学生時代に立てた仮説。夏のある日、
タオルケット1枚で寝られる。きっと翌日も
タオルケット1枚で寝られる。それならその翌日も、さらにその翌日も……つまり1年中
タオルケット1枚で寝られる。実証実験に踏み切った。9月も末になると寒かったがなんとかなった。10月も根性で乗り切った。11月のある日、母が来て
タオルケット1枚で寝ている私を発見して「
何やってんの、風邪引くよ!」と大きな布団をばさっと掛けた。暖かい幸福に包まれたが実験は失敗に終わった。
同時期に「1年中
半袖シャツだけで過ごせる」という仮説も実証していたが同様に頓挫した。
何が間違っているのか。「ある日大丈夫でも、その翌日
タオルケット1枚で寝られる」とは限らないのである。たいては大丈夫なのだが、残念ながらある日突然、
タオルケットでは寒すぎる日がやってくるのである。身をもって体験したことは忘れない。普通の人は体験しなくても分かるのかも知れないが。