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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

キャタピラー

2010-09-11 | ふつう
観てきましたよキャタピラー。

寺島しのぶがベルリンを制して大変話題になった本作、それはそうとそもそも乱歩の「芋虫」が好きなんです。これを観ずしてなんとする。

パッと見のイメージとしてはなんといっても「芋虫」、あとは「世界でもっとも鬱な映画」として名高い「ジョニーは戦場へ行った」が思い浮かぶ。特に「芋虫」は著作権料の都合で乱歩の名前をクレジットできなかったらしいな。だとしたら乱歩側から「パクりだ!」って訴えられたりしないのだろーか。乱歩側ってなんだろ、乱歩の子孫か何かか。


さて映画。「芋虫」のような猟奇グロテスク的ホラーエンターテイメントとはかけ離れた、大変反戦イデオロギー色の強いものでした。
どちらかと言うと「恐怖」よりも「悲しみ」ばかりが伝わるような、とにかくメッセージ性の強い映画です。

寺島しのぶも大西信満も、鬼気迫る演技で凄まじかったです。これは確かに賞の1つもあげたくなる。確かにものすごいんだけど、内容も内容だし、その上R-15なので恐らく地上波では放映できないだろう。何らかの手段で色々な人に観て欲しいんだけどなぁ、、、という感じです。


しかしイデオロギー提示が強すぎる。原爆の映像~被害者の数の字幕~エンディングテーマよろしく元ちとせの「死んだ女の子」が歌詞字幕付で流れ出し~、という終盤の唐突な演出は必要だったのだろうか。アレはなくても十分メッセージは伝わったと思うのだが。

まぁこーゆー映画はおもろいおもろくないで語られるべきではないでしょう。なのでカテゴリ「ふつう」。でも大変印象深い「ふつう」です。


一つ注文つけるとすれば、やっぱ最後のオチは「井戸」であって欲しかったなぁ、、、とw


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