The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

白鳥の湖

2012年11月28日 | バレエ

 

ロパートキナ様のお美しさというのは、半端ないというか、素晴らしかったです。硬質な美とでもいうのでしょうか、青白いライトに浮かび上がる、青白い手足(しかも長い)姿はまさしくオデットでした。哀れだけれど、高貴でした。反面、黒鳥は先日のイリーナの踊りが焼付いていますので、若干薄味かな、とも思いましたが、禍々しい蛾(あの二本の触角のせいかも)のようでした。

相手のジークフリートはマリンスキーの中でもがっちりタイプだと思いますし、年配でした。王子役はヘタレで、若い、というイメージがあるので、一幕で三人で踊るパ・ド・トロワ(?)の男の子だったらよかったのに、と思いました。綺麗な子だったなあ~。(パリ・オペ版だとエマニュエル・ティボー様の踊った役の子です)

あと二幕の結婚相手選びのパーティーの座興のマズルカ?チャールダーシュ??は、よかったああああああ。やっぱり本場ですね。パリ・オペラ座のもこの場面は大好きなんですが、東欧とかロシアというよりはアルプスみたいな感じが(私は)しちゃうんですが、こ・・・これはスラブの香りが(自分的に)プンプンしました。フガフガしちゃいましたよ~。

しかもブーツに鎖の飾りがついていて、ふくらはぎをパンッって打合せる時、シャンって音がしてました。なかなかいいもんですね。

スペイン、男女二組でした。(ここんところはボリショイ版がサービス精神旺盛でよいですね。イケメン、黒服4人って起爆力ありすぎです。バレエが芸術だとわかっていますが、美男子を見るのは有無を言わさぬ喜びですよね)
で、マリインスキー版ですが、やっぱり情熱的でよかったです。黒タイツと赤タイツのお兄さんが素敵でした。

全体的に、背景は写実的な感じで衣装も綺麗ですが、どこかクドく、「血の上の教会」みたいな色彩感覚があるのかも、などと勝手に思いました。でも綺麗ですよ、すごく。ただ統一感があってスタイリッシュなパリ・オペラ座の色彩感覚とは違うなあ、と。

 

割とみさなん細くて、美少女、美青年集団のようでした。ダンサーって結構太ももは凄いんですが、長々としてすんなりした美脚でした。

その美脚が音楽に合わせて器用に動いているのを見るのも喜びですね。

 

お話としては、ものすごく単純で、三幕で湖にたどり着いた王子様がロットバルトを倒してハッピーエンド!!!というもの。

言わせてもらえば「白鳥の湖」は悲劇であってほしい。。。。あの音楽の悲劇性がいつまでもいつまでも続く感じがいいなあ、と思っています。「白鳥の湖」に関してはヌレエフ版の信者なので、そう感じてしまいました。

だってあの白鳥のテーマを聴くと、ヌレエフ版のロットバルトの救いのない悲劇が胸に迫ってくるんですよね。(カール様は天才。綺麗ね~、くらいだったバレエで初めて泣かせられたし、すごい衝撃でした)

逆に男性からすると、ロパートキナ様の高貴で、悲劇的なお姿はもうもう掻き立てられものがすごいと思います(^^)

 

 


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