浪漫飛行への誘(いざな)い

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WOFIAインターライン卓球大会 ー 回顧録(前編)

2019年01月27日 20時30分50秒 | スポーツ

WOFIA(Wings Of Friendship Inter-Airlines)インターライン卓球大会は、1980年にマレーシア航空の提唱により、第1回大会がマレーシアのゲンティンハイランドで開催され、1981年に第2回大会がルフトハンザ主催でハンブルグにて、1982年に第3回大会がエールフランス主催でパリにて開催された後、第4回大会が1983年11月にJAL/ANA共催で東京にて開催されることになった。インターライン大会は、技術レベルは総じてさほど高くはないが、いわば民間レベルのミニオリンピックのような国際大会で、競技力を競うものの、友好親善の色彩が強く、とにかく参加して大変楽しい大会である。毎年どこかのエアラインが持ち回りで主催する必要があるが、参加し続ける限りは、いつかは自分達が主催しなければならない代物である。日本は参加国の中でも大国と一つとみなされていたため、回りからの強い要請もあって、第4回大会を引き受けることになった。

第4回大会は、1983年11月21日から27日まで東京で開催されたが、16か国から17の航空会社が参加し、チーム数は、男子16チーム、女子12チーム、参加人数は、全部で約250名にも達した。大会は、その後第19回大会(2001年)まで続いたが、参加国数、人数とも、第4回大会が最大規模であった。


参加航空会社(アルファベット順) 17社

アイルランド航空  エア・フランス  ニュージーランド航空  エア・パシフィック
バハマ航空   中国民航  キャセイ・パシフィック航空  大韓航空
ルフトハンザドイツ航空  マレーシア航空  カンタス航空  サベナ・ベルギー航空
スカンジナヴィア航空  シンガポール航空  スイス航空  全日空  日本航空 


第4回大会の特徴は、まず中国が初めて参加したこと、また、当時中国と韓国は国交がなく、スポーツ交流もほとんどなかったため、東京での両国の交流が注目されたことである。男子は、準決勝が中国民航 対 シンガポール航空、ルフトハンザ 対 日本航空の組合せとなったが、それぞれ、中国民航と日本航空が勝ち、決勝で対決。しかし、実力の差が歴然で、中国民航が4対0で勝利し、初参加で初優勝を遂げた。一方、女子は、中国民航と大韓航空の決勝戦となったが、ナショナルチームメンバーを擁する大韓航空が、4対1で勝利し、大会4連覇を果たした。この女子の決勝戦は、国交のない両国の対決となったため、注目を浴びた。中国の選手は、全中国から集められ、中国遠征時に対戦したメンバーであったが、大韓航空は、韓国ナショナルリーグ、第3位の強豪チームで、韓国のトップ選手が含まれていたので、中国といえども、かなわなかった。男子は、中国遠征時のメンバーの他に、もっと強い選手が1名補強されていたので、なんなく優勝することができたが、女子は同じメンバーで臨んだことが敗因であったともいえる。

ちなみに、1991年に千葉で開かれた世界選手権に韓国と北朝鮮が初めて統一チームとして参加したが、その時の南北統一チームの女子コ-チは、この時の大韓航空のコーチであった。また、大韓航空のエース、李鎮淑選手は、大会後、ルフトハンザのトップ選手と結婚し、ドイツのブンデスリーガのフランクフルトチームの選手として活躍し、1985年にはフランクフルトチームを優勝に導いたほどの実力の持ち主である。一方、フィージーからのエア・パシフィックの選手達は温泉卓球レベルなので、ナショナルプレーヤーレベルと温泉卓球レベルの選手が混在しているという何ともユニークな大会がこのWOFIAの魅力であるともいえる。

WOFIAの魅力は、

1 トップ選手ではなく、趣味レベルでの卓球愛好家同士が国際交流をすることができる
2 大会なので勝敗は競うものの、親善も大きな目的なので、年一回再会して親しい交流ができる。
3 開会式や閉会式のセレモニーを楽しむことができる。
4 歓迎パーティ、フェアウェルパーティに必ずオールナイトダンスパーティもあるので、さらに交流を深めることができる。
5 フェアウェルパーティでは、各社ともその国独自の歌や踊りやコント等の出し物・パフォーマンスを披露するショーがあり、  楽しむことができる。
6 観光が手配してもらえる等

WOFIAは参加するかぎりは楽しさ満載で、一度参加したら病みつきになるほど魅力あふれるスポーツ大会といえる。現にWOFIAで親しくなって国際結婚したカップルが何組も出ている。
大会セレモニーでは、毎回主催側が工夫を凝らしたショーを企画してくれるので、参加する楽しみが増す。ちなみに、東京大会での開会式は、元世界チャンピオンによる模範試合・挑戦試合に和服を着たキャビンアテンダントによる琴の演奏を行った。第17回の広州大会では、広州雑技団によるサーカスが披露された。第19回の2回目の東京大会では、エアロビクスダンス、獅子舞、津軽三味線の演奏等を行った。

WOFIA は、まさに参加して楽しいイベントであるが、いざ大会を主催するとなると話は全く別で、想像を絶するほど莫大なワークロードがかかることは必至で、仕事後のアフターファイブで片手間にできるような代物ではない。従って、主催を決意するのも大変であったが、正式に開催が決まってから、準備期間は約2年しかなかったので、現実的には限られた人数で莫大な量の作業をこなす必要があった。大会の規模こそ小さいが、オリンピックを主催するのと同じような項目の作業を自分達だけでやらなければならないのである。やらなければならない項目をピックアップしてみるとその大変さが容易に想像つく。


1 参加社、参加者の登録
2 開催場所(体育館、宿泊ホテル)の確保
3 ホテルと体育館との輸送手段の確保
4 食事の手配(朝、昼、晩)
5 組織委員会の形成
6 開会式・閉会式の企画(音楽、行進、プラカード、出し物、式進行)
7 試合の運営企画及び当日の進行(組み合せ、英語による進行)
8 大会プログラムの作成
9 観光の手配(観光バス、観光場所)
10 ウェルカム・パーティ(出し物を含む)の企画
11 フェアウェル・パーティ(ダンスタイムを含む)の企画
12 マネジャー会議の運営
13 協賛スポンサーの確保
14 卓球メーカーへの協力要請
15 IDカードの作製
16 参加記念品の作製
17 トロフィーの作製
18 大会資金の確保、予算管理
19 英語のできるスタッフの確保
20 マスコミへの広報活動
21 自社チームの選手編成
22 試合用の交換記念品の手配
23 初参加の中国民航に対する特別ケア(ビザ身元保証、特別歓迎パーティの手配)

次に、項目ごとにどんな作業を行ったかは、中編・後編で述べる。

インターライン大会スライドショー・:  https://www.youtube.com/watch?v=293dzn0DEUU&feature=youtu.be


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