OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

ノートルダム寺院での祈り~母娘でパリへ5~

2012年03月24日 | 母娘でパリへ 2012

今回のパリ旅行、日程は娘が決めた。

私は、「いいよ」といって、それに従っただけ。

本決まりになってから、はたと気付いて、気になったことが二つ。

 

一つは、母の財産関係の書類をまとめて提出するのが、3月中だということ。

これは、早めに書類を作り、旅行後に訂正部分を指摘してもらえるよう手続をした。

 

もう一つは、3月11日に日本にいられないなぁということ。

昨年の大地震の時には、いろんなことがあって、考え込んだり、落ち込んだり、涙を流したりしたけれど、私や私の周りの人達が無事であった分、この1周年には哀悼の気持ちを表したいと思っていた。

パリで、娘と2人遊び回っていて良いのか…、後ろめたい思いが心から離れなかった。

 

たまたま検索していたパリ在住の方のページに、3月9日にノートルダム寺院で、東日本大震災被災者のための夕べの祈りがあるというお知らせを見つけた。

これだ!これに出席しよう!

日本にいる間に、娘にもこの情報を伝え、この夜だけは静かにお祈りをしようねと提案した。

 

サント・シャペル見学の後、すぐ近くのノートルダム寺院へ徒歩で向かう。

同じ方向に歩いて行く人々の中に、日本人が多く感じられるのは気のせいかな…。

 

ノートルダム寺院は、まだ青空をバックに建っている。

 

寺院には、入り口へ向かう人々の行列ができていて、私たちもそこへ並ぶ。

確実に、日本の方が多い。

大丈夫、夕べの祈りの情報確かだったらしい。(掲示とかはなんにもでていないので、ちょっと心配だった!)

 

教会の内陣に着席するよう、パリ日本人会の方にご案内をいただけた。

そして、夕べの祈りとミサ。

ほとんどはフランス語でわからないのだけれど、ところどころ日本語でもお祈りや追悼の言葉もある。

そして、聖歌隊の歌う美しいメロディーでお祈りが捧げられていく。

1時間半程の時間、あの時テレビで見た映像を思い浮かべながら、被害に遭われた方達へ思いを寄せた。

 

中高大とカトリックの学校で過ごした私だが、御ミサに預かるのは本当に久しぶり。

それも、フランス、ノートルダム寺院でだなんて。

不思議な巡り合わせだなぁと感じた。

 

教会には、たくさんの日本の方が集まっていた。

そして、観光に来てたまたま参加したという外国の観光客の方達も、一緒に祈りの輪に加わってくださっている。

こうして遠くから、日本の災害に思いを寄せるというのも、本当に有り難いこと。

ここにいることができて本当に良かった!

 

ミサの後には、佐渡裕さんとスーパーキッズオーケストラ(兵庫県)による追悼演奏。

 

 

プログラムはこんな感じ。

-バッハ:G線上のアリア(4’)
Johann Sebastian Bach: Overture (Suite) No. 3 in D major, BWV 1068: II. Air, “Air on a G String”
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007 より「プレリュード」(4’)
*Vcソロ:櫃本瑠音 Rune Hitsumoto
Johann Sebastian Bach: Cello Suite No. 1 in G major, BWV 1007 – I. Prelude
芥川也寸志:トリプティーク 第 1楽章 (3′)
Yasushi Akutagawa: Triptyque – I. Allegro
チャイコフスキー:弦楽セレナー ド 第3楽章「エレジー」(9’)
Piotr Ilyich Tchaikovsky: Serenade, op. 48, C major – III. Elegie
いずみたく(池田明子編曲):見 上げてごらん夜の星を (4′)
Taku Izumi (arr. Akiko Ikeda): Miagete Goran Yoru no Hoshi o (Look Up at the Stars at Night)
レスピーギ:リュートのための古 風な舞曲とアリア第3組曲より 「パッサカリア」(4’)
Ottorino Respighi: Ancient Airs and Dance: Suite III – VI. Passacaglia
ウィーラン(ヤニック・パジェ編 曲):リバーダンス (5′)
Bill Whelan (arr. Yanick Pajet): Riverdance



イスのある場所と演奏の場所の高低差がないので、演奏者や指揮者の様子は見えないが、子どもたちとは思えないすばらしい演奏に聞き惚れた。


すべてが終わって、そろそろ8時という時間。

初めはバラ窓の赤が美しく目に写っていたけれど、いつの間にかもう真っ暗。


内陣のキャンドルが灯されると、教会の中は、また清らかな別世界のように美しく見える。


「良いご縁をいただいたね」

娘と2人、厳粛な気持ちで教会を後にした。



帰りに振り返って撮ったノートルダム寺院。



セーヌ川もこんな夜景になっていました。



 


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