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帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

技術者をゴミのように扱ってきたつけ

2012年05月12日 | Weblog

Yahooニュースの記事 ”日韓「電池」戦争 サムスン、LGの強さに学べ”から

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120511-00000312-wedge-bus_all

 

世界No1というシェアを誇っていた日本のLib(リチュウム・イオン・バッテリー)、それが今、韓国のサムスンとLGによって、こてんぱんにやられている。

 

僕からすれば、こんな事は遙か前から分っていたこと。

以前”ベテラン技術者を平然とゴミのように扱うこの国の姿勢が家電という世界で敗北を招いている”という事を書いたけれど、

この記事でもそうした事がLibを通して明確に書かれている。

 

記事全体を見渡すなら、営業の方法に問題があるのでは?という方向で書かれてはいるが、上から下まで何度か通して読んでみると、

結局は企業内の技術者を粗末に扱っていた結果としての、この国の現在の姿が有るのだという、裏の結論がそのまま見えてしまっている。

 

記事では敗北の一要因として技術者の流失をあげているが、なぜ流失したのか?というなら、優れた先見性と思考をもった老練エンジニアを

ゴミのように扱ってきたというこの国の現実がある。

 

ノーベル章をもらった島津製作所の田中氏がこの会社でどう扱われてきたか? ブルーレーザー、青色ダイオードを開発した中村氏。

その他この国の科学技術に貢献した人はいくらでもいるわけだが、皆会社内で終わった人間、変人、ゴミとして扱われてきた。

 

技術者というのは、激しい頭脳労働を強いられるソフトウェア開発のプログラマー等とは全く異なる存在であり、それはソフトは単なる与えられた

開発ツールの中でこれまた与えられた課題をいかに効率的にこなすかという結果優先でしかなく、それ以外の何物でもない。

ゆえに35歳定年といわれているのも当然である。 

これは先見性も発展性も不要で、単に影響サイドからの注文に応えるだけのエンジニアという枠で済む。

 

しかし、常に開発という面で戦わねばならないエンジニアにとって、35歳というのは単なる通過点でしかなく、45でも洟っ垂れ、肉体的限度が

来るまで その切れ味を高めつつ成長を続けていくことができるものだ。

ところが・・・

1990年代に大量のゴミ処理(営業サイドからの技術者捨て)を行い、表向きの経営の効率化を叫び、その格好付けとして製造業で大失敗したアメリカ式経営を

取り入れた。 

これでどうしたか?というなら、この国にアメリカを擬制化し、始まったのは従業員軽視の、音の一部の経営サイドだけが儲かる会社構造。

そしてアメリカ式 物まねのマネーゲーム。

「バッカじゃなかろうか?」

こうした連中が声高に叫ぶ能力主義とやらは、全体の給料を下げ、単なる首切りの口実を造り、日本企業の最大の屋台骨であったはずの忠誠心と団結力を内部から

破壊しまくってしまった。

 

結果、気がついたときには、技術者が心から望む事を自由にやらせてくれるサムスンやLG、台湾や中国の企業にこの国の膨大な頭脳(技術者)が流失してしまっていた

ということだ。

今この国が苦しめられている相手は、何を隠そう、自分たちが捨てた老練のゴミエンジニア達で、構図はエンジニアを大切にする韓国の企業体質と、技術者を

ゴミ扱いする日本との対決になってしまっている。

 

こうしたゴミエンジニア達の何が怖いか?というなら、その殆どが散々自分を冷遇してきた元日本企業に対する恨みと反発心が、自由な開発環境を与えられることで

良い方向へ爆発するからだ。

 

それまで散々肩たたきをされ、年収500万程度で部屋の隅に追いやられていたエンジニアが、年収2000万+成功報酬で最高の開発環境に

置かれればどちらに全力を尽くすか?等、考えなくとも分る事だ。

 

事実、この僕も、周りが大卒ばかりの中、工業高校卒業卒と言うだけでずっと三下扱い、ただただバカにされて意見など聞いてももらえなかった事が

悔しいだけの思い出として明確に残っている。

まさに血の涙をぬぐう気持ちだった事は間違いない。

 

笑わせてくれるのは、それが現在大没落街道をまっしぐらに突き進むN○Cの子会社で有ったことで、それを嫌というほど経験させられてきた事。

どんなに努力を積み重ねても、苦労しても、勉強しても、ただ高卒という学歴レッテルだけでそうした苦渋を僕は常に飲まされてきたわけだ。

この会社の凋落は僕にとって至極当たり前のかつ当然の事で、早く倒産してもらいたい物だと心から願っている? 

 

遙か以前、そんな環境で泣きながら日々を過ごすことほど愚かなことはないと早々に悟った僕、そして星条旗の下に忠誠を誓い、

一切の日本の企業社会を捨てたわけだ。

 

僕みたいなろくでもないエンジニアですらそうなのだから、最前線で戦い続け、開発に命をかける生き方をしてきたベテラン技術者が、ゴミとして捨てられ、

それに助け船を出してくれただけではなく、路頭に迷う家族の生活を救ってくれる手をさしのべてくれる海外の会社に対し、もてる力と技術のすべてを尽くして、リベンジを

誓うことはおかしなことだろうか?

それとも伴侶は首をつり娘は体を売り、息子は浮浪者、そんな先しか見えない事を平然と強要されるような処になぜ忠誠心など持たねばならんのだ?

 

この記事の中で、元本田の技術者の話がさらりと書かれている、しかし激しく減らされる予算、減らされる人、最後には二人となって、それでいったい何が出来るというのだ?

簡単に言うなら辞めろという会社の勧告でしかない。

 

この人物が過ごしてきた環境というのが、いかに激しく、辛い物であったかというのは、僕には想像に難くないわけだ。

 

正直、この国の企業精神はおかしくなってしまったと思っている、開発費を減らし、本業を忘れて行なわれるマネーゲーム、弱者首切りによる帳簿のつじつま合わせ、

こんな姿で、どう絶対コストが安い相手と戦おうというのか?

 

そういえばパナソニックがサンヨーを買収し、電池部門だけ吸収して後はゴミとして中国企業に捨てた。

これがアメリカナイズされた 優良日本経営の姿だそうだ。

 

技術者をなめてはいけない、家族抱えて首つる直前に自分の首を差し出しつつ手をさしのべてくれたハイアール。

サンヨーの技術者のリベンジは、中国生産という絶対強みをえた上で怨念に燃えつつ反撃を開始し始めた。

 

パナソニックの白物家電がハイアールの上にいられるのはおそらく、後5年程度あろう そう僕は言い切る。