1852 キタガワ時代の教え子とメンテナンス部門にいた人、二人で会社にやってきた。珍客到来である。彼らと話をするには8年ぶりだと思う。もう、彼らも40歳近くなっていて、それぞれ別の会社で、中堅としてやっているようだ。私よりはるかに、羽振りが良いようで、会社での自分の立場について、色々打ち明けてくれた。生活も安定している様子で、一時に、撤退や移転など、また、押出し部門の冷遇などの事は、既に遠い話になっている様子で、良かったと思う。それで、何が目的だったかというと、技術的なことです。押出成型の事は勿論だが、彼らが今関わっている管理に関することが多い。品質管理の製品ごとの管理のポイントについてが多い。
それはそれとして、世間話も合いま合い間にする。一般的に日本人は知らぬが仏の話だ。従業員のほとんどが黙認しているとか、協力している話だ。会社のものを持ち出してしまう話である。インドネシア人の本質、日本人の本質を着いている典型的な話だ。会社本位というよりインドネシア人社会本位という話です。
会社から物が消えるといことは、どの会社でも、日本人は気が付きます。それで、対策を講じます。典型的な音はCCTV(監視カメラ)です。これでもかと言わんばかりに、隅々まで、睨みを利かせようとする。しかし、ほとんど無駄です。効果は限定的です。従業員全員が加担するというか、協力しているのですから、映像をチェックして報告する担当者が見ないふりを磨るのです。そして、どうでもいい動きだけを報告するのです。これは、会社に対するささやかな嫌がらせだが、気が付いていなければ、厭がさせにならない、だから、自分たちの自己満足なためでしかないが、それが、インドネシア人にとっては必要な行為なのです。「どこの会社でもやっているよ」ということです。
点検の頻度を上げることも対策の一つです。しかし、報告は無くなっていないということにされて、無くなっているものは、経費で補充されます。原材料が抜かれるなんていうことは、日常茶飯事で、中には原材料会社に戻るということも在るから、やるなと思う。
そして、競争相手の会社に、日本人は負けまいとするが、インドネシア人はそうは、思っていない。それぞれの会社の秘密と言われる情報は、当たり前のように、筒抜けになっていて、インドネシア人の管理職同士は、定期的に食事会をするというか、情報交換会をするケースも多い。そして、お互いの会社の日本人の評価をし合うのです。どこの誰は、どんな事をやっている、などという話も、それぞれの会社の運転手同士だけの話ではなく、もっと、金額にまで、立ち入った話になるという。うまく立ち回れる人は、日本人からある程度のものを受け取りながら、情報を漏らさないふりをし、実際は、どんどん漏らしているというしたたかさもある。
日本人や日本企業にささやかな抵抗をしているのです。勿論程度の色々だし、例外の人もいるが、これは、インドネシア人の共通意識です。車上荒らしを側にいるセキュリティーが見て見ないふりをするのと同じ気持ちだと思う。
取り締まりでバイクを止められた男が振り切って逃げようとしたが、警察官に殴られ倒された現場です。
私が好きなことを知っていて来る途中で買って持ってきてくれたチェンペダック(Cempedak)を輪切りにしてみました。これでは実を取りだせないし食べにくい。何日か前の写真と比較してみてください。余計ですが、私は、最初、名前を聞いたときに、チンポダッコ、と聞こえた。実際、今、そういっても、最初何の事?という顔をされるが、すぐに、チュンペダックでしょ、と、分かってもらえる。
紛失 消える 共通意識