漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0778

2021-12-16 19:21:53 | 古今和歌集

ひさしくも なりにけるかな すみのえの まつはくるしき ものにぞありける

久しくも なりにけるかな 住の江の まつはくるしき ものにぞありける

 

よみ人知らず

 

 あの人と逢わなくなってずいぶんと時間が経ってしまった。住の江の松が過ごしてきた時間と同じように、長い間待ち続けるというのは、なるほど苦しいものであることよ。

 「松」は「待つ」との掛詞になっているのと併せて、「松」が常緑樹であることから長い時間の経過を象徴するものとされ、「待つ」時間がこの先も長く続いていくであろうことを示唆しています。待つ身の辛さを嘆く詠歌ですね。