特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

x,y → 1 のとき、{ x(1-y^n)-y(1-x^n)-x^n+y^n }/{ (1-x)(1-y)(x-y) }の極限

2021-07-24 06:11:44 | 解析(二変数の極限)
x,y → 1 のとき、{ x(1-y^n)-y(1-x^n)-x^n+y^n }/{ (1-x)(1-y)(x-y) }の極限

u=x-1 , v=y-1 とおく。
するとu,v → 0
与式の分子、分母をA,B とすると
A=u-v-u(v+1)ⁿ+v(u+1)ⁿ
B=uv(u-v)

n=0 のとき、A=0 → A/B=0・・・・①
n=1 のとき、A=0 → A/B=0・・・・②
したがって、n≧2 とする。

A=u-v-uΣ[r=0,n] nCrv^r+vΣ[r=0,n] nCru^r
=u-v+Σ[r=0,n] nCr (vu^r-uv^r)
=u-v+Σ[r=0,n] nCr (vu^r-uv^r)
=u-v+(v-u)+n(vu-uv)+Σ[r=2,n] nCr (vu^r-uv^r)

=uvΣ[r=2,n] nCr (u^(r-1)-v^(r-1))
=(vu)Σ[r=1,n-1] nC(r+1) (u^r-v^r)

 ここで、r=1 のとき、u^r-v^r=u-v
r≧2 のとき、
  u^r-v^r=(u-v){u^(r-1)+u^(r-2)v+u^(r-3)v²+・・・
        +uv^(r-2)+v^(r-1)}
 だから
=(vu)(u-v){ nC₂・1+Σ[r=2,n-1] nC(r+1) {u^(r-1)+u^(r-2)v
        +u^(r-3)v²+・・・+uv^(r-2)+v^(r-1)}
となり

A/B=nC₂+Σ[r=2,n-1] nC(r+1) {u^(r-1)+u^(r-2)v
        +u^(r-3)v²+・・・+uv^(r-2)+v^(r-1)}
ここで u,v=0 とすると、Σ内の { } 内は0となるから

A/B → nC₂=n(n-1)/2
となる。

なお、この式は n=0,1 の結果①②も満たしている。

f(x,y)=(x²+y²)/(x-y) (x≠y) , f(x,y)=0 の (x,y)=(0,0) の連続性

2021-07-18 11:19:58 | 解析(二変数の極限)

f(x,y)=(x²+y²)/(x-y) (x≠y) , f(x,y)=0 (x=y) の連続性を調べる問題があった。

1.(x,y)=(0,0) のとき

 y=-x+x² とおくと、y=x は x=0 のみであり、x≠0 とする。すると x → 0 のとき
   f=(2x²-2x³+x⁴)/x²=2-2x+x² → 2 (≠0)
 なので、不連続。

2.x=y (≠0) のとき

 y=x+h とおき、h → 0 とすると
   f=(2x²+2hx+h²)/(-h)=2x²/h+2x+h → ±∞
 となり、不連続。

以上


ある RC回路の過渡現象

2021-07-17 15:12:22 | 電気一般
1.まえがき

 つぎ図のようなの RC回路の電流を求める問題があった。
 各コンデンサの初期電荷は0である。



2.計算

 回路式は
   Ri+q₁/C₁=E・・・・・・・・①
   q₁/C₁=R₂i₂+q₂/C₂
   i₁=q₁' , i₂=q₂'
   i=i₁+i₂ → i=q₁'+q₂'・・・・・②
 なので
   Rq₁'+q₁/C₁+Rq₂'=E , -q₁/C₁+R₂q₂'+q₂/C₂=0

 微分演算子Dを使うと
   (RD+1/C₁)q₁+RDq₂=E・・・・・④
   q₁/C₁=(R₂D+1/C₂)q₂ ・・・・・⑤
 ④に(R₂D+1/C₂)をとって、⑤を使うと
   (R₂D+1/C₂)(RD+1/C₁)q₁+RD{(R₂D+1/C₂)q₂}=(R₂D+1/C₂)E
  → {R₂RD²+(R/C₂+R₂/C₁)+1/C₁C₂}q₁+(R/C₁)Dq₁=E/C₂
  → {R₂RD²+(R/C₁+R/C₂+R₂/C₁)+1/C₁C₂}q₁=E/C₂
  → {D²+(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)+1/RR₂C₁C₂}q₁=E/RR₂C₂・・・・⑥

 ⑥の特殊解は代入すれば
   q₁=C₁E ・・・・・・・・・・⑦
 とすぐわかる。また、⑥の特性方程式は
   D=-(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)/2±√{(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)²/4-1/RR₂C₁C₂}・・・⑧

 ここでルート内を4倍したものは
   {(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)²-4/RR₂C₁C₂}
     =1/(R₂C₁)²+(2/R₂C₁)(1/R₂C₂+1/RC₁)+(1/R₂C₂+1/RC₁)²-4/RR₂C₁C₂
     =1/(R₂C₁)²+(2/R₂C₁)(1/R₂C₂+1/RC₁)+(1/R₂C₂-1/RC₁)² > 0

 となる。また、ルートは⑧から (1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)/2よりも小さいので
   p₁=(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)/2+√{(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)²/4-1/RR₂C₁C₂}
   p₂=(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)/2-√{(1/R₂C₁+1/R₂C₂+1/RC₁)²/4-1/RR₂C₁C₂}
 とおくと
   p₁>p₂>0
 となることもわかり、⑥の斉次式の一般解は公式よりわかり、⑦の特殊解も含め非斉
 次式の一般解は
   q₁=Aexp(-p₁t)+Bexp(-p₂t)・・・・・⑨
 となる。

 初期条件から
   q₁(0)=0=A+B・・・・⑩

 また、q₁(0)=q₂(0)=0 から、C₁, C₂の電圧は0であり、Rには Eの電圧がかかるから、
 i(0)=E/R である。C₁,C₂の電圧が0だから R₂の電圧も0であり、i₂(0)=0 となる。した
 がって、i₁(0)=i(0)-i₂(0)=E/R となる。

 すると⑨を微分して
   i₁(0)=E/R=-Ap₁-p₂B・・・・・⑪
 ⑩⑪から
   A=-E/{R(p₁-p₂)} , B=-A=E/{R(p₁-p₂)}
 まとめると
   q₁=( E/{R(p₁-p₂)} ){-exp(-p₁t)+exp(-p₂t)}=(E/R){1/(p₁-p₂)}{-exp(-p₁t)+exp(-p₂t)}
   i₁=(E/R){1/(p₁-p₂)}{p₁exp(-p₁t)-p₂exp(-p₂t)}

 ①から
   i=E/R-q₁/RC₁=E/R-(E/R){1/RC₁(p₁-p₂)}{-exp(-p₁t)+exp(-p₂t)}
    =(E/R)[ 1-( 1/{RC₁(p₁-p₂)} ){-exp(-p₁t)+exp(-p₂t)} ]
    =(E/R)[ 1+( 1/{RC₁(p₁-p₂)} ){exp(-p₁t)-exp(-p₂t)} ]

 ②から
   i₂=i-i₁=(E/R)[ 1 +{ 1/{RC₁(p₁-p₂)}-p₁/(p₁-p₂) }exp(-p₁t)
         +{ -1/{RC₁(p₁-p₂)}+p₂/(p₁-p₂) }exp(-p₂t) ]

   =(E/R)[ 1 +{ (1/RC₁-p₁)/(p₁-p₂) }exp(-p₁t)+{ -1/RC₁+p₂)/(p₁-p₂) }exp(-p₂t) ]
 となる。

以上

RC回路でオンオフを繰り返し、十分時間がたった時の電圧変化

2021-07-11 21:37:39 | 電気一般

1.まえがき

 図のような RC回路でスイッチの開閉を繰り返すとき、十分時間がたった時のCの電圧v
 を求める問題があった。

2.説明

 Cの電圧を v、C,Rの下向きの電流を i, j、Cの上側の電荷を +qとする。すると
   i=q'=Cv' , j=v/R
 となる。また
   E'=E/(1+r/R)
 とおく。

 t=0 で、閉から始まるとすると、以前は開なので
   v(0)=0
 で、時間間隔 Tで、スィッチSの開閉を行う。1組の閉開動作の回数を n=0,1,2,・・・と
 する。つまり、1組の動作時間は 2T となる。




3.閉の回路式(2nT≦t≦(2n+1)T のとき)

   r(i+j)+v=E → r(Cv'+v/R)+v=E → rCv'+(1+r/R)v=E
 この特殊解は v=E/(1+r/R)=E' とすぐわかり、斉次式の解はよく知られており、変数分離
 によるまでもなく、代入すればすぐわかるように

   v=E'+Aexp{-p(t-2nT)} , p=(1+r/R)/rC
 となる。

 初期電圧は t=2nT で v(2nT)だから
   v(2nT)=E'+A なので、A=v(2nT)-E'
 となる。したがって
   v=E'+{v(2nT)-E'}exp{-p(t-2nT)}・・・・・・・・①

4.開の回路式( (2n+1)T≦t≦(2n+2)T のとき )

   i=-j なので
   v=Rj=-Ri=-RCv'
 この解は同様に
   v=Aexp{-s(t-(2n+1)T)} , s=1/RC
 となる。

 初期電圧は t=(2n+1)T で v((2n+1)T)だから v((2n+1)T)=A なので
   v=v((2n+1)T)exp{-s(t-(2n+1)T)}・・・・・・・②

5.v(2nT) の計算

   v(0)=0

   v(T)=E'+{v(0)-E'}exp(-pT)=E'{1-exp(-pT)}・・・・・①から
   v(2T)=v(T)exp(-sT)=E'{1-exp(-pT)}exp(-sT)・・・・・②から
 一般に
   v((2n+1)T)=E'+{v(2nT)-E'}exp(-pT)・・・・・①から
       =E'{1-exp(-pT)}+v(2nT)exp(-pT)

   v((2n+2)T)=v((2n+1)T)exp(-sT)・・・・②から
       =[ E'{1-exp(-pT)}+v(2nT)exp(-pT) ]exp(-sT)
       =E'{1-exp(-pT)}exp(-sT)+v(2nT)exp{-(p+s)T}

   v((2n+2)T)-E'=E'{exp(-sT)-1}+{v(2nT)-E'}exp{-(p+s)T}
 となる。

 ここで、
   u(n)=v(2nT)-E' , a=E'{exp(-sT)-1} , b=exp{-(p+s)T}
 とおけば
   u(n+1)=a+bu(n) → u(n+1)-α=b(u(n)-α} , α=a/(1-b)
 となる。この解は
   u(n)=α+{u(0)-α}bⁿ (n≧0)
 となる。

 ここで、十分時間がたった時は n → ∞として
   b=exp{-(p+s)T}<1 なので、bⁿ → 0
 となる。したがって、
   u(n)=α=a/(1-b)=E'{exp(-sT)-1}/[1-exp{-(p+s)T}]
     =E'{1-exp(sT)}/{exp(sT)-exp(-pT)}

 をえる。戻すと
   v(2nT)=E'+u(n)=E'+E'{1-exp(sT)}/{exp(sT)-exp(-pT)}
      =E'{1-exp(-pT)}/{exp(sT)-exp(-pT)}・・・・・・・③

6.v((2n+1)T) の計算

 ②で t=(2n+2)Tとして

   v((2n+2)T)=v((2n+1)T)exp(-sT)
   → v((2n+1)T)=v((2n+2)T)exp(sT)=v(2nT)exp(sT)・・・・④

 ここで、③からnに依存しないので、 v(2nT)=v((2n+2)T) を使った。

 以上により、①と合わせて、④を使って、②を書き直すと
   v=E'+{v(2nT)-E'}exp{-p(t-2nT)} ( 2nT≦t≦(2n+1)T )
   v=v(2nT)exp(sT)exp{-s(t-(2n+1)T)} ( (2n+1)T≦t≦(2n+2)T )

 ここで、v(2nT)は③となる。

以上


2つの曲線 y=x² と y=(x-a)²/4 (a>0)で囲まれた領域で x+2y の最大最小値

2021-07-10 18:07:48 | 算数

1.まえがき

 2つの曲線 y=x² と y=(x-a)²/4 (a > 0)で囲まれた領域で z=x+2y の最大・最小値を求める
 問題があったが、
とても面倒だった。

2.準備1

 y=x² と y=(x-a)²/4 の交点は
   x=-a, a/3・・・・・・①
 この領域は三日月のような領域で、これを Dとする。上の点は両端になる。領域の境界
 を除いた内部 D゜の点を (x,y) とすると x<x', y<y' となる (x',y')∈D゜が存在する。同様に

 x' < x, y' つまり、x+2y の最大・最小は Dの境界にある。すると最大・最小は上の2つの
 境界線上の極値か端点(両端)のいずれかとなる。


 境界線での極値を求めると y=x² のとき
   z(x)=x+2y=x+2x² → z'(x)=1+4x=0 → x=-1/4
 すると
   z(-1/4)=-1/4+2(-1/4)²=-1/8・・・・・・②

 y=(x-a)²/4 のとき
   z(x)=x+2y=x+2(x-a)²/4 → z'(x)=1+(x-a)=0 → x=a-1
 すると
   z(a-1)=a-1+2(a-1-a)²/4=a-1/2・・・・・・・③
 となる。

 端点の値は、①から
   z(-a)= -a+2(-a)²=2a²-a=2a(a-1/2)・・・・・④
   z(a/3)=a/3+2(a/3)²=2a²/9+a/3=(2a/9)(a+3/2)・・・・⑤
 となる。

 したがって、これらの②~⑤の内から最大・最小を選べはよい。このとき、②は負、⑤
 は正であることに注意。また
   ③-④=a-1/2-(2a²-a)=-2(a²-a+1/4)=-2(a-1/2)²≦0
 なので常に
   ③≦④・・・・・・⑥

 また
   ②-④=-1/8-(2a²-a)=-2(a-1/4)²≦0
 なので常に
   ②≦④・・・・・・⑦

3.準備2

 ②③の極値は領域 Dに含まれない可能性があるので、これを検討する。
 ②が存在する場合は
   -a≦-1/4 → a≧1/4・・・・・・⑧
 となる。

 ③が存在する場合は
   -a≦a-1≦a/3 → 1/2≦a≦3/2・・・・・⑨
 となる。

4.最小値


 (1) ②が存在するとき
  ②は負、⑤は正なので、②③④の比較、⑦から、②③だけを比較すればよい。
    ②-③=-1/8-(a-1/2)=-a+3/8

  となる。③が存在すれば、1/2≦a から、-a+3/8< 0 → ②< ③。③が存在しなければ
  当然、最小値は②となる。つまり、いずれも最小値は②となり
    最小値は 1/4≦a → ②の -1/8
         
 (2) ②が存在せず、③が存在するとき
  ⑧⑨から、a< 1/4 かつ、1/2≦a≦3/2 となり、このような条件は無い。

 (3) ②③が存在しないとき
  ④⑤を比較すればよい。条件は a< 1/4 かつ (1/2 >a または a > 3/2) → a< 1/4 の
  ときとなり、

    ④-⑤=4a²-a-(2a²/9+a/3)=(34/9)a²-4a/3=(2a/9)(17a-6) < 0 (a < 1/4 から)
  したがって、
    最小値は a < 1/4 → ④の 4a²-a
  となる。

 (4) まとめると
    最小値は 1/4≦a → ②の -1/8
         a < 1/4 → ④の 4a²-a

5.最大値

 ⑤は正なので、最大値は③④⑤を比較すればよいが、⑥⑦から④⑤とだけ比較すれば
 よい。

   ④-⑤=4a²-a-(2a²/9+a/3)=(34/9)a²-4a/3=(2a/9)(17a-6)
 したがって、a > 6/17のとき、④ > ⑤となる。

 ゆえに、最大値は
   a > 6/17のとき、④で、4a²-a
   a≦6/17のとき、⑤で、2a²/9+a/3
 である。

以上