手提情報帳草子

冬は、ノートパソコン。やうやう温もりたる底面ほのかに感じて　冷えた膝に載せて暖まりたる。

氷点下の朝はMPEGエンコード。DIVXはさらなり。じきにキーボードの暖まりたるに凍えた指を走らせたる。また、ただ一つ二つなど、液晶のドット欠けのうち光りて行くもをかし。

電池切れは、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるがごとき電池切れの警告。コンセント探して三つ四つ、二つ三つなど、公衆電話自動販売機などのうしろにまわるさまはあはれなり。まいて警備員などの列ねたるに見つかり盗電を問われ書類送検されるを見ゆるは、いとをかし。電池使い果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

新製品は、つとめて。発売前に手を回して手に入れるはいふべきにもあらず。製品化前のカートンボックス印刷間に合わずいと白きも、また添付ソフトのベータ版のままでも、いと厚き製品マニュアルは片面コピーのクリップ止めして、電源アダプターの汎用品なるも、いとつきづきし。後になりて、同じ価格で上位製品見ゆれば、有り金はたいた機種も反古同様になりて、わろし。