先週からの続きです。
先週は、ダイナミックカップリングアンプを製作するにあたり、全段直結、かつ出力管の制御を行うドライバー管のプレート電圧の調整もしないでアンプにする回路について、差し出がましくもお題を出しましたが、大反響の内に幕を閉じました。
と、言いたいところですが、出張先でお昼ご飯を食べただけのブログの方がアクセス件数が多く、内容的には今一つだったようで、あまり面白くない内容だったと反省しつつも、自分の経験が何かのお役い立てればという気持ちも少しあります。
ま、とにかくいろいろ反省しつつも、今日は回答を記載しようと思います。
お題の回路は、下記回路で、条件”+B2=+B1”を遵守しつつ、アンプとして動作させるためにはどうするか、ということなのですが、1つ足りないものがあります。
答えとしては、下記の回路になります。
Q2のカソード~GND間に抵抗Rを一本入れます。こうすることで、出力管T-55に対する直流電位のバランスが取れ、T-55が動作するようになります。
ただし、このRの値が大きすぎた場合、例えば500kΩなどであれば、T-55のグリッドバイアス電流があまり流れず、出力にクロスオーバーひずみが発生したりしましたので、Rの値を小さめにした方が良さそうです。見出しの写真のアンプでは、12kΩで作成しました。明確に計算等出来たわけではなく、カットアンドトライです。
さてこのように超簡単回路で作成したダイナミックカップリングアンプですが、欠点もあります。それは、定電流回路の発熱がめちゃくちゃすごいことです。出力段のカソード電位は、Q1のプレート電位に引きずられますので、例えば、100V位になってもおかしくありません。T-55は、811クラスの球ですので、プレート電流80mA程度流せますが、そうすると、定電流回路で8Wぐらいの発熱となり2回路で16Wにもなります。これを放熱するのは、ものすごく大変でシャーシ自体がかなり高温となりました。
下記は、表題の実験用アンプの放熱部分ですが、アルミ板にサブの放熱器をつけたものでは到底間に合わず、放熱に合わせて十分なシャーシの大きさにする必要があることがわかりました。
と、一応、実験としてはこういうノウハウも得られたし成功ということだったと思います。当ブログがアンプ製作の際、何かのお役に立てれば。