1. はじめに
級数の収束に対して、面白い設問があったので紹介する。級数
S=Σ({a^(1/n)}-1) 、a≧0
は
0≦a<1 のとき、発散(-∞)
a=1 のとき、0に収束
a>1 のとき、発散(+∞)
2. 証明
a=0 のとき、Sの発散(-∞)は明らか。
a=1 のとき、Sは 0に収束は明らか。
以後、a>0 かつ a≠1、x≧0 とする。すると a^x>0
f(x)=a^x=exp((log a)x) とする。
f'(x)=(log a)a^x, f"(x)=(log a)²a^x だから、ティラー展開して
f(x)=1+(log a)x+(log a)²x²a^(θx) > 1+(log a)x (0<θ<1)
ここで、x=1/n として、
a^(1/n) - 1 > (log a)(1/n) ・・・・・①
(1) a>1 の時
(log a)>0 だから、①を使って 、S >Σ(log a)(1/n)=(log a)Σ(1/n) → ∞
したがって、Sは発散。
(2) 0<a<1 の時
b=1/a とおくと、b>1。 a^(1/n)<1 だから、S<0 なので、(-S)>0 の評価をする。
-S= -Σ({(1/b)^(1/n)} - 1)= Σ({b^(1/n)} - 1)/b^(1/n)
> Σ({b^(1/n)} -1)/b = (1/b)Σ({b^(1/n)} -1)
途中で、bⁿ>b>1 → b>b^(1/n) を使った。
ここで、最後の式は、(1) の結果を使用できて (-S)→∞となる。
つまり、S→ -∞ となり、発散する。
以上により、証明ができた。
3.別解
別解が載っていた。0<a<1 , a≠1 とする。
Σ[k=0,n-1] (a^(1/n))^k=( (a^{ (1/n) }^n - 1)/(a^(1/n) - 1)=(a-1)/(a^(1/n)-1)
ここで、a>1 のとき、a^k < a^n (k これは Σ[k=0,n-1] (a^(1/n))^k < Σ[k=0,n-1] a = na
元の式に入れると (a^(1/n)-1) > ((a-1)/a)/n
ここで注意は、(a^(1/n)-1) >0 , ((a-1)/a) >0 . 上の両辺にΣを取ると
Σ(1/n) → +∞ だから、与式は (+∞)に発散する。
次に、a<1 のとき、a^(k/n) < 1
これは Σ[k=0,n-1] (a^(1/n))^k < Σ[k=0,n-1] 1 = n
元の式に入れると (a^(1/n)-1) < ((a-1)/n=(1-a)(-1/n)
ここで注意は、(a^(1/n)-1) <0 , (a-1)<0 . 上の両辺にΣを取ると
Σ(-1/n) → -∞ だから、与式はは -∞に発散する。
以上
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