特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

√2^√2^√2^・・・・の極限

2020-05-24 17:27:24 | 解析(極限・数列)

1. まえがき

 √2^√2^√2^・・・・の極限を求める問題があった。これも、前の例と同じくこのまま
 では不正確な議論になるので検討した。

2. 計算

 この数列を定義しようとすると、つぎの2つ
    ① an+1=(√2)an , a₁=√2 , n≧1
    ② an+1=(an)√2 , a₁=√2 , n≧1
 が考えられる。しかし、②は発散する。

3. an+1=(√2)an , a₁=√2 のとき

    a₂/a₁=(√2)√2/√2 > √2/√2=1
    an+2/an+1=(√2)(an+1-an) 
 となる。つまり、an+1/an > 1 、つまり、an+1-an > 0 と仮定すれば、an+2/an+1 > 1 となる
 ので、帰納法から an は単調増加となる。また、
    a₁=√2 < 2 であり、an < 2 と仮定すると
    an+1=(√2)an < (√2)2=2
 となり、帰納法から an < 2 となる。つまり、上に有界となるから、an は収束する。この
 極限をaとすれば、a=(√2)a から、a=2 とわかる。a=4もこの解であるが an < 2 から除外
 できる。

4. an+1=(an)√2 , a₁=√2 のとき

 a₂/a₁=(√2)√2/√2≒1.15 > 1.1 である。an+1/an > 1.1 と仮定すると
    an+2/an+1=(an+1/an)√2 > 1.1√2 > 1.11.4 > 1.1
 となり、帰納法から
    an+1/an > 1.1 → an=(1.1)n√2 → ∞ (n → ∞)

 となるので、発散する。

以上



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