Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

ブログと野中郁次郎先生

2004-08-01 | ◆ビジネス
いんちき小説のタイトルのようになってしまいましたが、トミーさんがブログをナレッジマネージメントでいかに活用するかについて論じているのに触発されて。

ブログとナレッジマネージメントは、野中先生のSECIモデルに当てはめて考えると面白いかも知れません。とても簡単に言ってしまうとSECIモデルは、ナレッジが以下のプロセスを辿って生成・活用されるというものです。

①Socialization:暗黙知が暗黙知として伝承される状態
②Externalization:暗黙知が顕在化した状態
③Combination:顕在化した知識が結びつき新しい知識を生む状態
④Internalization:新しい知識が個人に内面化され活用される

ブログを書いていて思うのですが、ブログは②のプロセスとして極めて有効であると感じます。なんせこんな機会でもないと、頭に思ったこともすぐに忘れてしまうのですが、ブログのお陰でもやもやと思っていることが、整理され明確になっていきます。③のCombinationもブログの得意分野です。トラックバックやコメントを通じて、様々な人のアイデアがぶつかりあい、新しいものを生み出す可能性を秘めています。

トミーさんの言う通り、このプロセスをうまくコントロールすることで企業のナレッジ活用を改善していくことができるでしょう。一番難しいのは、ブログというメディアは最も「マネージ」という概念から離れたものであろう、ということでしょうか。ナレッジ・マネージメントもナレッジをマネージするという考えから、ナレッジを成長させるという考えにいよいよシフトしないといけないですね。

ナレッジ・マネージメント、ソフトなだけにまだまだビジネス・チャンスあると思います。考えてみましょう。

マフィアがマフィア映画、銀行が銀行システム

2004-08-01 | ◆ビジネス
ロシアのマフィア幹部が、子分総出演でマフィアをテーマにしたドラマを作って大反響、映画化も検討しているらしい。

自分達の犯罪を下敷きにしているというからリアルである。撮影中に子分が本当のマフィア抗争で殺されて、キャストの入れ替えも発生したそうだ。

そもそもの動機はわからないが、「映画関係者ってのは、どいつもこいつもマフィアの本当の姿を判ってない。俺が作ってやる!!」みたいなことなんでしょうか。

実はこれ、ITの世界も同じで、例えば銀行向けのシステムをITベンダーが構築しても、銀行側からすると「お前ら俺達の仕事を全然判ってない。俺が作ってやる!!」っていうようなことになります。

しかし、マフィア映画製作中に子分が殺され、キャストの入れ替えが発生していますが、映画ビジネスとマフィア・ビジネスを両立させるのは相当無理がありそうですね。「マフィア」というキーワードで繋がる「マフィア」映画と「マフィア」ビジネス。一方、「映画」というキーワードで繋がるマフィア「映画」と「映画」ビジネス。シナジーの高い方が最終的には生き残るでしょう。

さて、「銀行」システムと「銀行」ビジネス、銀行「システム」と「システム」ビジネス、どちらがシナジー効果高いでしょう? 恐らくテクノロジーが複雑化を深めるにつれ、「銀行」から「システム」へとシナジーが移っていくと思われます。銀行のユーザーが自分で作ってしまった方が良いものもあるでしょうが、徐々にシステム・ベンダーに任せた方が良い部分が増えているというのが現実でしょう。

しかし、先のマフィア映画はロシアの映画業界に警鐘を鳴らしたことでしょう。システムでも同じことにならないように気をつけないと。