撥音というのがあります。表記すると「ッ」で、いわゆる詰まった音とか、飛ぶ音とか呼んでいるものです。音としては発せられませんが、一音節分の間隔はあります。原則は、無声子音の後に無声子音が来た時に変化するものです。例えば・・・“察(サツ)”と“知(チ)”で「察知(サッチ)」や、“執”と“行”で「執行(シッコウ)」、“鉄”と“砲”で「鉄砲(テッポウ)」のようになるものです。原則と言っても厳格なものではなさそうで、例えば“切(キル)”と“手”で「切手(キッテ)」や、“尻”と“尾”で「尻尾(シッポ)」というようなものもありますが・・・今回は、数字について考えてみましょう。『1』『6』『8』は2音節目が無声子音です。で、後に無声子音が来ると撥音になる・・・「1本」「1回」「1点」、「6分」「6杯」「6個」、「8等身」「8珍」「8泊」といった事です。これも厳格さに欠ける点があり、「6点」はロクテンというように撥音にはなりません。概ね、ということですね。この原則を踏まえて、最近気になっているのは「11ヶ月」を「ジューイチカゲツ」というアナウンサーに出会うことです。「1ヶ月」は「イチカゲツ」とは言わないと思いますよ、それはやはり「イッカゲツ」ですよね。だったら「ジューイッカゲツ」でしょう。「1.5」「8.3」も本来は「イッテンゴ」「ハッテンサン」だと思います。丁寧に、ということなのだとは思いますが、日本語の成り立ちの原則を壊すことの無いように気を付けたいと思いますが、如何でしょうか。
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