現在、思うところあって朝練で必ず取り入れているのがこの太極拳（簡化２４式）であります。
太極拳とは、太極思想、すなわち太極は万物の根源であり、ここから陰陽の二元が生ずるとする思想を取り入れた拳法で、中国の元・明代に、張三豊という道士（中国三大宗教の一つである道教の教義にしたがった活動を職業とする人）が、少林寺で修行した後、武当山にて創始したとされています。
道教とは日本に馴染みが薄いように感じますが、映画で有名になった陰陽師や、風水もこの道教から派生したものだそうです。
中心概念の道（タオ）とは宇宙と人生の根源的な不滅の通りを指し、太極拳の套路（型）はこれを全身で表すものだということです。
さてこの太極拳、日本では老人の健康体操というイメージが強いと思います。
（実際、古代中国でも、医者に見放された患者が最後に頼るのは太極拳を修行することによる自然治癒効果であったそうです。）
私もそう思っていました。でも、ある時、スポーツクラブで体験したことをきっかけにハマってしまいました。
太極拳のゆったりした動きは見た目よりずっときついものであり、特に下半身への負荷は相当かかり、下半身強化に非常に効果があります。
また、片足で立つ動作も多いため、これらをゆっくりと行うためのバランス感覚も養われます。
そして、何事も凝り性な私は、この太極拳が実は長い年月に人類が累々と磨き上げた優れた武術であるとも感じています。
ただ形を覚え綺麗に行えるだけでは闘うことはできず、修練を重ねていくなかで全身を勁道（気の通る道）と化し、正しいスタンスで大地から力を借りて強力な勁を発する（発勁）ことが奥義であると知りました。
今の私は入門のレベルすら至っていないし、そこまで達するのは相当至難なことなのでしょうが、この優れた武術を練習に取り入れてからコンディションがより整い、本業のキックボクシング・ムエタイにも良い影響を与えていると身体を以て感じています。
（トータル走行距離：８５ｋｍ）
