漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0544

2021-04-26 19:23:20 | 古今和歌集

なつむしの みをいたづらに なすことも ひとつおもひに よりてなりけり

夏虫の 身をいたづらに なすことも 一つ思ひに よりてなりけり

 

よみ人知らず

 

 夏虫が火に飛び込んで身を焼いてしまうのも、私と同じように思いの火によってなのであるよ。

 さっと一読して強い思いに身を滅ぼすわが身を詠んだことはわかりますが、よくよく読むとそれと同じだという虫の方は、自ら火に飛び込むさまを言っているのですね。なかなか難解ですが、「一つ」は自分と同じの意で、「思ひ」の「ひ」は「火」との掛詞にもなっています。



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