背景はニジーニー・ノブゴロド(現・ゴーリキー)です。河はカスピ海に流れるボルガ河です。
映画のみの方は「?」ですが、原作や「ファントム」では「警察長官と出あった場所」であり、原作の中ではエリックがおぞましい栄光に輝いていた、とされる土地です。
ここでの「定期市」(ヤールマルク)はとても有名です。
正確に言うとエリックは「定期市」に伴う「縁日」(グニャーニエ)に出ていたのではないかと思います。商人ではないので。
十九世紀の後半にこの地方では人形劇「ファウスト」がたいそう広まり、人気があったそうです。
人形劇が演じられたのは、見世物小屋に特別に建造された舞台に置いてでありました。人形は名人の手で複雑な糸のシステムを使って操作され、音楽は楽師だけでなく、オーケストラも使われたそうです。
ま、このあたりが後々のオスマン・トルコでの「自動人形」製作の発想に繋がるのかは謎です。
人形劇に関係なく「自動人形」に対する熱意はあったのかも知れません。
彼がオペラの「ファウスト」を初めて鑑賞したのはいつかは分りません。(1859年、グノー「ファウスト」初演)
でも「ファウスト」という物語そのものは、本で読む事が出来なかったにせよ、なんらかも形で割りに早い時期に知っていたのかもしれませんね。