Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

インドと中国の対照的なニュース

2004-08-03 | ◆ビジネス
オフショアリングについては何度か取り上げているが、今日はインドと中国から対照的なニュースが出たので、記録しておきたい。

インド側は、技術者不足が深刻化しているという話。引き抜き合戦も日常化し、給与の増加も続いているようだ。一方の中国は、政府がソフトウェアを戦略的産業と位置づけ、優先的に発展させるという話。

中国もアウトソーシング先としてのイメージは定着してきているが、この2つのニュースを読むと、成長の弊害が出始めたインドと、それに乗じてマーケット拡大を図ろうとする中国、という構図が見えてくる。

今のままいくと、インドは徐々に価格競争力を失い、ソフトウェア工場としては中国が当面拡大する可能性が高い。一方、英語力で優位に立つインドは、BPOという点では強さを当面維持するであろう。インドは価格を主体とした競争力からの脱却を加速させる必要に迫られている。

リーダーを失うということ

2004-08-03 | ◆ビジネス
アップルCEOのスティーブ・ジョブスが癌の摘出手術を受けたというニュースが報道された。手術は成功で来月には復職ということだが、今回のニュースのポイントは、リーダーを失うことの恐怖であろう。

マネージャーとしてのCEOとリーダーとしてのCEOは異なる。安定した業界、成長軌道にある企業であれば、CEOは管理に徹すれば一定の成果が出る。しかし、不安定な業界、復活途上にある企業であれば、ビジョンを持ったリーダーが求められる。アップルは正に後者であり、スティーブ・ジョブスはリーダーとしてアップルを牽引している点に疑いは無いだろう。

マネージャーは交替要員も見つけ易いが、リーダーを見つけることは容易ではない。マネージメントは教育できても、リーダーは資質に依存するところが大きいからであろう。バージンのリチャード・ブランソンの替りを見つけるのが容易でないのと同様、アップルのスティーブ・ジョブスの替りを見つけるのは容易ではない。

今回の件は、ビジョナリーな企業のそんな危うさを垣間見せるニュースであった。今回は事なきを得たが、スティーブ・ジョブズもいずれ引退する時が訪れる、その時までに新たなリーダーを見出すか、あるいは成長軌道にアップルを乗せていくか、まだまだこれからがアップル成長の正念場である。