「花まつり」とは、4月8日のお釈迦さまの誕生日に行われるお祭りで、花御堂に安置された誕生仏に甘茶をそそぐことで仏を供養し、子供達の健康を祈る仏教行事で、正式には「灌仏会」と言われる。今年の4月8日は月曜の平日なので、池上本門寺は、「花まつり」のお祝いを、4月6~7日に「春まつり」と称して、各種イベントを行ったものである。今年は、桜の開花が大幅に遅れたため、満開の桜に囲まれた中での「花まつり」開催となった。開催に合わせ、境内にある五重塔が特別開帳されるということで、7日に、お花見がてら、池上本門寺に足を運んだ。
本堂の前には、誕生仏が安置されていて、甘茶を注がせてもらい仏を供養した後、甘茶の試飲もさせてもらった。天候にも恵まれたため、境内はお参りする人や桜の木の下で花見をする人でごった返していた。本門寺には何回も来ているが、年に一度の五重塔の特別開帳を見るのは初めてであった。五重塔に入ったところに黄金の仏像が安置されているとは知らなかった。周辺は桜が満開で、桜と五重塔のコラボは絶景であった。お花見がてら墓地を散策し、久しぶりにプロレスラー、力道山のお墓もお参りした。
今から2500年ほど前、カピラヴァストゥを都として栄えた釈迦一族のマーヤー夫人は、ある夜に白い一匹の象が右脇から胎内へ入る夢を見て、その後懐妊したが、お産のため実家へ戻る途中マーヤー夫人がルンビニという町で産気づいたため、アショーカの花が咲く木につかまり、シッダールタ王子(お釈迦さま)を出産したという。お釈迦さまは、マーヤー夫人の右脇から生まれたとされるが、その直後に七歩歩いて右手で天を指し、左手で地をさして「天上天下唯我独尊」と言ったという逸話は有名である、釈迦のこの言葉はよく誤解されている。決して「この世の中で一番俺様が偉い」といった意味ではなく、『この広い世の中で他の生き物と違って、唯一人間だけが考えることができ、尊い使命を持って生まれてきたと』いうのが真の意味である。
今から12年前の2012年3月にネパールに旅行した時、この「ルンビニ」という聖地を訪ねる機会を得た。カトマンズからバイラワまで小型機で飛び、そこからハイヤーでルンビニまで足を延ばした。ルンビニ園は、世界遺産にも指定されており、丹下健三氏の設計の基づき整備され、世界各国の寺院も建てられている。最大の見どころは、誕生シーンのレリーフ、アショカ王の石柱(紀元前3世紀にアショカ王が生誕の正確な位置を示すマーカーストーンを立てたもの)、マーヤー聖堂、プスカリニ池(夫人が沐浴したところ)で、池の傍には、当時を再現した菩提樹が植えられている。お釈迦さまの生誕地を訪ねたという経験から、「花まつり」には人一倍の関心があり、昨年は、芝大門の増上寺の「花まつり」イベントにも足を運んだ。仏教の世界は、奧が深く、お釈迦さまの教えや親鸞聖人の浄土真宗には深い興味を持って自分なりに勉強しているが、まだまだ悟りを得るまでには至っていないのが残念である。
五重塔と満開の桜
五重塔で御開帳された仏像
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