∫-∞∞ xsin(ex)dx の収束を示す問題があった。
u=ex と変換すると
I=∫-∞∞ xsin(ex)dx=∫0∞ logu sinu du/u
ここで
A=∫01 logx (sinx/x) dx
B=∫1π logx sinx dx/x
C=∫π∞ {(logx)/x} sinx dx
とすると、I=A+B+Cであり、各部分の収束を示せばよい。Bの収束は閉区間の連続関数
の積分だから積分の存在は自明。したがって、A,Cの収束を証明すればよい。
1.Aの収束
sinx /x < 1 (x>0) はよく知られている。logx≦0 (0<x≦1) だから
logx(sinx/x)≧logx
したがって
0≧A≧∫01 logx dx=[xlogx-x]10=-1 (xlogx → 0 はロピタルの定理から周知)
となり、収束する。
2.Cの収束
Cn=(-1)n∫nπ(n+1)π {(logx)/x} sinx dx
とおくと
(-1)n sinx ≧ 0 ( nπ≦x≦(n+1)π) だから、Cn≧0・・・・①
また
C=Σn=1∞ (-1)nCn・・・・・②
Cn+1-Cn=(-1)n+1∫(n+1)π(n+2)π {(logx)/x} sinx dx-(-1)n∫nπ(n+1)π {(logx)/x} sinx dx
右辺第一項を y=x-πと変換すると
Cn+1-Cn=(-1)n+1∫nπ(n+1)π {(log(y+π)/(y+π)} sin(y+π) dy
-(-1)n∫nπ(n+1)π {(logx)/x} sinx dx
=(-1)n∫nπ(n+1)π {(log(y+π)/(y+π)} siny dy-(-1)n∫nπ(n+1)π {(logx)/x} sinx dx
=∫nπ(n+1)π [ {(log(x+π)/(x+π)}-(logx)/x ] (-1)nsinx dx・・・・・③
ここで、f(x)=logx/x とすると
f'=1/x²-logx/x²=(1-logx)/x²<0 (logx>1, x≧πにおいて )
となり、fは減少関数だから
[ {(log(x+π)/(x+π)}-(logx)/x ]≦0
と①から、③の被積分関数は負になり、
Cn+1-Cn≦0
となる。
結局②に戻って、Cn は0以上の減少数列であり、Cは交代級数の和なので、アーベル
の定理により収束する。
以上