長方形の中心を通うる2直線が直交するとき、この直線によって、長方形は4つに分割される。この
とき、各面積が等しくなる条件を求める問題があった。
長方形の辺の長さを、2a,2b (a≧b) とし、その中心が原点にあるとする。また、2aの辺がx軸に平行
とす。a < b のときは、90゜回転すればよい。
分割線を
y=mx (m > 0) ・・・①
y=-x/m・・・・・・②
とする。
m=0 のときは同じ面積となるのは自明。・・・・・③
また、m < 0 の場合は、上下を反転すれば、議論は同一視できから、m > 0 としてよい。
1. ①が x=a と交わるとき
m≦b/a・・・・④
となる。
①とx=aの交点は y₁=ma、②は必ず y=±b と交わり、その交点は x₁=∓mb
これらの分割による面積は対称性から、右上のAと右下のBの分割のみを考えればよい。すると
A=ab-ay₁/2+b|x₁|/2=ab+(-a²+b²)m/2
B=ab+ay₁/2-b|x₁|/2=ab+(a²-b²)m/2
の2つを考えればよい。
すると、A=Bとなるのは a=bの時、つまり正方形のみであり、mには無関係。
2. ①②とも y=b と交わるとき
m≧b/a
-1/m≦-b/a
つまり、
b/a≦m≦a/b・・・・・⑤
となる。
①②が y=b と交わるのは
x₂=b/m, x₂'=-mb
となる。同様に分割面積は
A=b|x₂'|/2+bx₂/2=b²(m+1/m)/2
B=2ab-A=2ab-b²(m+1/m)/2
A=Bとなるのは
2ab=b²(m+1/m) → 2a/b=(m+1/m) → m=a/b±√{(a/b)²-1}
のとき。
まず、m=a/b+√{(a/b)²-1} > a/bなので⑤を満たさない。
また、
m=a/b-√{(a/b)²-1}=1/[a/b+√{(a/b)²-1}] < 1/(a/b)=b/a
となり、これも⑤を満たさない。
3. まとめ
上の2項の状態で mを増加すると、②は x=-a と交点を持つが左右を反転すれば1項の議論に
なり、以上ですべての検討が終わり、まとめると
同じ面積となるのは、分割線が、
・長方形(a≠b)のとき、x=0,y=0
・正方形のとき、分割線は任意(直交するが)
となる。
以上
1. まえがき
次の問題があった。
cosx+cos(x+y)=0・・・・①
siny+cos(x+y)=0・・・・②
を解け。
2. 計算
x,y → x±2nπ, y±2mπ としても与式は変わらないので
0≦ x,y < 2π
の範囲としても一般性は失わない。
両式から
cosx=siny・・・・③
①は和積の公式から
2cos(x+y/2)cos(y/2)=0
したがって、
x+y/2=π/2±nπ → x+y/2=π/2, 3π/2, 5π/2 (0~3πの範囲で) ・・・・・④
または
y/2=π/2±mπ → y=π・・・・⑤
④のときは③に入れて
cosx=siny=sin(<π,3π,5π>-2x)=sin(2x)=2sinxcosx
・・・変な記号だが π,3π,5πのうちどれかと 2xの差
→ cosx(1-2sinx)=0 → cosx=0 or sinx=1/2 → x=π/2, 3π/2, π/6, 5π/6
したがって、
x=π/2 のとき
y=<π,3π,5π>-2x=<π,3π,5π>-π=0 (0≦y < 2πの範囲で)
x=3π/2 のとき
y=<π,3π,5π>-2x=<π,3π,5π>-3π=0 (0≦y < 2πの範囲で)
x=π/6 のとき
y=<π,3π,5π>-π/3=2π/3
x=5π/6 のとき
y=<π,3π,5π>-5π/3=4π/3
結局
x=π/2, 3π/2 と y=0
あるいは
x=π/6, y=2π/3
あるいは
x=5π/6, y=4π/3
の組み合わせ。
つぎに、⑤のときも③にいれて
cosx=siny=0 → x=π/2, 3π/2
結局
x=π/2, 3π/2
y=π
の組み合わせ。
さらに、まとめると
x=π/2, 3π/2 と y=0, π (x,yは任意の組み合わせ)
あるいは
x=π/6, y=2π/3
あるいは
x=5π/6, y=4π/3
の組み合わせ。
以上
1. まえがき
関数 f(x)=x²-2ax+a+2 とx軸の交点が 1 < x < 3 の区間に1つだけあるときの aの条件を
求める問題があった。
2. 計算
1 < x < 3・・・・・①
f(x)=x²-2ax+a+2
とする。
f(x)とx軸の共通点は f(x)=0 だから
x=a±√(a²-a-2)・・・・②
であり、
a²-a-2=(a+1)(a-2)≧0
が必要。すると
(a≧-1 and a≧2) or (a≦-1 and a≦2) → a≧2 or a≦-1
となる。
1.1 a≦-1のとき
②の交点ののうち右側を考えると
a+√(a²-a-2) = a+√{(a-1/2)²-9/4} < a+√(a-1/2)²=a+|a-1/2|=a-(a-1/2)=1/2 < 1
となって、①の左端以下となり、交わらないのでこの範囲に交点は無い(当然、左側の
交点も)。
1.2 a≧2のとき
交点の左端の変化を見るため
g(a)=a-√(a²-a-2)
とおくと
g'(a)=1-(2a-1)/{2√(a²-a-2)}=1-(a-1/2)/√{(a-1/2)²-9/4}
< 1-(a-1/2)/|a-1/2|=1-1 = 0 (a-1/2 > 0)
となり、g(a)は単調減少となるので、①の左端に一致する値は1つしかなく
g(a)=1 → a=3
となる。つまり、
2≦a<3 (a=3は一致するので除く)・・・・・③
のとき、交点の左端は①の範囲にある。
つぎに、交点の右端の変化を見るため
h(a)=a+√(a²-a-2)
とおくと、
h'(a)=1+(2a-1)/{2√(a²-a-2)} > 0
なので、単調増加となるので、①の右端に一致する値は1つしかなく
h(a)=3 → a=11/5
つまり、
2≦a < 11/5 ・・・・・ ④
のとき、交点の右端は①の範囲にある。
なお、
a=2・・・・⑤
のとき、x=2 でx軸との交点は1つのみとなる。
1.3 まとめ
以上の③④⑤をまとめると、求める aの範囲はまず、⑤から
a=2・・・・・⑥
がある。
さらに
2 < a < 11/5
のとき、は2つの交点があり、条件を満たさない。
11/5≦a < 3・・・・⑦
の時は f(x)の左側の交点のみとなり、条件を満たす。結局、⑥⑦が求める aの範囲となる。
以上
1. まえがき
点A(0,1)とB(1,1)を結ぶ線分をABとする。この線分が、円 x2+y2-2ax-2by-1=0 外部にある a,b
の範囲を a-b平面に図示せよ、という問題があった。
2. 計算
この円は
(x-a)2+(y-b)2=a2+b2+1
であり、この中心は (a,b)、半径は √(a2+b2+1) となる。
線分ABを (x,1) (0≦x≦1) とする。
2.1 (a,b)が第1,2象限のとき (b≧0)
円の中心からA点(0,1)までの距離の2乗は、b≧0 から
(0-a)²+(1-b)²=a²+1-2b+b²≦a²+1+b²
なので、A点は円に含まれる (等号成立は b=0 のとき)。
2.2 (a,b)が第3象限の時 (a≦0, b<0)
円の中心からABの1点(x,1) (0≦x≦1) までの距離の2乗は、a≦0, b<0 から
(x-a)²+(1-b)²=x²+2|a|x+a²+1+2|b|+b²≧a²+1+2|b|+b² > a²+1+b²
なので、ABの全体が円の半径外にある。
2.3 (a,b)が第4象限の時 (a>0, b<0)
円の中心からABの1点(x,1) (0≦x≦1) までの距離の2乗は、から
(x-a)²+(1-b)²=x²-2ax+a²+1-2b+b²
なので、
x²-2ax-2b≦0・・・・・・①
となるxが存在すれば
(x-a)²+(1-b)²=x²-2ax+a²+1-2b+b²≦a²+1+b²
となって、ABの1部は円の半径内にある。
①を満たすには
x=a±√(a²+2b)
が存在することであり、まず、判別式
a²+2b≧0 → b≧-a²/2・・・・②
の必要がある。また、0≦x≦1 だから、上の x の小さい方が1以下で a > 0 , b < 0 だから
a-√(a²+2b)≦1 → a-1≦√(a²+2b)・・・・・③
となる。ただ、
a≦1・・・・・④
ならば、この関係は満たされている。つまり、条件は②のみとなる。a > 1 のとき③を2乗して
b≧-a+1/2・・・・・⑤
となるが、a > 1 のとき
-a+1/2>-a²/2
だから、⑤のみとなる。
まとめると、
(0< a≦1 かつ b≧-a²/2) または (a > 1 かつ b≧-a+1/2)
のとき、円はABの1部でも含む。
したがって、
(0 < a≦1 かつ b < -a²/2) または (a > 1 かつ b < -a+1/2)
のとき、ABは円の外にある。
2.4 まとめ
ABが円の外にあるのは、a軸を除いた第3象限と第4象限の
0 < a≦1 かつ b < -a²/2
または
a > 1 かつ b < -a+1/2
の範囲となる。
2.5 追記
4象限以外は簡単に検討できる方法が提示されていた。
円と直線 y=1 の交点 ABの範囲 0≦x≦1 となることを確かめればよい。交点は円で
y=1 とすれば
x²-2ax-2b=0
となる。この解は
x=a±√(a²+2b)・・・・・・⑥
である。
第1、2象限、b≧0 のとき、根号内は0以上で、①の解は存在し、√(a²+2b)≧|a| なので、
2根は正負となり、その間に必ず0となる点が存在する。これは点Aなので、これらの象
限は範囲外となる。
b=0 の時も、x=a±|a| となり、点A x=0 を必ず含む。
第3象限、a,b<0 のときは √(a²+2b) < |a| なので、⑥は2つとも負なので、ABの範囲には
ない。また、a²+2b < 0 のときは、解自体が無く交点は無い。
以上
1. まえがき
円 x²+y²=1 の外部にある点 P(a,b) から、その円への接線との交点の中点をQとする。Pが
y=-x+1
または
(x+1)²+(y+1)²=2
を移動するとき、Qの軌跡を求めよという問題があった。
2. 中点Qの座標の計算
指定の円上の点(x',y')を通る接線は
x'x+y' y=1
これが、P(a,b)を通るから
ax'+by'=1・・・・・①
また y'=±√(1-x'²) だから
ax'±b√(1-x'²)=1 → (ax'-1)²=b²(1-x'²) → (a²+b²)x'²-2ax'+(1-b²)=0 → x'={a±√(a²+b²-1)}/(a²+b²)
ここで、x'の点は2つあるとき、その中点を (u,v) とすると
u=(x'₁+x'₂)/2=a/(a²+b²)・・・・②
となる。
①において、ax',by'は対称だから、中点 vは②において、a → b としたものになるから
v=b/(a²+b²)・・・・③
となる。
②③から
v/u=b/a , au+bv=1・・・・④
をえる。
3. 点Pの軌跡が y=-x+1のとき
点Pは (a,b)=(x,1-x) だから、④で、a,bを消して
v/u=(1-x)/x=(1/x)-1 → x=1/((v/u)+1)=u/(u+v)
xu+(1-x)v=1
となる。これらから、xを消すと
{u/(u+v)}u+{1-u/(u+v)}v=1 → u²+(u+v)v-uv=u+v → u²+v²-u-v=0
→ (u-1/2)²+(v-1/2)²=1/2
という円(の一部、元の円の内部のときは無い)になる。
4. 点Pの軌跡が (x+1)²+(y+1)²=2 のとき
点Pは (a,b)=(x, -1±√{2-(x+1)²}) だから、同様に④から
v/u=b/a=[-1±√{2-(x+1)²}]/x・・・・・⑤
xu+{-1±√{2-(x+1)²}v=1
これらから {-1±√{2-(x+1)²} を消すと
xu+xv²/u=1 → x=u/(u²+v²)・・・・・⑥
また、⑤で±√ で整理して、2乗を取ると
(xv/u+1)²=2-(x+1)² → (v²/u²+1)x²+2(v/u+1)x=0
→ x=0 or x=-2(v/u+1)/(v²/u²+1)=-2u(v+u)/(v²+u²)
⑥と合わせると
u=0
または u≠0 とすると
u/(u²+v²)=-2u(v+u)/(v²+u²) → v+u=0・・・・⑦
ここで、②から、u=0 → 常に a=0 となるが、aは円の軌跡なので、aは常に0ではなく、
u=0 は無い。したがって、解は⑦の直線(の一部)のみとなる。
以上