Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

病院の怖い話

2010-07-10 | ◆少し文化的
世の中には四つのタイプの人がいる。嘘を嘘として話す人。嘘を本当っぽく話す人。本当のことなのに嘘っぽく話してしまう人。そして、本当のことを本当のこととして話す人。今回の話は、この四番目としか思えない人、つまり本当のことを本当のこととして話すことしか出来ないようなタイプの人から聞きました。怖い話なので、苦手な人はここまでで。

とある飲み会でのこと。なんでこんな話になったか覚えてないですが、救急車で運ばれる時、聖路加国際病院が搬送先になる場合、「聖路加国際病院でもいいですか?」と搬送してくれる人に聞かれるのだそうです。それは、聖路加国際病院の病室は全て個室で、入院することになると非常に高くつくかららしい。

話はそこから入院するなら個室か相部屋かという議論へ展開し、いつの間にか論点は値段ではなく、どっちが怖いかへと移って行きました。最近3ヶ月入院したという方は、絶対相部屋だと。それも二人とかではなく、四人とか六人とかがいいと主張します。何故なら、二人部屋だと一人が退院すると個室になってしまうから。相部屋だと確かにうるさいけど、物音がするのは人が居る証拠だから構わないのだそうです。手術した直後だけは個室にされて、看護士さんにドアを閉めないようお願いしたそうです。

しかし、入院というのはそんな怖いものなんでしょうか?

そこに登場するのが元看護士で、今は看護学校の先生をしている女性。この人が、さっきの本当のことを本当のこととしてしか話さないと思われる人。当時は小児専門の看護士で、当直などもあったそうですが、寝ているとよく枕元で子供の遊ぶ声が聞こえたそうです。ただ、子供なので、また来たな、という感じでそれほど気にせずにいたそうです。私はこの時点でかなり鳥肌ですが、彼女はとても普通に話します。

しかし、そんな彼女にも怖かった体験があったそうです。それは、仕事が遅くなって深夜2時頃の帰宅となったときのこと。帰りに霊安室の前を通った際、霊安室の中からドンドンドンと扉を叩く音がしたのだそうです。彼女は誰か中にいるのかと思い霊安室のドアを開けようとしたらしいのですが、霊安室のドアというのは普段は鍵が掛かっていて開かないのだそうです。仕方なく立ち去ろうとするとまたドンドンドンと。しかしやっぱり鍵が掛かっていてどうしようもありません。已む無く、その夜はそのまま帰ったそうです。

そして翌日その話を病院で聞いてみたところ、誰かが中にいたということはやはりないとのことでした。ただ、その少し前に中学生が何かの理由で急死して霊安室に安置されていたということでした。う~怖いですね。心構えなく急に死ぬと、死んだことを受け入れられないのかもしれません。こういう話、なかなか信じられませんが、本当のことを本当のように語る人から聞くと信じざるを得ませんね。やっぱ病院は相部屋です。

ちなみに、私は、嘘を本当と信じて本当っぽく話す人です。

インド式結婚式 その4 「Baraat」

2008-12-13 | ◆少し文化的
ちょっと間が空いてしまったが、まだ2日目である。
前日の「Sangeet」が前夜祭であるならば、今日の「Baraat」はいよいよ3日続く結婚式のクライマックスと言っていいだろう。インド北部では、結婚の儀式として、新郎が真っ白な騎馬に跨り、家族を伴い新婦の邸宅を訪れるという習慣があるそうだ。これが普通とちょっと違うのは、それに楽隊がくっ付いてきて、踊りながら行進するという点である。

さて、3通ある招待状(一応日毎に別れている)のうち、「Baraat」を注意深く読む。場所は昨夜とは異なり、車で30分くらいかかりそうだ。時間はまたもや夜の7時半。昨夜時間通りに言って寂しい思いをしたので、今日はギリギリの7時に出れば、ちょっと遅れるくらいで丁度いいだろうと踏む。

そして7時半くらいに到着。がが~ん。またしても誰もいない。


どうしてインドの結婚式は全然時間通りに始まらないんだ。それにしても、誰も来ない。いや数人のまじめな人たちは来ている。が、5分経ち、10分経ち、会場が違うんじゃないかという不安がよぎる。しかし、それは杞憂であった。例の行進をやるために、皆別の場所に集合していたのだ。

我々も集合場所へ移動し、真っ暗な中でガヤガヤと待っていると、照明がついて楽隊が太鼓をガンガンたたき始める。すると、光の中に馬上の新郎が浮かび上がる。派手に飾り付けられた騎馬に新郎が正装で跨り、楽隊に先導されて新郎の馬は本日の宴会場へ向かう。本当は新婦の邸宅へ向かうところであるが、今回はゲストハウスで代用しているとのことである。




さて、やっぱりここで踊りが始まる。馬の後ろから歩いて付いていくことは許されず、踊りながら付いていかなくてはならないのだ。その道のり、およそ数百メートル。そして、ゲストハウスの入口に着くと、新婦の家族が出迎える。新婦はまだそこにはいない。そこで、ちょっとした歓迎の儀式が行われると、いよいよ新郎の家族、それに続いて我々踊るゲストがゲストハウスへとなだれ込む。



先ほどの写真の会場が人で埋め尽くされ、しばしの歓談タイムの後、いよいよ新婦が登場する。今夜はクライマックスらしく、昨日よりもゲストの数も多い。また、海外からやってきたという親戚も何人かいた。

派手な音楽の中で新郎と新婦が一緒になり、ひとしきり写真撮影などが行われる。が、その後は昨日と一緒。ひたすら前菜が出ておなか一杯になると、やはりあったかダンスステージ。踊りが始まり、おなか一杯で休んでいるとターバンまいたお父さんに、何やってんだと怒られる。

あぁ疲れた、おなかも一杯という頃に、なぜかメインコースのカレーが大量に用意され、そこからまた食事が始まってしまうのである。その間もひたすら踊りは続き、たまにダンスステージから、蛇のように踊りの列が会場内を練り歩き始め、休んでいる人をその列の中に取り込みながらダンスステージへ戻るということが行われる。ここで絡め取られるとまた踊らないといけないのである。

お開きは深夜零時くらい。今夜の宴会場は屋外であったが、この季節のインドは朝晩涼しく、雨も少ないのでなかなか快適であった。しかし白馬の行進はすごいね。

インドのテロ事件

2008-11-28 | ◆少し文化的
インドの結婚式の話がまだ終わっていないのだが、凄惨な事件の直後なので結婚式の続きはまた次回としたい。それにしても、自分がインドを訪問してから2ヶ月と経たないうちに起きた今回のテロは、報道にもあるように従来のテロ事件とは全く様相が異なる。

これまでのインドのテロは宗教施設を狙ったものが多く、それゆえに出張などで訪印する際にも、それほどテロを意識することはなかった。しかし、今回のように外国人をターゲットとしたテロとなると、海外からの投資を成長の牽引力としているインド経済には非常なマイナスとなるだろう。

また、インドへ経由便で飛ぶときは、バンコク経由とシンガポール経由が多いが、前回利用したバンコクは現在反政府デモで占拠されてしまっている。結婚式でインドへ行った際はバンコク経由でデリへ飛んだので、まさにその空港が占拠されているとは驚きである。その時も、バンコク市内は混乱していたが、空港だけは何事もなかったように時間が流れていたのを不思議に感じてもいた。

せっかく日本とインドのITビジネスが拡大しようとしているだけに、ここで政情不安が打撃を与えることは何とか避けたいものである。

インド式結婚式 その3 「Sangeet」

2008-11-10 | ◆少し文化的
さて、いよいよ3日間続く結婚式初日である。場所はホテルの宴会場で、夜の7時半とある。結婚式だから遅れちゃいかんと思い、15分前くらいにホテルへ到着したが、ロビーには誰もいない。コンシエルジュにバブニートの結婚式どこだと聞くと、あっちだと言われた方の宴会場へ行く。中を覗くと準備している人達が多少いるだけで、やっぱり誰もいない。あれ、日を間違えたかなと焦る。

もうしばし待つと、主催者達7時半丁度に到着。で、ほとんどの来場者は8時頃に来たようだ。つまり、初日の宴会というのは、時間通りに始まるものでもないらしい。最初に言っといてくれないとね。どうやら、前日にチャンディガルへ到着した人たちには、踊りのレッスン!!があり、そのときに時間通りに来るなと忠告があったらしい。

初日は「Sangeet」と呼ばれる。Wikipediaによれば、言葉の意味を直訳すると「一緒に歌う」となるようだ。結婚式の2~3日前に行われ、女性達が伝統的なインドの歌を歌うという儀式である。しかし、それだけではなく、大量の食事が供され、かつその後は踊るのである。

8時くらいに大体ゲストが揃うと、会場の奥の方、白い布が敷き詰めてあったあたりにインド人の女性達が10人くらい固まって座っている。すると、女性達がインドの伝統的な歌(多分)を歌い始めた。気持ちをインドに馴染ませるには丁度良い実にインド的な響きである。



歌は30~40分も続いたであろうか。すると、会場の入口の方へと100名はいるであろう来場者がみな誘導される。何が始まるのかと思いきや、阿波踊りみたいなインドの楽曲が始まり、皆で手を上に上げながらまさに阿波踊り的な踊りを踊りながら会場の奥へと行進が始まった。なるほど、ここからが本番かい。



さっきまで敬虔な雰囲気が漂っていた白布の上は、ダンスフロアとなり、ターバンを巻いたおじさん達が激しく踊ること数時間。もうへとへととなった頃に、メインコースが供され始めるのであった。夜も10時くらい? ただ、それまでにさんざん立食の前菜を食べているので、すでにかなりおなか一杯。



しかも、ゆっくり食べていると、ターバン巻いたおじさんがやってきて、何食ってんだ、踊れとか叱りにくるのである。そして踊るかカレー食うかを数時間繰り返しているうちに夜も更けてようやくお開き。

これが前夜祭。それにしても、インド人が踊り好きというのは本当なのですな。