トランプ米大統領は30日午後、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上にある板門店を訪れ、出迎えた金正恩朝鮮労働党委員長と握手し、現職の大統領として初めて軍事境界線を越えて北朝鮮側に入った。急遽設定された電撃会談に誰しもがビックリしたが、テレビ映像を見ていると板門店を訪れた時のことが走馬灯のようによみがえってくる。
板門店を訪れたのは、2004年3月のことなので、あれからもう15年が経つ。テレビを見ている限り、風景はほとんど変わっていない。当時でも緊張感はあり、見学に当たり、何かあっても自己責任という趣旨の誓約書も書かされた。ブルーの建物の中には、会談ができるようにテーブルが置かれていて、韓国側の憲兵が立っていた。部屋の北側半分は、北朝鮮領土になっていて、我々もぐるっと回ることができるので、そういう意味では、北朝鮮に足を踏み入れたことにはなっている。建物の外には、テレビでも映されているように境界線が設定されていて、足で境界線をまたぐことができる。
テレビで世界各地の模様が紹介されることがあるが、その場所に行ったことがある場合、何とも言えない臨場感というか懐かし感が沸いてくる。板門店の軍事境界線もその一つである。ブルーの建物の角には、常時、銃を持った韓国の憲兵が半身で待機しており、また、正面にある北朝鮮側の建物の前には、北朝鮮側の憲兵が銃を持って韓国側を常時監視しているので、緊張感が漂っている。これは、やはりその場に行かないと味わえないものである。米朝関係は今後どう展開していくか目が離せないが、臨場感を持ってニュース映像を見ていきたい。