鈴木孝夫著『日本語と外国語』を読了。
単語ひとつから文化の違いに言及し、本当の意味での異文化理解における言葉の役割が述べられています。長年英語に携わってきても気づかなかったことが多く、最初に取り上げられて orange の本来の色についての話は興味深かったです。私の英和辞書には「オレンジ色、赤茶色《◆チョコレート色に近い色も含む》」と書かれているので、鈴木先生の指摘を受けて加えられたのでしょう。
また、イスラム世界の国旗に月が多い理由も納得。太陰暦が使われている理由にもつながる気がしました。
後半二章で述べられている漢字の役割についても興味深い考察でした。英語が表意文字であり、アルファベットでつづった文字で表されても意味がイメージできない一方で、漢字は見ればその意味がイメージできるという点で大きな有用性があり、西欧の諸言語が音声にほとんどすべての必要な情報を託すラジオ型言語、日本語は音声と映像という二つの異質な伝達刺戟を必要とするテレビ型言語であるというのは素晴らしい例えだと思いました。
ギリシャ・ラテン語を語源とする難単語を覚えるのはネイティブでも苦労していると分かり、妙に安心しました。だからこそ、そのような単語を自分のものにすればネイティブと対等以上に渡り合える力が付くのかもしれません。
単語ひとつから文化の違いに言及し、本当の意味での異文化理解における言葉の役割が述べられています。長年英語に携わってきても気づかなかったことが多く、最初に取り上げられて orange の本来の色についての話は興味深かったです。私の英和辞書には「オレンジ色、赤茶色《◆チョコレート色に近い色も含む》」と書かれているので、鈴木先生の指摘を受けて加えられたのでしょう。
また、イスラム世界の国旗に月が多い理由も納得。太陰暦が使われている理由にもつながる気がしました。
後半二章で述べられている漢字の役割についても興味深い考察でした。英語が表意文字であり、アルファベットでつづった文字で表されても意味がイメージできない一方で、漢字は見ればその意味がイメージできるという点で大きな有用性があり、西欧の諸言語が音声にほとんどすべての必要な情報を託すラジオ型言語、日本語は音声と映像という二つの異質な伝達刺戟を必要とするテレビ型言語であるというのは素晴らしい例えだと思いました。
ギリシャ・ラテン語を語源とする難単語を覚えるのはネイティブでも苦労していると分かり、妙に安心しました。だからこそ、そのような単語を自分のものにすればネイティブと対等以上に渡り合える力が付くのかもしれません。