ナレーター・アナウンサー養成塾

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満面の“笑顔”?

2008年01月16日 | Weblog

最近、特に多いナレーションコメント「満面の笑顔」。私も同じ仕事をする人間として、とても気になっています。満面の“満”は全体に満ちるという意味で、“面”は顔のことです。良く時代劇で「オモテを上げい・・・」と、殿様が家来に向かって言う時のオモテ=顔。石器時代より以前のこと・・・一族が火のを囲んで食事をするときに、中の誰かが楽しい事を言うと、皆が顔を上げて笑う。そうすると、顔に火が当たって白くなることから『面白い』という言葉が生まれたのだとか。この面も、オモテつまり顔のことです。では、満面は“顔全体に満ちた”という意味、そこに笑った顔“笑顔”が来てしまうと、顔中に顔だらけになってしまいます。本来は『満面の笑み』です。こんな説明をしなくとも、おかしいということは多くの方が感じていることなのでしょうが、なぜこんな間違いがしょっちゅう起きるのかというと・・・・書き手(記者かライターかディレクター)が若いから、でしょう。普段の会話では使わない言葉だし、耳にもしないのでしょう。そんな若い書き手が何故か、昔からの慣用句を使いたがるのです(これは私見ですが)。例えば「~は如何に!」これも正確には『~や如何に!』でしょう。昨日の原稿では「しかし、めげずに、次の大会にも出場・・」とあったのですが、何にめげないのかが不明なので『今回の成績にもめげずに・・』と直しました。これはホンの“氷山の一角”です。さて今年も、様々な面白不明言語をどのくらい耳にする事でしょうか・・・。

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ナレーター・アナウンサー養成塾 塾長 ナレーター・伊藤英敏