特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

円の外部にある点Pから、その円への接線との交点の中点をQとする。Pが移動するときのQの軌跡

2022-07-08 09:50:09 | 算数

1. まえがき

 円 x²+y²=1 の外部にある点 P(a,b) から、その円への接線との交点の中点をQとする。Pが
    y=-x+1
 または
    (x+1)²+(y+1)²=2
 を移動するとき、Qの軌跡を求めよという問題があった。

2. 中点Qの座標の計算

 指定の円上の点(x',y')を通る接線は
    x'x+y' y=1
 これが、P(a,b)を通るから
    ax'+by'=1・・・・・①
  また  y'=±√(1-x'²) だから
    ax'±b√(1-x'²)=1 → (ax'-1)²=b²(1-x'²) → (a²+b²)x'²-2ax'+(1-b²)=0 → x'={a±√(a²+b²-1)}/(a²+b²)
  ここで、x'の点は2つあるとき、その中点を (u,v) とすると
    u=(x'₁+x'₂)/2=a/(a²+b²)・・・・②
  となる。

  ①において、ax',by'は対称だから、中点 vは②において、a → b としたものになるから
    v=b/(a²+b²)・・・・③
  となる。

  ②③から
    v/u=b/a , au+bv=1・・・・④
  をえる。

3. 点Pの軌跡が y=-x+1のとき

 点Pは (a,b)=(x,1-x) だから、④で、a,bを消して
    v/u=(1-x)/x=(1/x)-1 → x=1/((v/u)+1)=u/(u+v)
    xu+(1-x)v=1
 となる。これらから、xを消すと
    {u/(u+v)}u+{1-u/(u+v)}v=1 → u²+(u+v)v-uv=u+v → u²+v²-u-v=0
   → (u-1/2)²+(v-1/2)²=1/2
 という円(の一部、元の円の内部のときは無い)になる。


4. 点Pの軌跡が (x+1)²+(y+1)²=2 のとき

 点Pは (a,b)=(x, -1±√{2-(x+1)²}) だから、同様に④から
    v/u=b/a=[-1±√{2-(x+1)²}]/x・・・・・⑤
    xu+{-1±√{2-(x+1)²}v=1
 これらから {-1±√{2-(x+1)²} を消すと
    xu+xv²/u=1 → x=u/(u²+v²)・・・・・⑥

 また、⑤で±√ で整理して、2乗を取ると
    (xv/u+1)²=2-(x+1)² → (v²/u²+1)x²+2(v/u+1)x=0
   → x=0 or x=-2(v/u+1)/(v²/u²+1)=-2u(v+u)/(v²+u²)

 ⑥と合わせると
    u=0
 または u≠0 とすると
    u/(u²+v²)=-2u(v+u)/(v²+u²) → v+u=0・・・・⑦

 ここで、②から、u=0 → 常に a=0 となるが、aは円の軌跡なので、aは常に0ではなく、
 u=0 は無い。したがって、解は⑦の直線(の一部)のみとなる。

以上



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