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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 566

2024-11-02 05:00:34 | 貫之集

あさなあさな けづればたまる わがかみの おもひみだれて はてぬべらなり

朝な朝な けづればたまる わが髪の 思ひ乱れて はてぬべらなり

 

毎朝梳ると乱れた髪がたまって行くように、私の心は思い乱れて、ついには死んでしまうのであろう。

 

 初句「朝な朝な」は現代では使われなくなってしまった言葉ですが、古語では「夜な夜な」と両方がつかわれていました。古典和歌ではむしろ「朝な朝な」の方がよく見るかな?
 

 なお、拾遺和歌集(巻第十一「恋一」 第669番)に次の歌が入集しています。かなり表現が違いますので、同じ歌と言ってよいかわかりませんが、歌意としては同一と見られるように思います。


あさなあさな けづればつもる おちかみの みだれてものを おもふころかな

朝な朝な けづればつもる おち髪の 乱れてものを 思ふころかな