福島第1原発事故で溶融した核燃料は今、どこにあるのか─―。原子炉周辺が高線量であるため
直接的な炉心損傷の観察ができない政府と東京電力は、未だにこの疑問に答えられないでいる。
にもかかわらず政府は「年内冷温停止状態の達成」を規定路線としており、これに対して
専門家からは疑問の声が相次いでいる。こうした中、東京電力は2011年11月25日の会見で、
燃料の状況や位置等に関する見解を11月30日に示すことを明らかにした。
圧力容器から溶け落ちた核燃料があると見られている鋼鉄製の格納容器の厚さは約3センチ。
フラスコ状の底部は、平らにするために厚さ約2.7メートルのコンクリートが敷かれている。
その下は基礎マットとして約10メートルのコンクリートが打たれている。
抜け落ちていると見られる核燃料は、格納容器の底で留まっているのか。それとも、基礎マットの
コンクリートまで達しているのか。あるいは、原子炉建屋の底を突き破って地下に漏出しているのか――。
これまで東京電力は、記者の質問に対し、「地下水の放射性物質の監視をしているが、
普通にある地下水のレベルとほぼ同一であるため、燃料が地下に漏れ出している状況にはない」と
繰り返し説明してきた。
17日の会見で、細野豪志原発事故担当相は「(核燃料の状況については)気になっている。
(福島第1原発の)吉田所長とも何度か議論してきた」とした上で、「(燃料が地中に達しているという
状況も)あり得るという前提で、それでも冷却出来ているということを確認しなければならない」
と述べ、苦しい胸の内を明かした。
一方、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は25日の会見で、溶け落ちた核燃料の状況を
把握するため、「今まで観測されている温度や放射線の線量等を基にデータをとりまとめている」とし、
「先生方のご意見をお聞きしつつ、私どもの評価をご紹介できればと考えている」と語った。
東京電力の説明は、11月30日に経済産業省で開催される『東京電力福島第一原子力発電所1-3号機の
炉心損傷状況の推定に関する技術ワークショップの場で行われる。JAEA(独立行政法人原子力研究開発機構)、
JNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)、エネルギー総合工学研究所、東京電力、経済産業省、
NRC(米原子力規制委員会)駐日チーム、WANO(世界原子力発電事業者協会)らも参加する
このワークショップで、出席者からどのような意見が出されるかにも注目が集まる。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw152868
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11/30・・・憶えておかなきゃ。