この日は前の会社でお世話になった先輩と銀座でサシで飲みました。互いの近況、周囲の近況を話しているうちに酒もすすみ、私は今自分が置かれている状況と自分がどのように行動しているのかを語りました。私と先輩はかつてある一人の上司の元で出会い、一緒にその上司をもり立てて働いていました。その人はみんなにボスと呼ばれ、慕われていました。誰もがその人のためだったらやろうと思い、まさに担当一丸となって頑張っていたのです。“あの人になりたいんです。”私は先輩に語りかけました。
(このブログは四年間一貫して昼の仕事について一切書かないというポリシーを貫いてきましたし、それは今後も変わりません。でも、どうしても伝えたいことがあるので今回少しだけ書こうと思います。)
私は10年以上前に社会人になりましたが、社会不適合者というか、常に閉塞感と不安感にさいなまれていました。全く社会(会社)にあっていない。能力にも自信がない。なにより場違い感がありすぎる。やっぱり自分には向いていない世界なんだ。俺は選択を誤った。この世は悪い冗談だ。なんてことまで毎日考えるくらい病んでいました。そんなふうに過ごしていた20代が終わりに近付いた頃、ひょんなきっかけで私はボスに出会い、引っ張ってもらってお仕えすることになりました。ボスもそこの先輩達も、この不適合の出来損ないを温かく受け入れてくれました。こんな楽しく安心して働けたことはありませんでした。ボスは私にいつもこう言ってくれました。「お前は入る会社を間違えた。性格的に向いちょらん。でも、お前にはものすごいパワーがある。」初めて理解してもらえた気がしました。叱られたことも多々ありますが、素直に反省することができました。尊敬できる人間だったからです。そして、他の先輩方と同じく、この人のためだったらという気持ちで自分の力を発揮することができました。この人に出会わなければ、腐ったまま辞めていたに違いありません。その人にお仕えした3年間は私にとって最高の3年間でした。男気があって、優しくて温かくて、とにかく器の大きな人でした。一生懸命みんなが働きやすい職場作りに努めてくれた人でした。保身しか頭にないような木っ端役人そのままの世界にも、いや、閉塞感溢れる今の日本社会においても、こんな男が身近に実在したことを知っている私達は幸せです。「どこにいたってボスの遺伝子を絶対に守る。そのために頑張る。」と私は涙ながらに先輩と語り、何度も握手し、乾杯しました。熱すぎる夜でした。
今回語った場所は銀座コリドーの祭りやさん。魚介類とお酒がとても美味しいお店でした。写真は店長の清水さん。いろいろ話すうち、地元の(悪い?笑)先輩だと判明いたしました。これからまたちょくちょくお邪魔しようと思います。ありがとうございました!