漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

26-2 振り返り その2

2014-11-02 00:32:23 | 本試験
続きです


(四)語選択 書き取り  4/10点

3. 思い慕うこと  【眷恋】  ×
 直前期に四字熟語の 【牽攣乖隔(けんれんかいかく)】 の意味(心は互いに引かれ合いながら遠く隔たっていること)を復習していたのが禍い(?)して、【牽攣】 と誤答。正解の 【眷恋】 はまったく思い浮かびませんでした。

4. すぐれた才能  【驥足】  ×
 違うと思いつつ 【炯眼】 と書き、終了直前にやっぱり違うなと思って 【蘊奥】 と修正しましたが、どっちも間違いでした。(泣)

5. 墓地のこと  【卵塔場】  ×
 一旦 【煉獄】 と書き、正解は 「らんとうば」 だなと思い直したまでは良かったのですが、「とうば」 は 「卒塔婆」 のこととしか思えず、一生懸命 「らん」 は何だろうと考えて結局 「蘭塔婆」 と誤答。標準解答にはありませんが 【蘭塔場】 でも正解のようなので、結果だけ見ると惜しかったですね。

 前回2点、今回4点。私にとって(四)は鬼門です。



(五)四字熟語  30/30点

 ここは、前々回30点、前回28点、今回30点と、得点源になっています。【溌墨淋漓】 と 【禍棗災梨】 は「辞典」にも「四字熟語辞典」にも記載がありませんが、前者は消去法で 「りんり」 と分かりましたので確信を持って解答でき、後者は新星出版社の「頻出度順」と、しろねこさんのブログにあったのを自作問題集に転記してあったので、無事に正解でした。当ブログでも「【わざわい】族のあれこれ」の記事でご紹介していたので、「それを見たので正解できた!」なんていう方がいらっしゃったら嬉しいなぁ。



(六)熟字訓・当て字  10/10点

 今回も無事、フルマークでした。手元にある 15-1 以降の過去問には、【月代(さかやき)】 【鼓豆虫(みずすまし)】 【鴨跖草(つゆくさ)】 【望潮(しおまねき)】 【障泥(あおり)】 がありません。すべて新出だとすると、(六)もかなり難しかったということでしょうか。
 【望潮】 は  【望潮魚(いいだこ)】 と間違えた方がおられるかもしれませんね。以前、「ボクちゃん日記」 にコメントしましたが、この2つは、私は「並べて書くと揃う」で覚えています。
   望潮しおまねき
   望潮魚いいだこ
と綺麗に揃うところを、目で見て覚えました。この「目で覚える」という手法、私にとっては非常に有効な手段です。



(七)熟語の読み・一字訓読み  10/10点

 ここも満点でした。【覓索(べきさく)】 は 【騎驢覓驢(きろべきろ)】 、【韜光(とうこう)】 は 【韜光晦迹(とうこうかいせき)】 を学習していれば大丈夫。7度目になりますが、四字熟語は大事です。



(八)対義語・類義語  14/20点

 ここは今回ホントに難しかったですね。試験中、頭が真っ白になりました。3問間違えて14点でしたが、この難易度で7問正解は現時点の私としては良くできた方だと思います。

1. 【矍鑠】 ⇔ 【耄耄】  ○
 知らない熟語でしたが、意味と消去法から何とか正解。

4. 【直諫】 ⇔ 【諂佞】  ×
 これはお手上げでした。消去法で「てんねい」が残りはしたのですが、「いさめる」の対義が「おもねる」「へつらう」とは思い至らず。

5. 【曩祖】 ⇔ 【苗裔】  ○
 これは 25-1 の語選択書き取りで出ましたね。そのときは 【苗裔】 という熟語を知らず、できませんでしたが、今回は無事正解。

8. 【寰宇】 ≒ 【輿地】  ×
 【輿地】 は知らない熟語でしたが、ちゃんと「辞典」の見出しにありますね。勉強不足です。まったくわからなくてこちらを 【破天荒】 にしてしまいました。

10. 【曠古】 ≒ 【破天荒】  ×
 【曠古】 を単に「昔」というような意味だと誤解していたこともあり、できず。過去問にある(24-2 で、【未曾有】≒【曠古】が出題されています)のに意味を正しく理解していないとは・・・



(九)故事・諺  16/20点

2. 関関たる ショキュウ は河の洲に在り。  【雎鳩】  ○
 四字熟語 【関関雎鳩】 のもとの故事ですね。8度目になりますが、四字熟語は大事です。

3. テットウ 水を漏らさず。  【鉄桶】  ×
 水を漏らさない「テットウ」とは何だろうと頭をひねりましたが何も出てこず。苦しまぎれに一度 「跌蕩」 と書きましたが、なんとこの 「跌蕩」 が次の文章題で読み問題になっており、こちらはこれでは不正解であることが確定。

4. ソウユ 且に迫らんとす。  【桑楡】  ×
 まったくのお手上げ。

9. 尺蚓堤を穿てば能く イチユウ を漂わす。  【一邑】  ○
 【尺蚓(せきいん)】 の方が狙われるのではないかと当たりをつけ、当ブログの 「模擬試験 第3回」 で出題した問題でしたが、問われたのは 【一邑】 の方でした。それでも正解できて良かったです。

10. 目、鏡を失えば則ち以て シュビ を正すこと無し。  【鬚眉】  ○
 知らない問題でしたが、「鏡がないと正すことのできない シュビ とは何か?」 と思い巡らして捻り出しました。

 自己採点通りなら、ここはこれまでで最高得点です。上出来。



(十)文章題  24/30点

4. インユ  【因由】  ×
 知らない言葉。文脈から 【因由】 は浮かんだのですが、これでは 「インユウ」 のような気がして却下。惜しかった。

5. ガイク  【街衢】  ○
 文脈から意味を読み取れれば、あとは 【四衢八街】 が想起できれば大丈夫。9度目になりますが、四字熟語は大事です。

7. ドンリ  【貪利】  ×
 答をみたらナルホドですね。文脈から意味は正しく推定できていましたが、あてはまる漢字が出てこず。これもちと残念。

8. メンユ  【面諛】  ○
 【讒諂面諛】 が想起できて正解。10度目になりますが、四字熟語は大事です。

9. キョウゲン  【郷原/郷愿】  ×
 お手上げ。まったくわからず。

10. ケンカイ  【狷介】  ○
コ. 【跌蕩】  てっとう  ○
 前者は 【狷介固陋】 や 【狷介不羈】、 後者は 【跌蕩放言】 が浮かべばOK。11度目になりますが、四字熟語は大事です。

 読みはその他も全部正解でした。オの 【軒楹】 は 「のきばしら」 かとも思いましたが、文中で ガイク(街衢)と対になっていたので音読みで書きました。「のきばしら」でも正解かもしれませんね。



 以上です。今回は前回以上に全体が難しく、試験中余裕もなくて冷静さも失っていたのでいつも以上に自己採点と実際の得点の差異が発生するのが心配です。まあ終わったことを心配していても仕方がないですが、1級四字熟語を網羅していなかったら確実に不合格でした。今回は1級四字熟語の知識で正解できる問題が非常に多く、配点は50点を超えています。やはり四字熟語は合格のための武器になりますね。

 年度の第2回と第3回は間隔が短く、26-3 まですでに100日を切っています。途中年末年始も入りますから、なおさらあっという間ですね。日々時間をみつけながら、マイペースでやって行きたいと思います。引き続きおつきあいください。



26-2 振り返り その1

2014-11-02 00:21:37 | 本試験
 間違えたところを中心に振り返ります。今回、少し詳しく書きたいと思っています。


(一)読み  22/30点

 私は今回が8回目の1級受検ですが、22点というのはこれまでで最低です。ここで8点も失ってはさすがにあとが厳しくなりますが、しかし今回の(一)は、本当に難しかったと思います。

1. 【穹窿】  きゅうりゅう  ○
 23-1 で、(四)の語選択書き取りで出題された熟語。書き問題から読み問題への転化というのは珍しいように思いますが、読み→書きではないので、これは「過去問を学習していればできた問題」に含めて良いのでしょうね。

3. 【香匳】  こうれん  ○
 最初、【題簽(だいせん)】 が頭に浮かんできて 「こうせん」 と書いてしまいましたが、見直し作業で 「いや、【鏡匳(きょうれん)】 の方だ」 と気づいて修正し、無事正解。今回、この「見直しで修正して正解」というのがいくつもありました。良かったと言うか危なかったと言うか・・・。

4. 【泛駕】  ほうが  ○
 四字熟語 【泛駕之馬】 を学習していればOK。1級四字熟語は「○○之○」型のものも含めて網羅しておくべし、ですね。

5. 【彫鐫】  ちょうせん  ×
 何か違うなぁと感じつつ、「せん」 が思い出せずに 【鐫】 を 「しゅん」 と読んでしまって誤答。 【鐫刻(せんこく)】 なら間違いなく読めているのに、違う形で出されると戸惑うのですから勉強不足。

7. 【纛下】  とうか  ○
 無事、四字熟語 【高牙大纛(こうがだいとう)】 が想起できて正解。繰り返しですが四字熟語は大事です。

11. 【金罍】  きんらい  ○ 
 【罍罌(らいおう)】 が自作問題集にあって学習していたので正解。ただ、【罍罌】 をどこで見て手元資料に加えたのかまったく記憶にありません。「辞典」 に小さくは出てるのでそこからかな??

13. 【令尹】  れいいん  ○
 22-1 で出てますが、それをやっていなくても、四字熟語 【伊尹負鼎(いいんふてい)】 を学習していれば大丈夫。3度目ですが、四字熟語は大事です。

17. 【齏塩】  せいえん  ○
 四字熟語 【朝齏暮塩(ちょうせいぼえん)】 が想起できて正解。4度目ですが、四字熟語は大事です。

18. 【籠罩】  ろうとう  ×
 【罩】 が読めず。訓読みの 「こ・める」 は知っていたのですが、だからといって音読み問題なのに 「ろうこ」 などと書いた私は一体。。。

19. 【盻盻】  けいけい  ×
 【盻】 の音読みを知らず。なんと書いたか忘れました。

20. 【恁地】  いんち/じんち  ×
 「にんち」 と誤答。 「辞典」 には小さな字で熟語だけが書いてあり、読みの記載はなし。【恁】 の音読みには 「にん」 もあるのに、「にんち」 じゃダメなのか~~(泣)

21. 【癢さ】  かゆ・さ  ×
 「はがゆ・さ」 と書いたのですが、ダメかなぁ・・・

23. 【垤】  ありづか  ×
 「てつ」 と書いた。だから訓読み問題だっつうの!

24. 【蔟】  まぶし  ×
 まったくわからず。「一文字で送り仮名のない訓読み」 をマークしていたにもかかわらず、抽出した中には含まれていませんでした。何事も中途半端はいけません。

25  【髢屋】  かもじや  ○
 こちらは抽出した中にありました。無事正解。

27. 【醜】  しこ  ×
 「しこめ」 と書いてしまいました。「しこめ」 は 【醜女】 ですね。

 ということで(一)は大苦戦。参りました。



(二)書き取り  26/30点

1. シセキ の間に迫った  【咫尺】  ○
 23-3 で出題。それを知らなくても、四字熟語 【天威咫尺】 【咫尺之書】 を学習していればOK。5度目ですが、四字熟語は大事です。

4. クビス を接して・・  【踵/跟】  ○
 標準解答は上の2つだけですが、【踝】 でもOKでしょう。

5. ツイナ の行事  【追儺】  ×
 【儺】 がどうしても出てこず、違うとわかりながらサンズイにしてしまいました。残念。

8. ハシケ が行き交う  【艀】  ×
 どうしても字体が浮かばず。これも非常に残念でした。今回、一番悔しかった誤答です。

11. レイセイ 一番  【励声】  ○
 知らない言葉でしたが、その場の推定で正解。問題文から場面を想像していたらスッと出て来ました。出て来た時点でこれが正解であることを確信。問題文が秀逸でしたね。

12. カンカ を交える  【干戈】  ○
13. カンカ不遇  【轗軻】 ○
 言わずもがなですが前者は 【干戈倥偬】【倒載干戈】 から正解できますし、後者はそのまま四字熟語。6度目になりますが、四字熟語は大事です。



(三)国字  10/10点

 無事、満点でした。



以下、「その2」に続きます。