最高だ、家で映画でも観よう、と思うのです。



さて、その類の話、最近だとトムラウシ山遭難事故があったな。
過去だと、大雪山SOS遭難事件
雪の遺書」の札内川十の沢北海道大学山岳部遭難事件
遭難とは少し違うけど福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件
更に脱線して高知大学探検部地底湖行方不明事件



本当にどれも怖い。
色々ホラー映画観てきたけど、事実のが怖いよ。



ということで、本作。
1996年のエベレスト大量遭難を題材とした映画。
日本人女性1名含む8人の方が亡くなったそうです。



やはりこーゆーの観ると、エベレストみたいな場所に
金持ちの道楽みたいな感じで登っていくのは何か違うんじゃ
ないかと思うんだ。

しかし、山登りの素人のツアー客が熟練のガイドに
連れられて、苦労しながらも登頂まで達するあたりは、
ちょっと感動したりもする。女心と秋の空だ。

子供の頃に標高500メートルくらいの山に遠足で行ったけど、
あんなのでも登れば達成感あるもんな、8000メートルとか
一体どんなのかと。



登頂して、下山の途において、山頂から最も近くにある
ベースキャンプにまでたどり着けず、
続々と遭難する登山者の皆さま。

映画的には登頂するまでのリアリティが、遭難してからの
演技丸出しの雰囲気で台無しになってる感がありました。

酸素吸わなきゃすぐダメになっちゃうはずなのに、
なぜか遭難してから率先して酸素マスクを外して
ベラベラ大声で怒鳴る登山者の皆さまの逞しさ。

雪に埋もれて低体温症に苦しむ登山者の皆さまの、
実に健康的な生気溢れる顔色。



山登るまでは「おもろい」。遭難してから「つまらん」。
総じて「ふつう」。
なかなか不思議な感じの映画でした。



関係ないですが、過去の事件事故の類で
内容を知って今までで一番怖いと思ったのは、
福島女性教員宅便槽内怪死事件ですな。
東海村JCO臨界事故も相当なものですが。


福島怪死のやつは映画になってるんだよね。
「バリゾーゴン」ってやつ。
観たことないけどとんでもないクソ映画なんだってね。


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白夜行

2013-12-31 | ふつう
東野圭吾の小説を読もうかなと思い、図書館などに行くたびに、
文庫のあのぶ厚さを目の当たりにしてはためらうということを
繰り返していました。

どんな話なんだろうかとは気になっていたのです。


それならばと手っ取り早くこの「白夜行」の物語を楽しむために、
本作を鑑賞です。


上映時、とにかく堀北真希のかわいさと美しさを前面にアピール
するような宣伝が展開されていたのを思い出す。
しかもこの映画の頃より今の方が美人になってるあたりが、
彼女の手がつけられないところだよな。


序盤から船越英一郎の登場で、場が2時間ドラマの雰囲気に包まれる。


堀北真希が登場してから、映画っぽい雰囲気が出てくる。


最近、実は喫煙者であることが報道された彼女。
別にいいじゃねーかよな。ほっといてやれよっつの。
毎日あんだけかわいいかわいい言われ続けてりゃ、
タバコくらい吸いたくなる時もあんだろ。
関係無いが、昔久米宏が松たかこのことを喫煙者だって
暴露したときも、今回と同じような気分になったな。



話がそれた。



この映画、役者さん的には堀北真希の学生時代の友達役の緑友利恵、
高良健吾をヒモにする女役の粟田麗、といった脇の女優陣がいい。

特に粟田麗さんは邦画界のバイプレーヤーとして既に十分な
キャリアがあるようで、
今後映画観ていくにあたって気にしていきたい存在です。


中盤から、聖女のようだった堀北真希が実はそれほどそうでも
ねーんじゃねーのか、むしろとんでもない食わせ物なのでは、
という疑惑が立ち昇り、終盤にかけて「親を殺された息子」と
「殺人容疑者の娘」が結んだ呪いにも似た誓いとは、、
という事実が明確になるクライマックス。

この辺はさすが東野作品、退屈させない。


とか何とか言っても堀北真希演ずる主役の行動や思考に
全く共感しようがなかったのでどうにもならなかった。

高良健吾演ずる彼女との誓いを果たす男の行動力にも
全く共感しようがなかった。
大体不意にあんな任務つきつけられてどうするんだろう、
男ってそこまで便利じゃないと思うんだよな。
絶対事前にバイアグラとか飲んでるよね。


などと思ったのでカテゴリ「ふつう」。

それと、輸入されたバイアグラを日本人成人男性が
1粒そのまま飲むと、運が悪いと死んだりするらしいので、
1粒を半分に割って半分だけ、
用法用量を守って正しくご服用ください。
そして皆さま、良いお年を。


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のぼうの城

2013-11-22 | ふつう
2011年における邦画屈指の話題作を今回鑑賞です。
そもそもマスコンバットものの映画が大好きなので、
これもいつか絶対に観たいと思ってました。

どちらかというと例の「クレしん」の映画の原作的イメージが強いというか。
クレしんは結局ツヨポンで実写化されたしな。
感想書いてないけど何とも形容し難い映画だったよなアレ。
わざわざ実写化したら、結局しんちゃんの評価が高まっただけだったという。



ということで、しんちゃん抜きの本作に期待しての鑑賞です。
とにかく「陰陽師」の時の印象が強い映画の萬斎様がどんな感じかと。
あ、「陰陽師」も感想書いてなかったな。



観てみると、「のぼう様」こと萬斎様。
その発声、その姿勢、その歩き方全てにおいて誰よりもパーフェクト。
「のぼう」に萬斎を起用したのは本当に正解だったのかと
疑問を抱きつつ観進めます。



決戦を決意したり、決意したことにヘコんだりという笑いどころを
素直に笑いつつ、いざ合戦シーンに突入。



思ってたようなマスコンバットでは無かった。
まさかの佐藤浩市や山口智充の無双ものだった。

マスコンバットで言うとしんちゃん実写映画のが良かった。




水攻めくらった城から船で単身飛び出た「のぼう様」が、
「DJ NOBOU」と化し、「CLUB DENGAKU」を展開して敵兵2万を狂乱の
レイヴに陥れるシーンがこの映画のクライマックスか。
あのDENGAKU、最初ずっと4ビートだったのにラストの方8ビートにして
かなりトランス深めてくるよな、あんなのフロアが揺れるに決まってる。




DJ NOBOUの知略もあり、時間切れな時の運もあり、
負けたようで勝った「のぼう様」。

開城条件の交渉の場で唐突に豹変して
切れ者すぎる表情と言動を見せつつ、物語は終結。
「のぼう」がどの程度に「のぼう」なのかが最後まで分からなかった。



さて、思った感想のひとつなど。

この映画のヒロインは、榮倉奈々ちゃんで良かったのであろうか。
彼女スタイルめちゃくちゃいいよね、身長170cmあるよね。

しかし「男勝りのお姫様」という設定だったとしても、
いくらなんでも戦国時代の女で170cmはデカすぎやしないか。



ラストサムライ」もそうだったけど、時代劇に出る女性は、
ある程度当時の日本的に現実的な身長のがいいと思うんだけどな。



とりあえず、この映画は、DENGAKUです。
「DJ NOBOU」による「CLUB DENGAKU」なのです。
あれは萬斎様でないとできない。キャスティング納得。


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最高の人生の見つけ方

2013-10-24 | ふつう
前回の「ドライビング Miss デイジー」を観た翌日に観たんですよねこれ。


特別ファンというわけでもないモーガン・フリーマンの人情もの映画を2日連続で観ると
さすがに若干食傷気味になりますが、でもコレもやはり予想通りとってもいい映画でした。



ブログ的には「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出す。
というより、残す時間わずかな人が若い女か歳とった老人かの違いなだけで、
やってることはほぼ同じか。


でもあっちは主役が抱く願いがかなり切羽詰ったものばっかだったが、
こっちは道楽的なものばかり。年齢ってのは、余裕を生むもんだな。


しかしニコルソンいいよニコルソン。
ブログ的には「シャイニング」以来だな。
名優っていうより怪優。画面に映るだけで沸き立つあの存在感は何なのか。
今の日本で言ったら誰なんだ、竹中直人か。違うな、津川雅彦か。いいとこだな。



などと思いつつ、死ぬ間際の年寄り2人が世界中を駆け巡る、羨まし過ぎる
「人生最後の道楽」を楽しめました。



多分コレ、普通に観てたらカテゴリ「おもろい」なんですよね。
「デイジー」の翌日に観てしまったのが失敗だったな。

ラーメン食った翌日にラーメン食ったら、そりゃ食傷気味になるよな。
そんな感じでした。でもおもしろかったよ。食傷気味だっただけだよ。


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悪人

2013-09-08 | ふつう
シネマ座椅子、本作で200本目となりました。

ここまでに9年程かかりました。
映画ブログとしては実にスローペースですが、
また一つのを区切りを迎えられたことを嬉しく思います。



このブログやってて印象深かった出来事をひとつ。



このブログに、検索ワード

 「城戸光政 絶倫

で迷い込んで来てくれた人がいたんですよね。

絶対コレですよね。
長いこと色々書いてると、思いもよらぬところからここに来てくれる人がいるんだな、と感慨深い気分になったもんです。
まさか城戸光政翁きっかけで感慨深くなるとはね。
いわゆるネッ広です。ネッ広。




さて、150本目は「地雷を踏んだらサヨウナラ」でした。
200本目も邦画になりました。




さてこの「悪人」、公開時は深津絵里がモントリオールを征してかなり話題になってました。

人殺しして逃げる男と、それについていかされる女の逃避行の映画、とは知ってました。



観てみると、前半1時間くらいで事件発生&登場人物紹介って感じで、それ以降は逃避行してた。


光政翁のくだりに行数使いすぎたので、この映画を観て思ったことを箇条書きします。
記念すべき200本目ですが肝心の映画の感想は箇条書きで終わらせます。


 ・田舎の青年にも出会いの機会を増やそう。
 ・出会い系サイトはやっぱりやめた方がいい。
 ・殺された女はコレ残念だけど殺されても仕方ない。
 ・あの岡田将生がやってたチャラ男も殺された方がいい。
 ・逃避行する時は着替えと食い物の用意をした方がいい。
 ・殺された女役の満島ひかりが見せる殺される間際の凄まじい演技。
 ・妻夫木くん「ジョゼ」といいお前ばっかりいつもどうしてそうやってkfjdkjっふじk


そんなところです。

これからも250本、300本目指してテキトーに頑張るぞ。




映画と関係ないけど今日は2020年東京オリンピックの開催が決定した日でした。

一応映画ブロクらしく感想言うとするならば、「オリンピック映画2020」を是非とも創って欲しいなと。
前のオリンピック映画がそうなってるように、未来永劫残る貴重な映像記録になるよ。



9年かかって200本なので、恐らく東京オリンピックの時には400本には届いてないね。
300本は超えていたいな。まぁのんびりやろう。


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ヘルタースケルター

2013-07-07 | ふつう
2012年邦画屈指の話題作であった本作を今回観てみました。

公開当時のあのメディア総出のエリカ様復帰祭りも記憶に新しい。





観てみると、開始5分でエリカ様ヌード公開。

はえーよ。

出し惜しみゼロにもほどがある。
テレビだったら絶対CM2回くらい挟むはずだ。

 「このあと、エリカ様が衝撃の・・・!!」 で60秒CM流したあと、
 「遂にこのあと、エリカ様の○○を公開!!!」 でもう90秒CM。

テレビはいつもそんなんばっかだ。



全体的に言えるのだが、これわざわざエリカ様ヌードにならんでも
良かったのでは・・・と思える。

でもヌードになったからこそあんなに話題になったのも認める。




エリカ様の恋人役の窪塚くんは友情出演。

エリカ様とそこそこ激しくエロいことしてます。
友情出演だからギャラ無しなのだろうか。
これでギャラまでもらってたらまた世間の反感買うかもとか思ったのだろうか。



音楽が耳に障ります。

オリジナル曲っぽい曲がどうもダメです。聞いててイライラする。
クラシック曲なんかを引用しているところは、選曲にイライラを感じる。
そして、無駄にBGMの音量がデカい。もうイライラ止まらない。
要するに、音楽はどうも合いませんでした。



セリフが聞き取りにくい。

特に大森南朋。カッコつけた訳分からんセリフをカッコつけてボソボソしゃべって、
結局何言ってんだか全然分からない、という邦画あるあるなダメパターンに激ハマリ。
エリカ様も小声になるところは所々マズかったね。その点でもやはり寺島しのぶの発声はすごい。



「光」がすごい。

この映画はとにかく蜷川監督の「光」に尽きる。
太陽光も、直接光も間接光も、夜景の光も、「光」がシーン1つ1つを彩っている。
劇中で執拗に使われる「赤」と、その赤を照らし出す光。印象的。
夜のビル最上階の寝室のシーンも、「光」が非常に印象的でした。




総じて、沢尻エリカにとって、唯一無二の代表作となるであろう映画だと思います。
彼女がこの年齢で、映画でこの役をできたというのは、運命的なものすら感じます。
そのくらい、この「りりこ」役は彼女以外には無いと言えるかと。

ただ、座椅子は若干この映画の対象層では無かったようです。
物語に引き込まれる感じが全く無かった。

そもそも少女マンガだしな。しゃーないしゃーない。


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アウェイク

2013-06-16 | ふつう
完全なる予習ゼロで観ました。
主演はアナキン君ことヘイデン君。

ヘイデン君の映画はブログ的には多分ニュースの天才以来。8年前だってよ、驚いたな。


さて映画、心臓が悪い超大企業の起業者の息子。もちろん超金持ち。
心臓病の手術を、友人である医師に任せるが、その手術での全身麻酔が効ききらない。
身体は動かないのに、意識は保ったまま。痛覚も残ったまま。
そんな状態で手術が始まる!胸にメスが入る!電動カッターが骨にあがががgg


これは全身麻酔無しならば気絶するかショック死するかしそうなものなのだが、
そこはヘイデン君、彼女の事を考え続けて現実逃避。
妄想に次ぐ妄想、絶望的な痛みに驚異的なエロスの力で何とか耐える。


耐えつつ、医師たちの会話に耳をそばだてているうちに、
この手術にある秘密があることを知る。ヤバい、このままでは殺される!



結局この手術を通じて、誰が味方で誰が敵かを思い知ったヘイデン君。
美しい男女愛の話と思いきや、美しい母子愛の話だった。
これはこの映画のヘイデン君、この先も絶対に結婚できないね。




総じていうと、金持ちなんかなるもんじゃねぇということか。



そういえば今年の健康診断の心電図で引っかかってしまった。
精密検査行きだってさ。それほど心配じゃないけど若干心配だなぁ。



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ミスト

2013-05-11 | ふつう
「ラストがすげぇ!」という評判を聞いて、
ラストがすげぇタイプの映画が好きな座椅子はこれを観てみることにしました。



しかし、原作がスティーブン・キング。
ドリームキャッチャーの思い出が嫌でも蘇る。

大丈夫かな、この映画。

ビクビクしながら観てみます。




嵐の夜の後、突然沸いた「霧」の中で人間の生命に関わる
何か非常事態が起きている。霧の中で何が起こっているのか・・・。


実に惹かれる導入部です。ここまでは順調です。




そして主人公も遭遇する異常事態。その異常に直面する主人公達!





霧の中からキタ!触手キタ!!意味不明の生命体キタ!!!





またおまえらかwwww





もー、なんでこうなるんだろう。
途端に物語に惹かれかけてた脳がこっち側に呼び戻される。


でもこういう話なんだから仕方がない。
もうそれは諦めて、「すげぇ」らしいラストまでがんばろう。




自分を励ましつつ、最後まで観進めました。


そして、「すげぇ」というラストシーンを観ました。








後から調べたら、この映画のラストシーンは、
評判としては「すげぇ」じゃなくて「後味悪い」なんだそうで、
確かにそれはその通り。

悪すぎる後味に、「あぁ、こーゆー映画なんだ」、と
逆に何も思わないような感じでした。


こーゆーラストシーンには、
「こりゃ映画だよ映画」と、真正面から向き合わない方が良い。



作品紹介はこちら

es [エス]

2012-08-17 | ふつう
スタンフォード監獄実験という史実について、前々から結構興味がありました。
その内容はwikiに詳しい。興味があればご一読を。てかこれで大体この映画がどんな物語か分かる。でもブラウザの「戻る」ボタンでまた座椅子ワールドに戻ってきてね。



んで、それを映画化したっつーことで、やっぱこれは興味がありました。前々から観てみたくて観てみた映画です。



しかしすげーなこの実験。よくもまぁここまでやったもんだ。
完全にフィクションの世界だよコレ。人権もクソもあったもんじゃない。「実験」でコレが許されていいのか?現在この類の人体実験が固く禁じられているのもよく分かる。

てかさ、応募して、面接して、身体検査して、で、実際自分が看守か囚人か、どっちの役割になるか言い渡されるっつったらかなりキンチョーするよな。そりゃ絶対看守のがいいもんな。座椅子だったらどっちやらされるんだろう。看守かな。看守だといいな。多分看守だ。きっと看守だ。看守に違いない。俺は看守だ!看守王に、俺はなるっ!!!!




それはそうと、こーゆーの観ると、やっぱ与えられた状況に応じていちいち無駄にやる気や責任感や正義感出す奴ってのが、いかに厄介な存在なのかがよく分かる。




どこにでもいるもんな、学校でも会社でも、「もっとちゃんとしなくちゃダメだと思いますっ!!」って立ち上がって叫びだす奴。

アイツだアイツ。あーゆー奴がこーゆー実験を面倒臭くする。



この実験は要するに、何事も真剣になりすぎない方がいいよ、という心理学分野からの警鐘だろう。



そう、これは過ちを犯した先人からの教訓なんだ。きっとそうなんだ。そうに決まってるんだ。

だからさ、毎日をそれほど真剣になり過ぎない程度にダラダラぼんやり過ごそうじゃないか。な!

はーねむいねむい。


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