カラスといちごとクロッカスと

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新しいヘレボルスがやってきた

2023年02月13日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2023.02.04撮影

カナダのバンクーバーでは、植物屋さんに、1月の終わりから2月にかけてヘレボルス(Helleborus)の新しい株がどっさり出回ります。店に並べられている株には、もう花を開けているのもあれば、まだまだツボミのもあります。

鉢についているラベルは、
・原種の名前と、写真
・園芸種の名前と、写真
・交雑種で何系かという名前と、「だいたいこういう花が咲くだろう」という写真
の、だいたい3種類あります。

わたしの庭には、交雑種がたくさんあります。園芸種のように確立した形質を持つものは、そうそう素人に作り出せるわけではありません。特に、うちのヘレボルスさんたちは、人工交配なんかされるわけではなく放ったらかしにされているので、園芸種もどきなんてものは生まれない。

成体は、管理者であるわたしの許可も必要なく自由奔放におつきあいをしてくれているので、芽生えしてから成長して初めての花をつけた個体が、どの親から来たか、なんて、わかったもんじゃないのよ。お顔を拝見して、想像をたくましくするのみです。

2023.02.04撮影

あまりにヘレボルスの数が多いので、ヘレボルスはもう増やさない方がいいか、と思ってはいましたが、そこが誘惑に負けてしまう。つい、ヘレボルスを買いに行ってしまいました。(笑、笑)

でも、ヘレボルスがよく育ってくれる庭なのでヘレボルスを増やす、というのは、理屈に合っているし、育てられるヘレボルスにも、環境の無理強いをしないので、優しい、と思います。

そして、遺伝子プールが欲しいし〜〜、ああ、これ以上子だくさんでどうするんだ。

で、新しくうちにやってきたヘレボルスさんが、この白い大輪のヘレボルス。派手な花はあまり好きではないのですが、この花の白さと大きさと、メシベの紅色さと、に魅了されました。

2023.02.04撮影

これは、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)の園芸種です。

学名 Helleborus x glandorfensis ‘COSEH 4500’
流通名 Helleborus x glandorfensis ‘Ice N’ Roses’ White

glandorfensis の前にある x は、この植物が交配によりできたものであることを示します。glandorfensis の意味は、わたしにはちょっとわかりません。フランス語に glandeur という形容詞があり、それは、「なまけた」(良く言って「まったりした」)という意味ですけど。んんん・・・

園芸種の園芸種たる名前は ‘Ice N’ Roses’ という部分で、これは '氷とバラ' という意味です。Guns 'N Roses という有名ハードロック・バンドの名称にかけたのであろう園芸名ですが、意味的には「氷のあるような寒い時期に咲くバラ(のように美しい5弁の花)」だと思われます。

ガンズ・アンド・ローゼズ

2023.02.08撮影

Helleborus x glandorfensis はシリーズ物で、今のところ、17種の '氷とバラ' ヘレボルスがあるようです。わたしの行った植物屋さんにもいっぱいありました。このシリーズは、(英語で)Gold® Series Hellebore「ゴールド・シリーズ・ヘレボー」と呼ばれます。

以下のサイトは英文ですが、画像でこのシリーズのヘレボルスの形質がはっきりと見えるので、どうぞご覧になってください。画像の下にある四角で囲った More varieties というのをクリックすると、もっと出てきます。

HGC® ICE N’ROSES® EARLY ROSE(英文+画像)

うちに来た園芸種「氷とバラ」は、この17種類のうちの White(白)です。この White には ‘COSEH 4500’ という番号がつけられていますが、調べたところ、シリーズの中、種類によって異なる番号がつけられているようなので、これは、生産者の方での分類番号か、あるいは、園芸種としての登録番号だと思います。

2023.02.08撮影

先のサイトには、このシリーズの園芸種は晩秋から咲き始めるように書かれていますが、他のサイトには、1月から、と書かれていました。

うちの(もう「うちの」と呼んでいます)'氷とバラ' は、2月にうちに来たので、実際に晩秋から咲き始めるかどうかは今のところわからず、それは、今後見ることになります。

直前の画像の左側の花は、前の方の画像ではツボミだったものです。4日の間にこんなに開きました。と言っても、開ききっていません。花の若さはオシベの開き方を見れば、よく分かります。右の古い方の花ではオシベが開いていますが、左の開いて間もない方の花ではオシベのほとんどがまだ固く混み合っています。

この園芸種の特徴をまとめてみると、
・うつむくのではなく、横向きに咲く(オリエンタリスはうつむいて咲く)
・大きい花が、平たく咲く
・白い「花びら(ガク)」で、その中心部が黄緑色
・メシベが紅色
・深緑色の葉

以下は、全草を上から見た画像です。

落ち葉のうち、薄茶色のは英語で oak(オーク)と呼ばれるコナラ属(Quercus)の木の葉、焦茶色のはモミジバフウ(Liquidambar styraciflua)。これらが腐葉土となってくれます。

画像右上部分に、三つ葉で丈の低い植物が1本見えますが、それは、オリエンタリスの子どもです。子どもの時は、三つ葉なんです。

2023.02.08撮影

日本から帰宅してから10日にわたって続けてきましたヘレボルスについては、今日で一旦置くことにします。うちの種々の交雑種を次々にご紹介するつもりだったんですが、書いているうちに話が全くそれてしまいました。うちのヘレボルスの面々の紹介は、また来年のヘレボルスの咲く季節にでもしようか、と思います。ここまでヘレボルスの話しにおつき合いくださり、ありがとうございました。

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これも身代わりのヘレボルス

2023年02月12日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2022.02.11撮影

昨日見ていただいたオリエンタリスの園芸種は、2017年に求めたんですけど、早ければ2018年には、遅くても2019年には、消えていたのです。

あまりにも心惜しいので、2019年に、また身代わりを買ってきました。それが、冒頭の画像のオリエンタリス。そっくり、というわけではないのですが、似ているところもある。

特徴は、
・花全体が大き目
・「花びら(ガク)」は丸目だが、先はややとがる
・蜜腺が、大きく、長め
・蜜腺の色は、ウグイス色の地にあずき色
・「花びら(ガク)」の色は、あずき色
・模様は、点々が離れて見える部分と重なって見える部分とがある
・「花びら(ガク)」には、透明の脈が見える
・「花びら(ガク)」に裏側には、濃いあずき色の脈が見える

「花びら(ガク)」の裏側の脈は、次の画像中、左下の花でご覧ください。この花は、タネのサヤの先が伸びて花から飛び出していますから、咲いて日数の経った花です。

後ろに見えるヘレボルスは、別の個体です。「花びら(ガク)」は、薄いピンク色に黄緑がかった部分が混じり、点々はあずき色で中心部に寄った方にまばらについています。

2021.03.31撮影

この「花びら(ガク)」の裏に出る脈は、上の画像のように、咲いて日数の経った花ばかりでなく、ツボミにも、開きかけの花にも見られます。以下の画像中、ツボミは左上に、開きかけの花は右側に、見えます。

2021.03.03撮影

わたしがぜいたくな花だと言ったヘレボルスは、わたしの庭で子孫を残したかどうか、わかりません。少なくとも、あの特徴的なラッパのような形をした蜜線を持った個体は現れていません。

似たような模様と色の花の個体は出現していますが、他の個体から来たものかもしれない。

こちらの身代わりの方は、タネをしっかりと残してくれています。と言っても、形成されたタネが、発芽し、成長する力があるものかどうかは、まだわかりません。導入してまだ4年未満で、実生から花が咲くには最短でも3〜4年はかかるので。交雑にこの株が貢献しているかどうかは、もう数年経てばわかるでしょう。

2021.04.06撮影

美しい形質の園芸種ですので、以下、画像をお楽しみください。

2022.02.11撮影

2021.03.03撮影

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ぜいたくなヘレボルス

2023年02月11日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2017.04.18撮影

この画像のヘレボルス(Helleborus)は、オリエンタリス(orientalis)系の、原種からはかなり形質の変えられた園芸種です。ぜいたくな姿をしていると思います。

特徴は、
・花全体が大きい
・「花びら(ガク)」が先の方へ向かって細まり、先はとがる
・蜜腺が、ラッパ型(大きくふくらんでいるだけでなく、長い)
・蜜腺と「花びら(ガク)」が、同じ色、同じ模様
・色は、あずき色
・模様は、多分、点々が不規則に重なり合っているのだろう
・「花びら(ガク)」の裏側に、濃いあずき色の脈がある
(画像中、右下に見えるものは、「花びら(ガク)」の裏側)

わたしは、どの植物も、一般的には、
・原種
・一重咲き
・あまり派手でないの
が好きです。

ですから、このような花は、うちにはほとんどない。でも、この派手な(わたしには、派手に見える)ヘレボルスがうちへやってきたのは・・・

遠くまで出かけた、普段は行かない、植物屋さんの、ヘレボルスが何百鉢もある前で、わたしが、ヘレボルスを1株買うべき? これ、変わった花ね、と、この個体を手に取っていたら、そのお店のオーナーに次のようにそそのかされました。

お客さん、目が高いね。これは1品ものだよ! 他にはなかなか見つからない! 花びらもいいけど、それよりこの蜜腺を見てください! 形も色も特殊、蜜腺の色と言えば、普通は黄色か黄緑ですよ。こういう色や形の蜜腺のがなかなか作り出せないの。この株と同じのもほぼ作り出せない!! もうヘレボルス販売の時期は終わるから(4月でした)、いいのは来年まで入らない。手に入れるなら、今!! お買い得のお値段にもなっていますよ!!!!!

と、そんなにすごいものなのか、と思わされて、ひ弱な個体だなあ、と心配ではあったけれど、いじりまくった園芸種ってそんなものなのかも、と思って、結局、買い求めました。お買い得なんて聞かされたけど、高かったわあ。まあ、値段がどうかよりも、原種とは大きく異なるものに作られた、ということで、ぜいたくな花でしょう、とは思います。

この園芸種を買ったのは、2017年です。すぐに地植えしました。

ところが、それに続く年、この花が咲いた覚えがないんです。写真にも残っていない。2018年、2019年、と、このヘレボルスを、ヘレボルスの咲く季節に直に土の上を探したんですが、ない。夢の中にも出てきたけど、ない。

あのヘレボルスはどこに? やっぱり、ひ弱な園芸種は、わたしにはムリだったか、と思いました。育てるだけの技術がなかったのね。

消えてしまった今となっては、この園芸種が、他のオリエンタリスと交雑して、遺伝子を残してくれていることを祈ります。

以下、蜜腺が多くは黄色〜黄緑色であることを、他の個体の画像でご確認ください。

2021.03.23撮影

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身代わりでやってきたヘレボルス

2023年02月10日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2022.03.04撮影

このヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)は、わたしが数日前に「個体B」と呼んだ園芸種の身代わりに、何年前でしたでしょうか、求めたものです。

「個体B」は早くに消えたか、生き残ってはいるが園芸種としての形質を消失したのだと思うんです。身代わりと言っても、ヘレボルスでは「同じ」模様のものはなかなか見つからないのですが、この冒頭の画像の個体は「個体B」にかなり近いと思いました。

この新しい個体を「個体B」と同じ運命にしてはいけない、それなら異なる環境がいいだろう、ということで、北側の庭ではなく南側の庭に植えました。

うちのほとんどのヘレボルスは北側にあります。でも、太陽が多く当たるのはよくないので、塀ぎわで、かつ、イチジクの木の影になるところに植えました。結果的には上手くいって、元気で、丈夫な花をしっかりとつけてくれます。

ひいき(?)はいけないが、わたしはこの個体が大好きで・・・

2022.03.21撮影

冒頭の画像とこの画像では、「花びら」の
・色
・模様
・形
が少々異なるようにわたしには見えます。

・撮影時の太陽の光線の具合
・花の咲いてからの日数の違い
・複数の株が集まっている
などが理由かと思われます。

また、
・ひとつの株から少々異なる花が咲くのは不思議でもなんでもない
ということでしょうか。

2021.03.23撮影

最初の画像2枚でも花の裏側は見えていますが、この画像では、もっとよく見えます。オリエンタリスは、うつむいて咲きますから、花を上から見下ろすと、このように花の裏がよく見えます。この個体では、花の裏が濃い色で、かつ、脈状の模様が出ています。

次は、花が開いてだいぶん経つものを見てみましょう。

2022.03.21撮影

この花は、すでに、オシベの多くと、蜜腺を全部、落としています。こうなると、花の趣が変わってきますね。「花びら」も疲れてきます。

次の画像では、いろいろな段階の花が写っています。でも、この画像は、「やらせ」画像です〜〜〜。というのは、オリエンタリス系のヘレボルスは、最近の園芸種を除き、花がこんなに正面を向いて咲かない。ですから、写真を写すために、えへへ、わたしが片方の手で茎を支えているのよ。でもこの「やらせ」の正面の3つ以外は、自然な向きです。

3つのうち、全開の右側の花では、黄色い蜜腺がよく見えます。左側のは、蜜腺もオシベも落ちた後です。上に向いているの(=上にわたしによって向けられているの)は、オシベの上にメシベが飛び出しているのがよく見えます。

2021.04.03撮影

ヘレボルスの話しをもう少し続けます。

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ヘレボルスの庭はこう変わってきた

2023年02月09日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2022.04.02撮影

写真による記録では、うちの庭にあるヘレボルス(Helleborus)の数は、花をつけるオリエンタリス系(Helleborus orientalis)だけで、次のようになります。今日の画像は、オリエンタリス系の八重の園芸種です。

以下は、数えるのが難しいので、概数です。買ってきたヘレボルスの数は、全部で10個体ぐらい。そのうち、最低2個体は消えたようです。

・2006年(6株)
・2014年(5株)
・2017年(28株)
・2019年(25株)
・2021年(78株)
・2022年(130株)

ナマケモノの庭管理人(=わたし)が何もしないのに株数が上がったのは、前にも書きましたが、庭の木々が成長して落ち葉を大量に提供し、その落ち葉が腐葉土となり、土が酸性土から中性土〜アルカリ性土に変化したためだ、と思います。(この庭管理人、ナマケモノと言えど、落ち葉かきと落ち葉の管理は、します。)

2022.03.21撮影

長らく新しい株を導入していなかったので、去年(2022年)は、園芸種を1株買ってくることにしました。そして、せっかくなので、今までと異なるものがいいだろう、と。

そして、手に入れたのが、冒頭の画像のような・・・じゃなかったんです。これ、つけられていたラベルと違うんです。これは、でも、生産者のラベルのつけ間違いではなく、植物屋さんで客が複数の鉢からラベルを抜き出して比べて、挙句、ラベルを間違って鉢にもどしたのだと思います。

わたしは、花は、大体は、一重のものが好きです。原種も好きです。なら、この時、なぜ八重を? そんなつもりはなかった。ラベルは、せいぜい「花びら」が「二重」ぐらいだったんです。

ちょうど1年ぐらい前、買ってきて、寒い中、庭に植えました。その時にはツボミだったこのヘレボルスが、「花びら」をぴらぴら出してきたのには驚きました。こんなはずじゃ・・・遺伝子プールをするつもりが、これじゃ、新しい交雑種の生成に参加できないんじゃ(園芸種は、次世代を残さないものも多い)・・・でも、それは、杞憂に終わりました(ほんとか?)。

2022.02.11撮影

八重の「花びら」がオシベの変形ではなく、蜜腺の変形であることがわかったからです。ちゃんとオシベがついていたんです。ただ、オシベが存在することと、オシベが有効であることと、・・・は・・・別か・・・

花を、上の画像の角度でながめますと、「花びら」とオシベの間にあるはずの蜜腺がないのがわかります。蜜腺は、元々は花弁。花弁が蜜腺に進化し、ガクが「花びら」に進化し、今度は、品種改良で、蜜腺を花弁にもどしたことになります。

さて、この八重の花が、うちのヘレボルス集団にどのように影響するでしょうか。タネから芽が出て花が咲くようになるには、3〜4年はかかります。この花の周りに出てくる苗を上手に扱うように気をつけましょう。

以下の画像は、この八重の花がまだ開ききっていない時の様子をほぼ真上から撮ったものです。開いている花と比べると、「花びら」が丸いことがわかります。ヘレボルスは、多くの場合、咲いて時間の経った花は、「花びら」の先が尖る傾向にあります。

なお、このまだ開ききっていない花の画像は4月撮影、直前の画像の開いた花の画像は、2月撮影です。ということは、このヘレボルスは、少なくとも3ヶ月は花をつけていることになります。花の後は、タネの入ったサヤをガクである「花びら」の中につけ、その姿も美しいです。

この園芸種に、サヤがついていて、タネもこぼれたのを目で確認しました・・・にまにま。次世代が生まれるかなあ、そうしたら、どんな新しい交雑種が生まれてくる?

2022.04.10撮影

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8年後のヘレボルスの庭はこうなっていた

2023年02月08日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2014.03.24撮影

昨日、うちのヘレボルスの庭がどう「始まった」のか書きました。2006年のそのデジタル化されている写真の記録によると、2006年には、ヘレボルス(Helleborus)が6種類ありました。それから8年後の2014年には、5種類しかありません。これは、どこかで何かを失ったか、あるいは、2006年にしろ、2014年にしろ、記録自体が不完全なのかもしれません。

冒頭の画像は、オリエンタリス(orientalis)の花を上から撮ったもので、花の裏側が見えている状態です。花の表側も美しいですが、このように、裏側もハッとするぐらいきれいな色のことがあります。

葉っぱのように見えるものは、苞葉(「抱擁」じゃありませんよ、念のため)で、まあ言えば、やっぱり「抱擁」のごとく、花の「おくるみ」みたいなものです。苞葉は、花柄も葉柄も地上から直接出る無茎種、例えば、オリエンタリス、などに現れます。

この画像には、この個体の葉は写っていません。わたしは、ヘレボルスの健康な葉を切り取ってしまうのは好きではないのですが、この個体の場合は、あまりにも花で空間が混雑してきたので、わたしが葉を地上近くから切り取ったのでしょう。

この個体は、2006年にあった、花の表側が薄めのピンクで、「花びら」にくっきりしたあずき色の点々がついていた「個体A」だと思います。花の裏側の色が表側の色より濃いことは、よくあります。

2014.03.24撮影

上の画像の個体は、昨日お見せした2006年の「個体B」と関連して、次の可能性があります。
・「個体B」そのものであるが、年月が経って形質が変化した
(これは、チューリップなどでよく起こります)
・「個体B」はなくなっているが、これは「個体B」の子孫である

「個体B」の子孫であるなら、交雑の方法として、次の3つの可能性があると思います。
・わたしが新しい個体(=遺伝子)を導入してそれと交雑した
・うちの庭の中にすでにあった個体の遺伝子と交雑した
・うちの近所の個体の遺伝子が闖入してきて交雑した

上の画像中、一番上の「花びら」の上縁に裏側がちょこっと見えますが、これは、あずき色です。「個体B」と同じ色です。

この2014年の個体は、形質がすっきりしません。でも、2017年以降になると、これによく似てはいるが、形質の落ち着いた、きれいな、個体が現れてき、後、多くの魅力的な個体を生み出すことになります。それについては、またいずれ別の記事で。

2014.03.24撮影

この個体は、昨日ご紹介した2006年の「個体C」と「個体D」の交雑種の可能性があるかなあ、と思っています。あるいは、わたしが、もっと濃い色の新しい株を導入して、それと交雑したのかもしれません。この個体は、「個体C」と「個体D」より、緑色の出方が少なめで、点々が連なってやや網目模様になったところがあります。

2014.03.24撮影

このヘレボルスは、ちょっと不思議なんです。白と言っても黄緑っぽい花、不規則にまだらに少数だけ出る赤紫の点々。葉っぱのような形の「花びら」(このような葉のような形をした「花びら」は、後年たくさん見るようになるのですが)。

交雑種ではあるのですが、何と何の? オリエンタリス(orientalis)とニゲル(niger)とアルグティフォリウス(argutifolius)がどう組み合わさった?(ニゲルは、2014年までに消えていたようですが、子孫は残したのか?)

この個体は、生えている場所と、その変わった特徴から、2022年にも生き残っているのは確認できているのです。このことについても、またいずれ後ほど。

2014.03.24撮影

アルグティフォリウスは、上のように、いつも元気です。疑問は、アルグティフォリウスがどの程度にまでオリエンタリスと交雑するか、です。

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ヘレボルスの庭はこう始まった

2023年02月07日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2006.03.12撮影「個体A」

過去3日間の記事で書きましたように、わたしのうちの庭(特に、北側の庭)には、多くのヘレボルス(Helleborus)があります。でも、買ったのは、ごく一部です。庭で勝手に自由恋愛して、子孫を作ってくれたのです。

わたしのデジタル化されている写真の記録によると、2006年には、うちには、6株のヘレボルスがあったようです。初めて植えたのは、それより数年前のことだと思います。

冒頭の画像は、その2006年に写された写真の1枚で、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)系。薄めのピンクの「花びら(=ガク)」にくっきりしたあずき色の点々、そして、その点々は「花びら」一面に広がらず、「花びら」の中心部約半分だけに集まっています。この株は、花の形質がはっきりしているので、うちの庭で雑種化したものではなく、購入してきた個体のようです。

明日の記事で8年後の個体と比較するために、この個体を、「個体A」と呼んでおきます。

2006.03.27撮影「個体B」

上の画像の個体も、形質がはっきりしているので、購入して来たてのもののようです。オリエンタリス系に他のヘレボルスも混じっているかもしれません。花の前面が白っぽく、裏面が赤っぽいです。その色の対比がはっきりしています。この画像からでは、角度的にちらとしか見えませんが、「花びら」前面のそれぞれには、赤い筋が通っています。

この個体を「個体B」と呼んでおきます。

「個体B」を手に入れるのに、かなりな高額を支払ったような記憶があります。「個体B」は、のち、多くの子孫に形質を遺伝させたようですが、このはっきりした形質の個体は、見当たらなくなってしまいました。

花の周りに瑞々しい葉のようなものがありますが、これは、苞(苞葉)です。葉ではありません。このヘレボルスは、葉柄も花柄も土地から出る無茎種です。

2006.02.10撮影「個体C」

これもオリエンタリス系。「花びら」は、地が濃い桃色で、部分的に黄緑。模様は、マゼンタに近い濃いピンクの点々が、大きく重なり合いながら広がるために、結果、網目状になっています。この個体は、花がどうなるか保証なしで買って来たもののようです。冒頭の画像の個体のようには、形質がはっきりとしません。

これを「個体C」と呼びます。

2006.03.27撮影「個体D」

この上の画像の個体を「個体D」と呼びます。

「個体D」もオリエンタリス系で、「個体C」によく似ていますが、次の点で、「個体C」と異なります。同じような開花段階にもかかわらず「花びら」の形が異なること。「個体C」の「花びら」は全体が丸く、「個体D」の「花びら」は先が尖ります。また、模様が、「個体D」は点々がずっと少ないので、全体的に色が薄く見えます。この個体も、保証なしで購入したものかもしれません。

2006.03.27撮影
 
これは、ニゲル(Helleborus niger)で、もうご紹介しました。この個体は、もううちの庭にはありません。でも、写真記録によると2006年には生きていたのです。今はなくても、遺伝子をオリエンタリスと協力して残した可能性はあります。あくまで可能性。

2006.03.27撮影

これは、アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)。これも前にご紹介しました。アルグティフォリウスも、他のヘレボルス同様、1株でうちにやって来たのですが、今は、無数に生えています。この種が、オリエンタリスとどの程度交雑するかは、わかりません。

明日は、8年後のヘレボルスの姿をお届けします。

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ヘレボルス・オリエンタリス系

2023年02月06日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2022.04.10撮影

冒頭の画像の花は、ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)、ヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)、同様、学名をカタカナにするだけなら、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)です。

でも、もう少し絞り込んで言うと、これらは、オリエンタリスの原種ではなく、交雑種です。ですから、オリエンタリス系、といった方がいいでしょう。

そして、これらの花は、たまたまですが、開いてかなり経った花です。オシベも蜜腺も落ちています。メシベの根本もふくらんでいます。

(和名)ヘレボルス・オリエンタリス
流通名 クリスマスローズ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus
学名 Helleborus orientalis「東方のヘレボルス」
英名 Lenten rose「四旬節のバラ」
原産 トルコ、ブルガリア、ウクライナ、ジョージア、コーカサス

オリエンタリス(orientalis)というのは、この場合、「東洋の」ではなく、「東の方の」という意味です。ブルガリア、ウクライナ、は、ヨーロッパと言っても、東ヨーロッパ、トルコは、ヨーロッパの東に位置します(トルコのごく一部は、ヨーロッパ内にあります)。

英名は、Lenten rose(レンテンローズ)で、意味は、「四旬節のバラ」。Lenten というのは、Lent「四旬節」の形容詞形で、「四旬節の」という意味です。

では、Lent「四旬節」は何かと言うと、キリスト教の暦の上で決まっている、復活祭(イースター)までの40日間のことです。復活祭が毎年移動する日なので、四旬節も毎年異なります。また、教義の異なる教会によっても異なります。

カトリック教会、ルター教会、イギリス国教会、などでは、
・2021年:2月17日から
・2022年:3月2日から
・2023年:2月22日から
となっています。

ニゲルが(暖かいところでは)クリスマスに咲く、というところから、クリスマスローズ(Christmas rose)と呼ばれるのに対し、オリエンタリスは、やや春に入ってから咲く、レントのころに咲く、ので、レンテンローズ(Lenten rose)と呼ばれます。

2022.03.28撮影

日本では、ニゲルもオリエンタリスも(そして、他のヘレボルスも?)「クリスマスローズ」と呼ばれます。が、それは、流通名です。「クリスマス」という、馴染みのあり、かつ、「ロマン」のある言葉を使って、日本人の購買心をかき立てる、よく言えば企業努力、悪く言えば企業策略、です。

「レンテンローズ」と言ったのでは、日本人には、何? 「0点ルーズ」? とかになって、それじゃあ、売れませんよね。

和名としては、ハツユキオコシ(初雪起こし)、カンシャクヤク(寒芍薬)が存在するようですが、これらが、ニゲルのことだけを指しているのが、ニゲルとオリエンタリスのことを指しているのか、あるいは、ヘレボルス全般を指しているのか、あるいは、またまた、どの和名がどの種を指しているのか、よくわかりません。

「初雪起こし」とか「寒芍薬」のように美しい名前(特に、和語を使った「初雪起こし」)が存在するのに、なぜ、わたしたちは、カタカナの言葉に「ニゲル」(ゲハハ、お粗末でした)のでしょうか。

オリエンタリスの方を、「春咲きクリスマスローズ」と呼ぶこともあるそうですが、それなら、最初から、「クリスマス」なんて言わなければいいと思う。

それと、ヘレボ「ラ」スという言い方は、ラテン語の学名 Helleborus を英語読みして、それをカタカナにしたものです。あくまでラテン語にのっとればヘレボ「ル」スとなります。ラテン語は、基本、「ローマ字読み」でいいんです。(でも、「ヘレボレス」とか、つい、言ってしまいそう。泣)

2021.04.05撮影

うちには、ヘレボルス・オリエンタリスの交雑種がたくさんあります。もともと買った株の数は、せいぜい10個体ぐらいなんです。でも、それが、現在では、130株以上あります。

この、何株あるか、というのを数えるのが、また、かなり難しいんです。こぼれたタネから芽生え、近接して生えているまだ若い株は、花が咲くまで個体が区別できません。花が咲いても近似の花であったり、根本がかぶさりあったりしていると、これも、どれが1株か、わかりません。ですから、花をつけるまで成長し、かつ、はっきりと株が分かれているのだけを数えることになります。

オリエンタリスは、自由恋愛(フリー・ラブ)をして、好き〜〜に交雑種を生み出します。結果、親と同じ子どもはほぼできません。オリエンタリスは(本来は)うなだれて咲きますが、花の色、形、模様、形態、など、無限の種類があります。(オリエンタリスを育てている人は、これにハマっちゃうんだよなあ〜〜)

とにかく、花が咲いてみないとどんな花かわからない。ですから、植物屋さんでも、若い株の場合は、どんな花が咲くか補償をしていません。1度咲かせてから卸したものには、写真がついていますが、そちらは値段が張ります。

実生が大量にできるのを防ぐために、花が終わればすぐに花柄を土のすぐ上で切ればいいのですが、実のできた姿も美しいので、早くに切り取ってしまいたくない・・・そして、新しい雑種が生み出されてほしい、という期待もある・・・それで、つい、タネをこぼさせてしまうことになります。

とにかく、オリエンタリスはうちの北側の庭をおおうほどいっぱいあるんです。株わけして欲しい方は、どんどんおっしゃってください。ただし、わたしが在外ですので、輸出入になります。検疫は、そちらで手配してください。

それでは、明日から、うちのヘレボルスの事始めと変遷について、お話しします。

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ヘレボルス・ニゲル

2023年02月05日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2006.02.05撮影

この画像の花は、学名をカタカナにするだけなら、ヘレボルス・ニゲルです。この画像中では、この花は咲き出したばかりの花ではなく、もうすでにオシベが半分ぐらいは落ち、メシベがややふくらみかけています。

学名 Helleborus niger「黒いヘレボルス」
英名 Christmas rose「クリスマスのバラ」
別名 Black hellebore「黒いヘリボー」
和名 ヘレボルス・ニゲル
別名 クリスマスローズ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus
原産 ヨーロッパ南部、ヨーロッパ中央部

ヘレボルス・ニゲルは、日本では、英語名の Christmas rose「クリスマスのバラ」から取られた、クリスマスローズという名称で親しまれていると思います。「クリスマスごろに咲くローズ(=美しいバラのような5弁の花)」という意味ですが、実際には、クリスマスのような早い時期に咲くのは、暖かい地方でだけです。

ヨーロッパ南部、および、中央部が原産地ですから、その暖かいところ、というのはヨーロッパ南部の、主には、イタリアのことだと思われます。

学名の意味は、次のようになります。

古いギリシャ語から helle-「傷つける、害を及ぼす」
古いギリシャ語から borus「食べ物」
合わせて、helleborus「食べたら、毒になる物」

ラテン語から niger「黒い」
合わせて、helleborus niger「食べたら、毒になる黒い物」

Hellebore(英文+画像)

は?「黒い物」? 花は白いが・・・。なんと、根が黒いんだそうです。ああ、アカネ(Rubia argyi)みたいなもんね。なお、アカネ属(Rubia)の学名 Rubia も「赤い」という意味です。「ルビー」の赤ですね。

アカネ

Hellebore (three stages of the flower)
撮影者: p.gibellini
撮影日:2020.02.23
オリジナルからの改変、なし

ヘレボルス属の花は、一般的に、咲いてからの日数により色が変わったりします。ニゲルも、色を変えます。うちのは、ほとんど色を変えませんでしたが、黄緑の模様を「花びら」の根本にくっきりと出しました。(「でした」「ました」と過去形)。

上の画像には、少なくとも3種の色が。
・咲きたての白い花
・オシベも蜜腺もほぼ落ちたかなり時間の経った赤く色づいた花
・タネのサヤをふくらませた緑っぽい花

2006.03.12撮影

上の画像は、うちのニゲルの花を裏側から撮影したものです。このニゲルは、うちにはもうありません。冒頭の画像とこの画像の、2枚の写真にだけ姿を留めることになりました。

わたしが初めて育てたヘレボルスは、このニゲルです。バンクーバーでヘレボルスが大々的に流行り出す前のことです。このニゲルを買おうとしている時、植物屋の店員さんに、これを育てるのは難しいよ、なくすかもしれないよ、と念押しされました。

でも、花の美しさに惹かれ、購入しました。そして、このニゲルは、数年しか持ちませんでした。

でも、その間にも、わたしは、他のヘレボルスを何種類か庭に導入し、ニゲルのように長持ちしなかったのもあります。でも、そのうち、アルグティフォリウスが大成功。オリエンタリスもそれに続きました。

それで考えたんです。なぜ、うちの北側の庭では、ヘレボルスがよく育つ? 初期は数種なくしてしまったのに。育てるのが簡単なのだけが生き残ったのだろうか、それにしても、どんどん増えている・・・

でも、理由がわかったんです。少なくとも、理由は推測できるんです。

最初のころは、うちの木々がまだ大きくなかった。つまり、陽が当たりすぎていた。そして、木が大きくなかったので、落とす落ち葉の量が多くなかった。つまり、腐葉土が十分に堆積されていなかった。

バンクーバーは、全域で、酸性土です。ヘレボルスはアルカリ性の土を必要とするので、バンクーバーでは、土を作らないと、育てるのが難しいよ、ということだったんです。

Schneerosen am Wilden Kaiser(カイザー山のクリスマスローズ)
撮影者: Robert Hundsdorfer
撮影日:2008.05.277
オリジナルからの改変、なし

ヘレボルスは、葉柄、花柄がどこから出るか、という形態から、ふたつ、あるいは、みっつに分けられます。

1.地上から直接葉柄、花柄を出すもの【無茎種】
2.地上から茎を出して、その茎から葉柄、花柄を出すもの【有茎種】
3.その中間種【中間種】

この中間種、というのがよくわかりません。ニゲルがその中間種の代表種なのだそうですが、??? 上の画像では、直接土から花柄が出ています、つまり、無茎種。

大学の運営する植物関係のサイトや、信頼できそうな園芸関係のサイトでは、ニゲルは土から直接出てくる、と書いてあります。例えば、以下は、ノースキャロライナ州の州立大学ふたつが共同で経営するサイト。

Helleborus niger (英文+画像)

明日は、オリエンタリス系について。

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ヘレボルス・アルグティフォリウス

2023年02月04日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2022.04.04撮影

日本からバンクーバーに帰ってきました。本日よりブログを再開したいと思います。帰国前にご案内しましたとおり、しばらく、ヘレボルス属(Helleborus)について書いてみます。

うちには、ヘレボルス属の植物がたくさんあります。

そのうち、冒頭の画像のヘレボルスは、  Helleborus argutifolius で、この学名をカタカナにすると、ヘレボルス・アルグティフォリウスとなります。

学名  Helleborus argutifolius「鋭い歯のついた葉のヘレボルス」
英名 Corsican hellebore「コルシカのヘレボルス」
和名 ヘレボルス・アルグティフォリウス
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus
原産 コルシカ、サルディニア

Helleborus argutifolius(英文+画像)

全草の姿を、次の画像でお確かめください。

Helleborus argutifolius(ヘレボルス・アルグティフォリウス)
撮影者: Tigerente
撮影日:2005.05.23
オリジナルからの改変、なし

特徴は、
・黄緑色、あるいは、白っぽい緑色の花
・茎が土から出、その茎から葉柄、花柄が出る【有茎種】
・常緑
・葉は3裂し、小葉の縁に鋭い歯がある

上の画像中、花の内側にふくれたものが見えますが、それは、タネのサヤです。

そして、今、「花」と書きましたが、実は、その「花」の「花びら」のように見えるものは、ガクです。これは、ヘレボルス属すべてについて言えることです。

では、本物の花びらはどこへ行ったか、というと、次の画像をご覧ください。

2022.04.06撮影

「花びら」のように見えるガクの根本部分にちっちゃいものがぴこぴこぴこと出ていますよね。それが花弁で、蜜腺に変化したものです。ここに虫たちが訪れます。

ここまでの画像のうち、花が大写しの画像2枚(直前の画像と冒頭の画像)をお比べください。オシベの数で見ると、直前の画像の方が、冒頭の画像より、少ないです。これは、直前の画像の花の方が、花が開いてから日数が経っている、ということです。

次の画像では、開いた花が3つ、下方にツボミがひとつ見えます。右上の花は、オシベも蜜腺も落ちた後で、タネが形成されつつあります。メシベの根本のややふくらんでいるところが、タネのサヤになります(ふたつ前の画像のように)。

下の画像中、左上の花はまだ開いてあまり日数の経っていない花です。オシベがたくさんついていますから。同じく画像中の、下にうつむいている花も、オシベの先につく葯(ヤク)がのぞいて見えますから、新しい花です。

2022.04.10撮影

うちには、元々は、ヘレボルス・アルグティフォリウスは1株しかなかったのですが、今では、何本あるか数えるのを諦めました。花の色がやや異なるのがあるので、自家受粉しているだけでなく、ご近所に植わっているアルグティフォリウスさんたちとも仲良ししているのかもしれません。

このヘレボルスは、強靭な植物です。小さいのは掘り起こして人様にもらっていただくか、コンポスト行きとなります。でも、大きいのは、掘り起こせるなんて代物ではありません。

掘り起こせないほど確立した個体は、花が終わったら、その直径2〜4センチにもなる茎を根元から切ります。切りとったものは、花材にすることもできます。切ったあとからは、新たに根本から元気な芽が必ず吹いてきます。ありがとうございます。

花が終わったのをすぐに切ればいいのですが、「花びら」(実は、ガク)がそのままでタネのサヤのついた姿も美しいので、つい、残しておくことになります。すると、タネができ、拡散し、実生が生え出す・・・

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