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特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

平面上の曲線の捩れ率が0であることの証明

2024-05-01 08:48:48 | 解析

平面上の曲線の捩れ率は0であるのは自明とも思えるがあえて証明してみる。

平面の式は 平面上の位置ベクトルをrpを定ベクトルとして
 rp=定数・・・・・・①
となる。

この平面上の曲線を、弧長パラメータsを使って r(s) として、①を微分すれば、tを接線単位ベク
トルとして
 tp=0・・・・②
もう一度微分して、nを主法線単位ベクトル、κ(≠0 とする)を曲率として
 κnp=0 → np=0・・・・③
となる。

ここで、従法線単位ベクトルを b (=t×n) とすると、公式と②③から
 p×b=p×(t×n)=(pn)t-(pt)n=0
となる。

つまり、pbは平行。つまり、bの方向はpと同じで一定。さらにbは単位ベクトルだから、b
定ベクトルとなる。すると捩れ率τは
 τ=-db/ds・n=0
となる。

以上


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x² 上の任意の2つの点の法線の交点の作る集合

2022-04-07 09:22:22 | 解析

1. まえがき

 前に、ex 上の任意の2つの点の法線の交点の作る集合を求める問題を考えた。ここでは x2 につい
 て計算する。


2. 計算

 (1) 交点の計算

  法線の傾きは -1/2x だから、x=a,b (≠0) での法線は
    y=-(1/2a)(x-a)+a2 , y=-(1/2b)(x-b)+b2 ・・・・・①
  その交点は、a≠b だから
    x=-2ab(a+b)=-2a{ (b+a/2)2-a2/4 }  ・・・・・②
    y=b(a+b)+1/2+a2 =(b+a/2)2+(3/4)a2+1/2  ( > 0 ) ・・・・③

  この x,y の領域を調べればよい。aを固定して、bを変化させたときを考える。すると、x,y の範
  囲は次のようになる。
    y≧(3/4)a2+1/2 で、b=-a/2 のとき、最小の y=(3/4)a2+1/2

    a > 0 のとき、x≦ a3/2 ( > 0) 、さらに、 b=-a/2 のとき、最大の x=a3/2 ( > 0)
    a < 0 のとき、x≧a3/2 ( < 0)、さらに、b=-a/2 のとき、最小の x=a3/2 ( < 0)
  は②③から明らか。


 (2) 交点の最下端の軌跡

  すると、法線の下部端の軌跡は b=-a/2 のときで
    x=a3/2 , y=(3/4)a2+1/2
  となり、

    y=(3/4)(2x)2/3+1/2 = 3(x/4)2/3 +1/2・・・・・・⑥
  となる。

 (3) 法線の包絡線


  別の観点から、法線①の前者の包絡線を考える。①をaで微分した式は
    0=-x/2a+2a → x=4a3 
  これを①に入れると
    y=2a2+1/2+a2=3a2+1/2=3(x/4)2/3+1/2 
  つまり、この包絡線は⑥と一致する。

  これらの曲線は図のように特異点で左右に分かれている。この特異点は
    x=0 , y=1/2
  となる。

  この図でが x2 で、が⑥の包絡線かつ、交点の最下部の軌跡、そして、ピンクが x=a=1
  における、法線と最下部の交点を作る x=-1/2a=1/2 の法線である。



 (4) 求める交点の範囲

  以上のことと包絡線と法線の関係から、求める領域はの法線の太い部分がなぞる部分、つまり
  赤の線の上のの部分となる(境界の部分も含むが、下記の理由により特異点は除かれる)。

  また、議論で除いた a=0 の場合は②③から x=0 , y≧1/2 の半直線になるが、最下部は a=b/2=0
  なので、交点を作る法線は同一になり、この特異点は除かれる。


以上


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e^x上の任意の2つの点の法線の交点の作る集合

2022-03-16 08:15:21 | 解析

1. まえがき

 ex 上の異なる任意の2つの点の法線の交点の作る集合を求める問題があった。はじめは検討の余
 地もないほど面倒だと思った。


2. 計算

 (1) 交点の計算

  法線の傾きは -e-x だから、x=a,b での法線は
    y=-e-a(x-a)+ea , y=-e-b(x-b)+eb ・・・・・①
  その交点は
    x=(ae-a-be-b)/(e-a-e-b)+(ea-eb)/(e-a-e-b)
     =a+(a-b)e-b/(e-a-e-b)-ea+b ・・・・・②
    y=-e-a { (a-b)e-b/(e-a-e-b)-ea+b }+ea 
     =-(a-b)e-a-b/(e-a-e-b)+ea+eb ・・・・③

  この x,yの領域を調べればよい。aを固定して、bを変化させたときを考える。すると
    x → -∞、y → +∞ (b → ±∞)
  となり、x,y とも極値を持つ。そして、この領域は ex の上側にあり、法線の傾きは負だから、
  法線の下側で端点がある。それは、xの極大、yの極小になるから、②③を微分して
    dx/db=(-1)e-b/(e-a-e-b)+(a-b) { (-1)e-b/(e-a-e-b)+e-b(-1)e-b/(e-a-e-b)2 }-ea+b=0

  両辺を -e-b/(e-a-e-b) で割って
    1+(a-b){ 1+e-b/(e-a-e-b) }-(e-a-e-b)ea+2b=0・・・・・④

    dy/db=e-a-b/(e-a-e-b)-(a-b){ -e-a-b/(e-a-e-b)+e-a-b(-1)e-b/(e-a-e-b)2 }+eb=0
  両辺を e-a-b/(e-a-e-b) で割って
    1+(a-b){ 1+e-b/(e-a-e-b) }+(e-a-e-b)ea+2b=0・・・・・⑤
  ④⑤から
    2(e-a-e-b)ea+2b=0 → a=b
  を得る。しかし、相異なる法線の交点なので、このとき、交点が存在するわけではない

 (2) 交点の最下端の軌跡

  すると②③から、法線の下部端はロピタルによって
    (a-b)/(e-a-e-b) → -1/e-b=-ea ( b → a)
  を使うと
    x=a-1-e2a ( < 0)
    y=e-a+2ea ( > 0)・・・・・・⑥
  となる。この曲線は交点の最下部の aのパラメータ表示で、図1,2 となる(図1,2の交点の詳
  細が不明なので拡大したものが図3)。





 (3) 法線の包絡線

  別の観点から、法線①の前者の包絡線を考える。①をaで微分した式は
    0=e-a(x-a)+e-a+ea → x=a-1-e2a 
  これを①に入れると
    y=-a-a(-1-e2a)+ea=e-a+2ea 
  つまり、この包絡線は⑥と一致する。

  これらの曲線は右下の特異点で上下に分かれている。この特異点は  x=a-1-e2a の極値
  となるから
    dx/da=0 → a=-(log2)/2=-0.346
    x=-log2/2-1-1/2=-1.846 , y=√2+2/√2=2.828 (⑥に代入して)
  となる。

  すると、この曲線の上側、図1は a < -0.346 、下側が a > -0.346 の範囲となるから、包絡線
  に接する法線は包絡線の接点で最下部となり、図3のようになる。

 (4) 求める交点の範囲

  以上のことから、求める領域は上下の曲線に囲まれた部分になるといいたいが、a=b の場合
  の⑥の交点は極限であり、実際は存在しないから、この領域から淵(境界)を取り除いたものに
  なる。

以上


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関数表記の欠点

2020-07-12 08:04:56 | 解析

1. まえがき

 関数表記 f(x) には、不明確さに起因する不具合が発生する。この要因は f(x)が関数を
 指すか値を指すかの区別ができないことにある。その例を示す。

2. 微分の不具合

 関数 f(x,y) としたとき、f(x²y, x+2y) の偏微分を
    (∂/∂x)f(x²y, x+2y)=fx(x²y, x+2y)2xy , (∂/∂y)f(x²y, x+2y)=fy(x²y, x+2y)2
 と書いたりする。しかし、正確には
    u=x²y ,  v=x+2y
 と変数変換したとして、連鎖律から
    (∂/∂x)f(x²y, x+2y)=fu(u, v)2xy={ fu(u, v)(u=x²y, v=x+2y) }2xy
    (∂/∂y)f(x²y, x+2y)=fv(u, v)2={ fv(u, v)(u=x²y, v=x+2y) }2
 のことである。

 昔、関数表記として
    f(▢₁, ▢₂)
 という表現を見たことがある。これを使えば
    (∂/∂x)f(x²y, x+2y)=f₁(▢₁, ▢₂)(▢₁=x²y, ▢₂=x+2y)2xy
    (∂/∂y)f(x²y, x+2y)=f₂(▢₁, ▢₂)(▢₁=x²y, ▢₂=x+2y)2
 として、u,vを使わなくても良い。

 ただ、こんなことをしていたら、面倒なだけでなので、結局、注意しながら、使う
 しかない。

3. あとがき

 ミクシンスキーの演算子法ではこのような不明確さのため関数を {f(x)}で表し、値と
 区別していた。

以上


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ある関数の偏微分の関係 (∂/∂x)ⁿf=(∂/∂y)ⁿ⁻¹(hⁿ∂f/∂y)

2019-04-30 11:40:48 | 解析

1.まえがき

 あるサイトに次の問題があった。∂f/∂x=∂xf=fx , g'(u)=dg(u)/du などと書く。

 [問題]ともにC級の関数f(x,y)とg(u)に対して
        h(x,y)=g(f(x,y))
     と定める。このとき
        f(x,y)=y+xh(x,y)
     となる関係を満たすとき、次の関係を証明せよ。
      (1) (∂f/∂x)(x,y)=h(x,y)(∂f/∂y)(x,y) が成り立つ。
      (2) ∀n∈N に対して (∂ⁿf/∂xⁿ)(x,y)=(∂ⁿ⁻¹/∂yⁿ⁻¹)(hⁿ∂f/∂y)(x,y)

2.証明

 (1) まず、
       f=y+xg(f)・・・・・①
  の両辺をxで偏微分すると
       fx=g+xg'fx ⇒ fx=g/(1-xg')・・・・②
  ①の両辺をyで偏微分すると
       fy=1+xg'fy ⇒ fy=1/(1-xg')
  ゆえに、fx=gfy (もとい、∂f/∂x=h∂f/∂y)・・・・③
  を得る。

 (2) ③を使って
     ∂yⁿ(gⁿfx)
       =∂yⁿ⁻¹(ngⁿ⁻¹g'fyfx+gⁿfxy)=∂yⁿ⁻¹{ngⁿ⁻¹g'(fx/g)fx+gⁿ∂x(fy)}
       =∂yⁿ⁻¹{ngⁿ⁻²g'fx²+gⁿ∂x(fx/g)}=∂yⁿ⁻¹{ngⁿ⁻²g'fx²+gⁿ(fxxg-fxg'fx)/g²}
       =∂yⁿ⁻¹{(n-1)gⁿ⁻²g'fx²+gⁿ⁻¹fxx}=∂yⁿ⁻¹{∂x(gⁿ⁻¹fx)}
       =∂x{∂yⁿ⁻¹(gⁿ⁻¹fx)}・・・④

  ③④を使って
     ∂yⁿ⁻¹(gⁿfy)=∂yⁿ⁻¹(gⁿ⁻¹fx)=∂x{∂yⁿ⁻²(gⁿ⁻²fx)}
  以降を帰納的に{}内のnを下げていけば
     ∂yⁿ⁻¹(gⁿfy)=∂xⁿ⁻¹{fx}=∂xⁿf
  を得る。これは求める式になる。

3.あとがき

 どうしてこのような関係を見つけるのか驚きである。何か役に立つのだろうか?

以上


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