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シネマ座椅子

座椅子に座り、酒を飲みながら日々映画鑑賞。
映画の結末を待たずに酒の力で本日の結末を迎えることもしばしば。

楢山節考

2006-08-02 | ふつう
今村昌平監督が先日他界した、ということで改めて脚光を浴びたこの映画。ミーハーな俺も思わず鑑賞したワケです。カンヌが認めた日本映画界が世界に誇れる傑作です。

ってことで見たのですが、、。
うーむ、、、そりゃまぁ十中八九「楢山節考」を話題にすると「姥捨て」の一言で終わってしまうのですが。なんていうのかね、「生命」をいくらなんでも強調しすぎなような気がしてしまいました。表現があまりに直線的すぎ、そして生々しすぎましたね俺としては。

規律を守れぬために根絶やしにされる家族、親の遺言を守って村の全ての男に抱かれ続ける女、そして年齢を理由として捨てられる親。その描かれる世界はあまりにリアル。これが我らの国日本。

しかし、同じ捨てられる運命を辿るとしても、子が悔やみ、惜しまれながら捨てられる人と、子に望まれ、無理やりに捨てられる人とがいる、これをしっかり描いてることが重い。人間の人生って重い。

カテゴリはこんな感じにしたけど、「楢山参り」の儀式を終えた主役(緒形拳)が帰宅したあと、エンドロールまでの数分は秀逸。人が「生きる」とはどういうことなのかを、あまりにさりげない絵であまりに力強く訴えかけられます。あ、当然親子の別れのシーンはハンカチなしでは見られませんよ。

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