ゴジラのスーツアクターのレジェンドの薩摩氏が亡くなった。なんと怪
獣スーツアクターのデビューはヘドラ(1971年)だという。当時は東宝
は東映まんがまつりに対抗した東宝チャンピオンまつりのために過去の
怪獣映画(非ゴジラ作品も含む)の短縮編集版を目玉にしていたが、新
作の必然性に迫られた。しかし、映画全盛期ほどの予算はかけられない。
仮面ライダーのヒットで魅力的なキャラであれば低予算でもヒットする
とスタッフは気づいてしまった部分も大きい…と思ったら同じ年の夏公
開なのでライダー人気はまだ確立してない。とにかく予算の都合で街中
セットは極力減らし怪獣格闘路線をメインにしたためインパクトの強い
敵怪獣を考える方に重点が置かれた。そのため当時の公害問題からヘド
ロの怪獣のヘドラが登場!薩摩氏は初めての怪獣経験でヨロヨロとした
動きが好評を博したそうだ。ゴジラは本来は完璧に悪役だった。この作
品を境に善役に変換…ではなく、ヘドラ以前に宇宙怪獣キングギドラを
追い返したり、ヘドラを倒した段階では悪役色は薄まったもののゴジラ
はまだ完全な正義キャラにはなっていない。「宇宙怪獣に人間の街が襲
われても知らないよ」という態度だったし、ヘドラを倒した直後に人間
達に「次はお前らが相手か?」とガンを飛ばしている。しかし、この機
に放射能の脅威は無視されてゴジラは正義の味方への設定変更がなりゆ
きで結実した。仮面ライダーのヒットと被る時期だったので、ライダー
世代イコール正義ゴジラの世代なので、1984年の新ゴジラ(タイトルは
ゴジラだがファンは新ゴジラと呼称)の頃には怪獣を卒業していた人は、
新ゴジラ以後の原点回帰の悪役化には違和感を感じる人が少なくないら
しい。薩摩氏は新ゴジラ以前は敵役や脇役怪獣を演じていたらしいがド
レを演じていたかはよく分からない。サンダーマスク(1972年)という
変身ヒーローもやっていた説もあり確認できない。ただ、薩摩氏に主役
のゴジラを殺りたい…いや演りたい気持ちが湧いてきたのは事実のよう
だ。続きを近く書きます。
~PS~
平成のゴジラシリーズは年末公開の作品が多いが封切った年では
なく明けた年の作品とされるようだ。確かに1999年公開でミレニ
アムである。12月上旬にSNルートの4店を廻ったので近くレポ
―ト予定。まぁ…大人にはサンタは来ないし。
● 平成ゴジラの薩摩剣八郎氏の追悼リンク集 ● - ゼロロク第2計画