Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

日本IBMの売上不正計上?

2005-02-26 | ◆ビジネス
日本IBMの売上不正計上により、米IBMの2004年度売上高が約220億円下方修正となった。これだけ読むと単なる不正会計事件のようだが、もう少し中身を見ていくとIT業界にとっては他人事では済まされない話であることが判る。

『米IBMの2004年売上高修正、原因の日本IBM大歳社長は「社内規定違反」と繰り返すのみ』 Nikkei IT Pro

IBMが不正会計としたのは、日本IBMが何ら付加価値をもたらすことなく、他社製ハードウェアを販売したケースである。IBMの内規では、こうしたケースでは手数料相当のみしか売上計上を許しておらず、仕入れ価格も含めた全額を計上したことが問題とされた。

IBMはこの不正会計を内規違反とし、民事上も刑事上も問題ないとしている。それは、会計基準が厳格化されるのに先んじて、IBMが付加価値部分のみを売上として計上する社内規定を実践しているからである。記事からは当内規が2004年度に導入されたものであることが読み取れる。

このニュース、一見IBMが悪事を働いたように聞こえるが、むしろIBMが付加価値をベースとした会計処理へ率先して移行しつつあるという事実に着目すべきである。先日のメディア・リンクス事件を反面教師とすれば、IBMのような取り組みはさらに推し進められる流れにある。

一方、こうした試みにおいて次のような疑問が湧く。1つは、何を付加価値として何を単なる横流しと判断するのかという判断基準の問題である。SIビジネスという業態では、この判断が明確でないと統一的な会計処理は難しい。もう1つは、付加価値の議論はハードウェアに限らず、サービスにも当てはまる点だ。サービスにおいても単に外注先のマンパワーを顧客に横流しするのみでは付加価値を加えたとは言いがたい。

記事によれば、3月に日本公認会計士協会から会計基準のガイドラインが出るそうである。IT業界はその内容に十分注意を払う必要がある。なぜならば、これはIT企業がその存在意義でもある付加価値というものを問い直す貴重な機会を提供するからである。

PCは売らないがPC関連サービスは売るIBM

2005-02-21 | ◆ビジネス
IBMの戦略を象徴するようであるが、PCから撤退したIBMが、PC関連サービスを新たに立ち上げるという記事が本日の日経夕刊に出た。

「企業のパソコン遠隔管理、日本IBMが代行サービス」 日経夕刊 2005/2/21

パソコンの維持管理に関わるサービスをメニュー化して提供するというもの。PCから撤退すると言いながら、PC関連サービスは新規に立ち上げているあたり、方向性は明確である。

Salesforce.com、第4四半期も好調

2005-02-21 | ◆ビジネス
Salesforce.comの第4四半期、売上は$54.6Mで前年比82%増、前四半期比18%増であった。

Salesforce.com reports solid quarter, CBR Online, 21 Feb 2005

この四半期に増加した契約ユーザー数32,000で、契約ユーザー数合計が227,000人。企業数では1,400社となる。ちなみにオンデマンドという点では後発となるSiebelは、契約ユーザー数がまだ28,000に留まる。

記事にはSiebelがSalesforce.comのユーザーをリプレースした話が出ているが、現時点ではまだ例外的との印象。