翻訳者魂

人間は関係を持ちたい。人間は知られたい。人間は参加したい。人間は貢献したい。人間は自分に価値があると思いたい。

逆風満帆

2006-12-27 11:16:01 | 文学



逆風満帆


家族の病気、仕事の悩み、経済的な問題が原因でひどく落ち込み、誰にも会いたくない。眠れない。朝4時に布団に入り、3時間で布団から出る。

以前ここに書いた自殺しそうな人の見分け方 : 世界保健機関の報告に自分の状態があてはまり、ハッとする。友人が2年前に死んだときと状況もよく似ている。

自分が死んだら、家族がどんなに傷つくか。亡くなった友人の家族を見たのでよくわかる。

死ぬはずはないと思っているけれど、頭がキリキリしたときにどういう行動を起こすのか、予想はできない。特に、昨晩のような嵐は怖い。

自殺予防のサイトにアクセスしてみた。

「誰かに話すことが必要」というアドバイスがある。しかし、家族や友人や親戚には話せない。

いのちの電話の相談員に電話をしてみた。

ダイヤルしている間、助けて欲しい気持ちとどうせ親身になってはくれないだろうという気持ちが行き来する。

「ツーツーツー」、「ツーツーツー」、「ツーツーツー」。

何度かけても話中。今、まさに自分の命を絶とうとしている人がビジー音の向こうにいる。

ふと、新聞の切り抜きが目に入った。朝日新聞の「逆風満帆」。嘘ばかりついて、2回離婚した作家。3度目の結婚では、嘘をつかないことにする。「嘘をやめると、こんなに楽なんだ」と実感するくだりや、借金2億円を小説を書くことで返そうという話が、ぼくのギリギリの頭を撫でてくれたような気がした。

とりあえず、もう少し生きてみよう。


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