漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0623

2021-07-14 19:57:21 | 古今和歌集

みるめなき わがみをうらと しらねばや かれなであまの あしたゆくくる

みるめなき わが身をうらと しらねばや かれなで海人の 足たゆく来る

 

小野小町

 

 いくら言い寄られても私の方は逢うつもりがないとは知らずに、あなたは縁を切ろうともせず、足がだるくなるほど通って来るのですね。まるで、海松布(みるめ)の生えない浦だとも知らずに、それを採ろうとやって来る海人のように。

 0622 に対する返歌。掛詞を多用することにより、自然の情景(海松布も生えない荒涼とした浦)と作者の心情とを巧みに一体として詠み込んでいますね。



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