ひさしくも なりにけるかな すみのえの まつはくるしき ものにぞありける
久しくも なりにけるかな 住の江の まつはくるしき ものにぞありける
よみ人知らず
あの人と逢わなくなってずいぶんと時間が経ってしまった。住の江の松が過ごしてきた時間と同じように、長い間待ち続けるというのは、なるほど苦しいものであることよ。
「松」は「待つ」との掛詞になっているのと併せて、「松」が常緑樹であることから長い時間の経過を象徴するものとされ、「待つ」時間がこの先も長く続いていくであろうことを示唆しています。待つ身の辛さを嘆く詠歌ですね。