帰宅した息子から、楽しい話をたくさん聞きました。
息子にとっては、ウインドで過ごした約二週間は、とても良い思い出になったようです。
そういえば、帰宅予定日をいきなり変更して出たレースですが、結果は今ひとつだったようです。
息子は最上級のスペシャルクラスにエントリー、根元プロも参加するクラスです。
当日は天候が非常に不安定で、風がどうなるか予測がつかないレース。
知り合いが9.0で出たらどうだと勧めてくれたそうですが。
息子がセレクトしたのは7.5。 理由はあとで説明します。
スラローム選手権は三大会を通じて戦いを繰り広げるレースですが、息子の参加は、今回だけの単発参加。 そのため、優勝を狙って大きな賭けに出たようです。 息子のセレクトしたサイズのセイルでは、風が上がりすぎれば他の選手は、セイルサイズオーバーとなって走るのが難しくなり、息子に有利。
風が上がらなければ、逆に息子は圧倒的にふりです。
そしてレース開始、残念なことに天は見方してくれませんでした。
トップは、息子が以前スクールいたときに行われた、ブルームカップランキング戦で、半年間にわたり息子とはげしい戦いを繰り広げた、大ベテラン(伊豆丸さん他)が勝利を収めました。
息子は「普段自分が使っている道具だったら・・・・」と、帰宅してから何回か言ってました。 相当悔しかったのでしょう・・・・・
道具の進化は激しく、見かけこそ同じ様に見えても、一年遅れのセイルではレースにほぼ勝てなくなるという程の絶対的事実存在します。 特にスペシャルクラスになれば、プロも混ざってのレーサー集団の集まりですから、小さな差が大きな差になるのです。
息子はボードこそ、その知り合いから特別の計らいで最新型を使わしてもらいましたが、セイルはスクールにあるもの。 となれば、同じセイルサイズで戦う事は圧倒的に不利で、初めから勝てない事は解っています。 その為、少しでもそのハンディを埋めるには、普通の方法では通用せず、自分に有利な条件(ある風域だけを集中して狙う)を設定し、それだけに集中しなければ、その差を埋めることはできません。
ウインドサーフィンはそれほどシビアなのです。
結果として賭けに破れたとはいえ、もし息子の読みどうりに風が強風に変わっていたなら、セイルの性能差によるハンディは無くならないにせよ、ほぼ同等にまで近づきます。
戦いは結果が全てではありますが、例え勝てない状態で有ったとしても、自分で全てを判断して作戦を立て、いざ戦いの時になれば、つべこべ言わずに腹を決めて最後まで戦い抜く事。 それはとても大切なことなのです。
同年齢のときの私には、今の息子のような決断力と、腹をくくる精神力はありませんでした。
そこまで成長してくれた息子に、大変な嬉しさを覚えます。
今回のレースは、息子にとって、青春時代の熱い思い出になる事でしょう・・・・・