特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

ある線分とパラメータa,bで表される円があるとき、円が線分を含まないa,bの範囲

2022-07-30 08:31:03 | 算数

1. まえがき

 点A(0,1)とB(1,1)を結ぶ線分をABとする。この線分が、円 x2+y2-2ax-2by-1=0 外部にある a,b
 の範囲を a-b平面に図示せよ、という問題があった。

2. 計算

 この円は
    (x-a)2+(y-b)2=a2+b2+1
 であり、この中心は (a,b)、半径は √(a2+b2+1) となる。

 線分ABを (x,1) (0≦x≦1) とする。

 2.1 (a,b)が第1,2象限のとき (b≧0)

  円の中心からA点(0,1)までの距離の2乗は、b≧0 から
    (0-a)²+(1-b)²=a²+1-2b+b²≦a²+1+b²
  なので、A点は円に含まれる (等号成立は b=0 のとき)。

 2.2 (a,b)が第3象限の時 (a≦0, b<0)

  円の中心からABの1点(x,1) (0≦x≦1) までの距離の2乗は、a≦0, b<0 から
    (x-a)²+(1-b)²=x²+2|a|x+a²+1+2|b|+b²≧a²+1+2|b|+b² > a²+1+b²
  なので、ABの全体が円の半径外にある。

 2.3 (a,b)が第4象限の時 (a>0, b<0)

  円の中心からABの1点(x,1) (0≦x≦1) までの距離の2乗は、から
    (x-a)²+(1-b)²=x²-2ax+a²+1-2b+b²
  なので、
    x²-2ax-2b≦0・・・・・・①
  となるxが存在すれば
    (x-a)²+(1-b)²=x²-2ax+a²+1-2b+b²≦a²+1+b²
  となって、ABの1部は円の半径内にある。

  ①を満たすには
    x=a±√(a²+2b)
  が存在することであり、まず、判別式
    a²+2b≧0 → b≧-a²/2・・・・②
  の必要がある。また、0≦x≦1 だから、上の x の小さい方が1以下で a > 0 , b < 0 だから
    a-√(a²+2b)≦1 → a-1≦√(a²+2b)・・・・・③
  となる。ただ、
    a≦1・・・・・④
  ならば、この関係は満たされている。つまり、条件は②のみとなる。a > 1 のとき③を2乗して
    b≧-a+1/2・・・・・⑤
  となるが、a > 1 のとき
    -a+1/2>-a²/2
  だから、⑤のみとなる。

  まとめると、
    (0< a≦1 かつ b≧-a²/2) または (a > 1 かつ b≧-a+1/2)
  のとき、円はABの1部でも含む。

  したがって、
    (0 < a≦1 かつ b < -a²/2)  または  (a > 1 かつ b < -a+1/2)
  のとき、ABは円の外にある。

 2.4 まとめ

  ABが円の外にあるのは、a軸を除いた第3象限と第4象限の
    0 < a≦1 かつ b < -a²/2
  または
    a > 1 かつ b < -a+1/2
  の範囲となる。

 2.5 追記

  4象限以外は簡単に検討できる方法が提示されていた。

  円と直線 y=1 の交点 ABの範囲 0≦x≦1 となることを確かめればよい。交点は円で
  y=1 とすれば
    x²-2ax-2b=0
  となる。この解は
    x=a±√(a²+2b)・・・・・・⑥
  である。

  第1、2象限、b≧0 のとき、根号内は0以上で、①の解は存在し、√(a²+2b)≧|a| なので、
  2根は正負となり、その間に必ず0となる点が存在する。これは点Aなので、これらの象
  限は範囲外となる。

  b=0 の時も、x=a±|a| となり、点A x=0 を必ず含む。

  第3象限、a,b<0 のときは √(a²+2b) < |a| なので、⑥は2つとも負なので、ABの範囲には
  ない。また、a²+2b < 0 のときは、解自体が無く交点は無い。

以上



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