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特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

長方形の中心を通り、直交する2直線によって、等分割する問題

2024-05-01 07:09:42 | 算数

長方形の中心を通うる2直線が直交するとき、この直線によって、長方形は4つに分割される。この
とき、各面積が等しくなる条件を求める問題があった。

長方形の辺の長さを、2a,2b (a≧b) とし、その中心が原点にあるとする。また、2aの辺がx軸に平行
とす。a < b のときは、90゜回転すればよい。

分割線を
 y=mx (m > 0) ・・・①
 y=-x/m・・・・・・②
とする。

m=0 のときは同じ面積となるのは自明。・・・・・③

また、m < 0 の場合は、上下を反転すれば、議論は同一視できから、m > 0 としてよい。


1.  ①が x=a と交わるとき
  m≦b/a・・・・④
 となる。
 ①とx=aの交点は y₁=ma、②は必ず y=±b と交わり、その交点は x₁=∓mb
 これらの分割による面積は対称性から、右上のAと右下のBの分割のみを考えればよい。すると
  A=ab-ay₁/2+b|x₁|/2=ab+(-a²+b²)m/2
  B=ab+ay₁/2-b|x₁|/2=ab+(a²-b²)m/2
 の2つを考えればよい。

 すると、A=Bとなるのは a=bの時、つまり正方形のみであり、mには無関係。

2.  ①②とも y=b と交わるとき
  m≧b/a
  -1/m≦-b/a
 つまり、
  b/a≦m≦a/b・・・・・⑤
 となる。

 ①②が y=b と交わるのは
  x₂=b/m, x₂'=-mb
 となる。同様に分割面積は
  A=b|x₂'|/2+bx₂/2=b²(m+1/m)/2
  B=2ab-A=2ab-b²(m+1/m)/2
 A=Bとなるのは
  2ab=b²(m+1/m) → 2a/b=(m+1/m) → m=a/b±√{(a/b)²-1}
 のとき。

 まず、m=a/b+√{(a/b)²-1} > a/bなので⑤を満たさない。
 また、
   m=a/b-√{(a/b)²-1}=1/[a/b+√{(a/b)²-1}] < 1/(a/b)=b/a
 となり、これも⑤を満たさない。

3. まとめ
 上の2項の状態で mを増加すると、②は x=-a と交点を持つが左右を反転すれば1項の議論に
 なり、以上ですべての検討が終わり、まとめると

 同じ面積となるのは、分割線が、
  ・長方形(a≠b)のとき、x=0,y=0
  ・正方形のとき、分割線は任意(直交するが)
 となる。

以上


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sin/cosを含む連立方程式の解法

2023-02-02 13:59:24 | 算数

1. まえがき

 次の問題があった。
   cosx+cos(x+y)=0・・・・①
   siny+cos(x+y)=0・・・・②
 を解け。

2. 計算

 x,y → x±2nπ, y±2mπ としても与式は変わらないので
   0≦ x,y < 2π
 の範囲としても一般性は失わない。

 両式から
   cosx=siny・・・・③
 ①は和積の公式から
   2cos(x+y/2)cos(y/2)=0
 したがって、
   x+y/2=π/2±nπ → x+y/2=π/2, 3π/2, 5π/2 (0~3πの範囲で) ・・・・・④
 または
   y/2=π/2±mπ → y=π・・・・⑤

 ④のときは③に入れて
   cosx=siny=sin(<π,3π,5π>-2x)=sin(2x)=2sinxcosx
       ・・・変な記号だが π,3π,5πのうちどれかと 2xの差
   → cosx(1-2sinx)=0 → cosx=0 or sinx=1/2 → x=π/2, 3π/2, π/6, 5π/6

 したがって、
 x=π/2 のとき
   y=<π,3π,5π>-2x=<π,3π,5π>-π=0 (0≦y < 2πの範囲で)
 x=3π/2 のとき
   y=<π,3π,5π>-2x=<π,3π,5π>-3π=0 (0≦y < 2πの範囲で)
 x=π/6 のとき
   y=<π,3π,5π>-π/3=2π/3
 x=5π/6 のとき
   y=<π,3π,5π>-5π/3=4π/3

 結局
   x=π/2, 3π/2 と y=0
 あるいは
   x=π/6, y=2π/3
 あるいは
   x=5π/6, y=4π/3
 の組み合わせ。

 つぎに、⑤のときも③にいれて
   cosx=siny=0 → x=π/2, 3π/2
 結局
   x=π/2, 3π/2
   y=π
 の組み合わせ。

 さらに、まとめると
   x=π/2, 3π/2 と y=0, π (x,yは任意の組み合わせ)
 あるいは
   x=π/6, y=2π/3
 あるいは
   x=5π/6, y=4π/3
 の組み合わせ。

以上


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関数 f(x)=x²-2ax+a+2 とx軸の交点が 1<x<3 の区間に1つだけあるときの aの条件

2022-10-01 08:00:48 | 算数

1. まえがき

 関数 f(x)=x²-2ax+a+2 とx軸の交点が 1 < x < 3 の区間に1つだけあるときの aの条件を
 求める問題があった。

2. 計算

    1 < x < 3・・・・・①
    f(x)=x²-2ax+a+2
 とする。

 f(x)とx軸の共通点は f(x)=0 だから
    x=a±√(a²-a-2)・・・・②
 であり、
    a²-a-2=(a+1)(a-2)≧0
 が必要。すると
    (a≧-1 and a≧2) or (a≦-1 and a≦2) → a≧2 or a≦-1
 となる。

 1.1 a≦-1のとき

  ②の交点ののうち右側を考えると
    a+√(a²-a-2) = a+√{(a-1/2)²-9/4} < a+√(a-1/2)²=a+|a-1/2|=a-(a-1/2)=1/2 < 1
  となって、①の左端以下となり、交わらないのでこの範囲に交点は無い(当然、左側の
  交点も)。

 1.2 a≧2のとき

  交点の左端の変化を見るため
    g(a)=a-√(a²-a-2)
  とおくと
    g'(a)=1-(2a-1)/{2√(a²-a-2)}=1-(a-1/2)/√{(a-1/2)²-9/4}
       < 1-(a-1/2)/|a-1/2|=1-1 = 0 (a-1/2 > 0)
  となり、g(a)は単調減少となるので、①の左端に一致する値は1つしかなく
    g(a)=1 → a=3
  となる。つまり、
    2≦a<3 (a=3は一致するので除く)・・・・・③
  のとき、交点の左端は①の範囲にある。

  つぎに、交点の右端の変化を見るため
    h(a)=a+√(a²-a-2)
  とおくと、
    h'(a)=1+(2a-1)/{2√(a²-a-2)} > 0
  なので、単調増加となるので、①の右端に一致する値は1つしかなく
    h(a)=3 → a=11/5
  つまり、
    2≦a < 11/5 ・・・・・ ④
  のとき、交点の右端は①の範囲にある。

  なお、
    a=2・・・・⑤
  のとき、x=2 でx軸との交点は1つのみとなる。



 1.3 まとめ

  以上の③④⑤をまとめると、求める aの範囲はまず、⑤から
    a=2・・・・・⑥
  がある。

  さらに
    2 < a < 11/5
  のとき、は2つの交点があり、条件を満たさない。
    11/5≦a < 3・・・・⑦
  の時は f(x)の左側の交点のみとなり、条件を満たす。結局、⑥⑦が求める aの範囲となる。

以上


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ある線分とパラメータa,bで表される円があるとき、円が線分を含まないa,bの範囲

2022-07-30 08:31:03 | 算数

1. まえがき

 点A(0,1)とB(1,1)を結ぶ線分をABとする。この線分が、円 x2+y2-2ax-2by-1=0 外部にある a,b
 の範囲を a-b平面に図示せよ、という問題があった。

2. 計算

 この円は
    (x-a)2+(y-b)2=a2+b2+1
 であり、この中心は (a,b)、半径は √(a2+b2+1) となる。

 線分ABを (x,1) (0≦x≦1) とする。

 2.1 (a,b)が第1,2象限のとき (b≧0)

  円の中心からA点(0,1)までの距離の2乗は、b≧0 から
    (0-a)²+(1-b)²=a²+1-2b+b²≦a²+1+b²
  なので、A点は円に含まれる (等号成立は b=0 のとき)。

 2.2 (a,b)が第3象限の時 (a≦0, b<0)

  円の中心からABの1点(x,1) (0≦x≦1) までの距離の2乗は、a≦0, b<0 から
    (x-a)²+(1-b)²=x²+2|a|x+a²+1+2|b|+b²≧a²+1+2|b|+b² > a²+1+b²
  なので、ABの全体が円の半径外にある。

 2.3 (a,b)が第4象限の時 (a>0, b<0)

  円の中心からABの1点(x,1) (0≦x≦1) までの距離の2乗は、から
    (x-a)²+(1-b)²=x²-2ax+a²+1-2b+b²
  なので、
    x²-2ax-2b≦0・・・・・・①
  となるxが存在すれば
    (x-a)²+(1-b)²=x²-2ax+a²+1-2b+b²≦a²+1+b²
  となって、ABの1部は円の半径内にある。

  ①を満たすには
    x=a±√(a²+2b)
  が存在することであり、まず、判別式
    a²+2b≧0 → b≧-a²/2・・・・②
  の必要がある。また、0≦x≦1 だから、上の x の小さい方が1以下で a > 0 , b < 0 だから
    a-√(a²+2b)≦1 → a-1≦√(a²+2b)・・・・・③
  となる。ただ、
    a≦1・・・・・④
  ならば、この関係は満たされている。つまり、条件は②のみとなる。a > 1 のとき③を2乗して
    b≧-a+1/2・・・・・⑤
  となるが、a > 1 のとき
    -a+1/2>-a²/2
  だから、⑤のみとなる。

  まとめると、
    (0< a≦1 かつ b≧-a²/2) または (a > 1 かつ b≧-a+1/2)
  のとき、円はABの1部でも含む。

  したがって、
    (0 < a≦1 かつ b < -a²/2)  または  (a > 1 かつ b < -a+1/2)
  のとき、ABは円の外にある。

 2.4 まとめ

  ABが円の外にあるのは、a軸を除いた第3象限と第4象限の
    0 < a≦1 かつ b < -a²/2
  または
    a > 1 かつ b < -a+1/2
  の範囲となる。

 2.5 追記

  4象限以外は簡単に検討できる方法が提示されていた。

  円と直線 y=1 の交点 ABの範囲 0≦x≦1 となることを確かめればよい。交点は円で
  y=1 とすれば
    x²-2ax-2b=0
  となる。この解は
    x=a±√(a²+2b)・・・・・・⑥
  である。

  第1、2象限、b≧0 のとき、根号内は0以上で、①の解は存在し、√(a²+2b)≧|a| なので、
  2根は正負となり、その間に必ず0となる点が存在する。これは点Aなので、これらの象
  限は範囲外となる。

  b=0 の時も、x=a±|a| となり、点A x=0 を必ず含む。

  第3象限、a,b<0 のときは √(a²+2b) < |a| なので、⑥は2つとも負なので、ABの範囲には
  ない。また、a²+2b < 0 のときは、解自体が無く交点は無い。

以上


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円の外部にある点Pから、その円への接線との交点の中点をQとする。Pが移動するときのQの軌跡

2022-07-08 09:50:09 | 算数

1. まえがき

 円 x²+y²=1 の外部にある点 P(a,b) から、その円への接線との交点の中点をQとする。Pが
    y=-x+1
 または
    (x+1)²+(y+1)²=2
 を移動するとき、Qの軌跡を求めよという問題があった。

2. 中点Qの座標の計算

 指定の円上の点(x',y')を通る接線は
    x'x+y' y=1
 これが、P(a,b)を通るから
    ax'+by'=1・・・・・①
  また  y'=±√(1-x'²) だから
    ax'±b√(1-x'²)=1 → (ax'-1)²=b²(1-x'²) → (a²+b²)x'²-2ax'+(1-b²)=0 → x'={a±√(a²+b²-1)}/(a²+b²)
  ここで、x'の点は2つあるとき、その中点を (u,v) とすると
    u=(x'₁+x'₂)/2=a/(a²+b²)・・・・②
  となる。

  ①において、ax',by'は対称だから、中点 vは②において、a → b としたものになるから
    v=b/(a²+b²)・・・・③
  となる。

  ②③から
    v/u=b/a , au+bv=1・・・・④
  をえる。

3. 点Pの軌跡が y=-x+1のとき

 点Pは (a,b)=(x,1-x) だから、④で、a,bを消して
    v/u=(1-x)/x=(1/x)-1 → x=1/((v/u)+1)=u/(u+v)
    xu+(1-x)v=1
 となる。これらから、xを消すと
    {u/(u+v)}u+{1-u/(u+v)}v=1 → u²+(u+v)v-uv=u+v → u²+v²-u-v=0
   → (u-1/2)²+(v-1/2)²=1/2
 という円(の一部、元の円の内部のときは無い)になる。


4. 点Pの軌跡が (x+1)²+(y+1)²=2 のとき

 点Pは (a,b)=(x, -1±√{2-(x+1)²}) だから、同様に④から
    v/u=b/a=[-1±√{2-(x+1)²}]/x・・・・・⑤
    xu+{-1±√{2-(x+1)²}v=1
 これらから {-1±√{2-(x+1)²} を消すと
    xu+xv²/u=1 → x=u/(u²+v²)・・・・・⑥

 また、⑤で±√ で整理して、2乗を取ると
    (xv/u+1)²=2-(x+1)² → (v²/u²+1)x²+2(v/u+1)x=0
   → x=0 or x=-2(v/u+1)/(v²/u²+1)=-2u(v+u)/(v²+u²)

 ⑥と合わせると
    u=0
 または u≠0 とすると
    u/(u²+v²)=-2u(v+u)/(v²+u²) → v+u=0・・・・⑦

 ここで、②から、u=0 → 常に a=0 となるが、aは円の軌跡なので、aは常に0ではなく、
 u=0 は無い。したがって、解は⑦の直線(の一部)のみとなる。

以上


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